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推理将棋第185回解答(2)

[2025年5月23日最終更新]
推理将棋第185回出題の185-2の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

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185-2 中級  けいたん 作  角尻に飛で両王手      11手 

「どうだ両王手11手で詰みだ」
「負けました。角尻に飛の手があったね」
「玉が動いたのまずかったんじゃない」
「先手は連続で駒を打ったね」

さて、どんな手順だったのでしょうか。

(条件)

  • 両王手をかけた11手目で詰み
  • 角尻に飛の手あり
  • 玉が動く
  • 先手は連続で駒を打つ

出題のことば(担当 Pontamon)

 角尻への飛の手が両王手の手ではありません。角尻に飛の手があって、その後で両王手です。

作者ヒント

 桂の手あり(けいたん)

締め切り前ヒント

 先手が打った角の尻へ先手が飛を打ちます。

余詰修正

 会話に「先手は連続で駒を打ったね」を追加し、条件に「先手は連続で駒を打つ」を追加して余詰修正とさせていただきます。


推理将棋185-2 解答 担当 Pontamon

▲76歩、△34歩、▲22角成、△32飛、▲同馬、△33桂、
21角、△52玉、▲22飛 、△51金右、▲43馬 まで11手

(条件)
・両王手をかけた11手目で詰み(△52玉:▲22飛、▲43馬)
・角尻に飛の手あり(7手目▲21角-9手目▲22飛)
・玉が動く(8手目△52玉)
・先手は連続で駒を打つ(7手目▲21角、9手目▲22飛)

Suiri1852

「角尻に飛の手」の条件があるので本問の両王手の形は角と飛(またはこれらの成駒)によるものが濃厚です。この「角尻に飛の手」の条件ですが、どちらの角の尻へのどちらの手番で飛の手を指したのかを解明して行きます。先後の角と先後の飛の組み合わせは4通りですが、まずは先手の角尻へ後手の飛の手だとすると、▲76歩、▲22角不成、▲31角不成の後に△32飛を指して、その後▲22角成から▲32馬で飛を取れますが取った飛を打つ手が11手目となってしまうのでこの手順ではありません。▲76歩、△62飛、▲55角、△74歩、▲91角不成、△92飛の手順も7手目に角成して9手目に飛を取る進行では両王手を掛けることができません。次は後手の角尻へ後手の飛の手を指す場合だと、▲96歩、△34歩、▲97角、△33角、▲53角成、△32飛のようにこれも6手目に角尻に飛の手を実現できますが、飛を取るのに7手目の▲43馬から9手目の▲32馬の手順だと飛を取るのが9手目になるので両王手に持って行けません。

Suiri1852a角尻の飛の手が6手目では飛を取る手が9手目になってしまうのが失敗の原因のようです。となると先手が後手の飛を取る手を7手目までに完了させてから飛を打つ手順が必要になります。後手の角尻へ先手が飛を打つ▲76歩、△34歩、▲55角、△74歩、▲82角不成、△33桂、▲21飛の手順だと5手目に飛を取って7手目に角尻への飛の手を実現できます。その後、▲22飛で後手の角を取って▲32角と打って空き王手の準備まではできますが、この手順では両王手にはできず、そもそも手数オーバーになるので失敗です。これで、「角尻への飛の手」の条件は先手の角尻へ先手が飛の手を指す組み合わせしか残らないことが確定しました。かと言って▲82角不成、△84歩、▲83飛の7手目に「角尻への飛の手」を実現できますが後手玉から離れた8筋では両王手になりません。飛車を取った先手角の角尻へ飛を打つのではなく、後手の角と飛の両方を取れば好きなところへ角を打ち、その角尻へ飛を打つことができます。そこで考えたのが参考図の手順です。後手の飛車を取った32地点の馬が最終手の▲41角成の馬を支える形なので△同玉と逃げることはできずに両王手で詰んでいるのですが、条件を確認してみると「玉が動く」という条件がありました。参考図の手順では居玉のままの51の玉が詰んでいるので条件をクリアできていなくて失敗でした。

参考図:▲76歩、△34歩、▲22角成、△32飛、▲同馬、△42金、▲52角、△54歩、▲53飛、△62銀、▲41角成 まで11手

「角尻に飛の手」の条件があることから両王手の形は角と飛の組み合わせだと思い込んでいましたが、これはミスディレクションの罠だったのかもしれません。先に考えた▲91角不成、△92飛の手順では92の飛を取るのに時間が掛かるので失敗でしたが、11の香を取る手順だと手数を少なくできます。▲76歩、△34歩、▲22角不成、△54歩、▲11角不成、△12飛、▲56香、△55歩、▲同角不成、△42銀、▲73角不成であれば香と角での両王手を実現できますがこの手順も玉が動いていないので失敗です。

何か見落としか思い込みがありそうです。両王手の角の相方が飛でも香でも両王手の扉の役は角でしたが、両王手の扉は角ではなく飛なのでしょうか?▲76歩、△32飛、▲33角成、△42金、▲22馬、△41玉、▲32馬、△同玉、▲55飛、△33玉、▲66角、△24角、▲35飛の両王手での詰みでは飛が両王手の扉の役をしていますが、手数オーバーの13手なので失敗です。飛と角を取ったのでこれら2枚の駒で王手を掛けるように配置するのが当然なことだと思っていましたが、そこに落とし穴があったのかもしれません。つまり、最終手の両王手の扉の役は角でも飛でもなく、後手の飛を取って盤上に残っている馬なのかもしれません。それを前提にして詰み形を考えてみます。△32飛を先手の馬で取るのであれば、32地点に先手の馬が居て、この馬が最終手で動いて後手玉に王手を掛け、馬が動いたことによって打った飛も後手玉に王手を掛ける形を考えることになります。32の馬が飛の利きを止めていたはずなので、飛の位置は3筋か2段目のはずで後手玉も同様に3筋か2段目です。しかし、後手玉は32の馬の利きが届いている22地点、31地点、33地点、42地点ではありません。先手は3手目に▲22角成で角を取り、4手目の△32飛を▲同馬で取る手順のはずなので、34地点より遠い3筋地点へ後手玉が行くには手数が掛かり過ぎるので後手玉は52地点より9筋側の2段目です。その2段目の玉へ32地点の馬が動いて王手できるのは▲43馬か▲41馬で52の玉に王手することになります。また、もうひとつの王手は2段目の飛になるので▲12飛か▲22飛を指しているはずです。この飛の手は角尻への手ですので、▲11角か▲21角の駒打ちをしていることになります。角打ちと飛打ちの両方を実現できるのは、△33桂で桂が居なくなった21地点へ▲21角と打ち、その次に▲22飛を打つ手順になります。▲21角の利きを支えにして32地点の馬が動く最終手は▲43馬に確定します。初手から、▲76歩、△34歩、▲22角成、△32飛、▲同馬で角と飛を取り、続いて6手目から△33桂、▲21角、△52玉、▲22飛と進みますが、10手目は後手玉の退路となっている51地点を埋める△51金右の協力手で11手目の▲43馬の両王手で詰みとなります。

なお、余詰は△32飛と△33桂の手順前後でした。粗検、大変申し訳ありませんでした。

▲76歩、△34歩、▲22角成、△33桂、▲21角、△32飛、▲同馬、△52玉、▲22飛、△51金右、▲43馬 まで11手

それではみなさんの短評をどうぞ。

(短評)

NAOさん「角尻地点の特定が難しく185-3より難問。馬を支えるための21角を作る33桂が妙着。」

■角尻の飛の手を実現するためだけの▲21角に非ず、▲43馬を支えるのが本来の役割でした。

テイエムガンバさん「▲76歩、△32飛、▲33角成、△52玉、▲32馬、△33桂、▲21飛という手筋を読んでしまい、どうやって32の馬にヒモをつけながら両王手を実現させるかを考えてしまいました。」

■7手目に1段目へ飛を打つと9手目が角打ちで最終手がその角の尻へ飛を移動することになり、両王手どころの問題ではなく手数が足りなくなりますね。

RINTAROさん「飛を取ることまで考えると21飛22角しかなさそうです。」

■短評だと22の後手角の駒尻の21へ先手が取った飛を打つ手順みたいだったので解答を二度見しました。単純に短評の書き間違いだったようで解答は正解でした。

飯山修さん「直前ヒントは先手の全ての手を教えてくれているので8手目と10手目を考えれば良い事になる。ちょっとサービスしすぎかも。」

■参考図の紛れ筋が浮かぶと直前ヒントでも悩む方が居ると予想しました。

piyoさん「「角尻への飛」という表現でその2つの駒での両王手を誘われてそうでしたが、無理そうだと早々と諦めて他の筋を考えて解決しました。この問題が一番最初に解けました。」

■「角尻への飛」の2つの駒での両王手としては参考図の手順がありました。

原岡望さん「ヒント頼み。狭い所に打つとは。」

■空き王手や両王手は、合い利かずの形のはずなので広いエリアだと思いがち。

Miyaさん「「桂の手あり」というヒントで、やっと解けました。」

■桂が居なくなった地点へ駒打ちができますが、角尻へ飛を打たなければいけないので21地点へは角を打つという筋書きでした。

るかなんさん「飛車取りが必須だからと左辺を攻めると間に合わない。」

■82の初期配置の飛を角不成で取るとその角の角尻へ飛を打つのが条件をクリアするには手っ取り早いですから左辺に惹かれてしまいます。

はなさかしろうさん「両王手詰は最終手が必ず移動手(非駒打)になるわけですが、11手以上あると攻方が準備に2枚打てるので近接王手のバリエーションが急増して解図が難しいです。51金右が感じ良いですね。」

■玉の退路を塞ぐ協力手の△51金右が光っています。

桝彰介さん「ヒントに桂の手とあったので角と桂馬の両王手を探しましたが、分かりませんでした。」

■先手が桂を取って両王手に使う手順ではなく、角の打ち場所を空けるための桂の手でした。

ほっとさん「6手目から「62銀、52角、54歩、53飛」や「54歩、53角、55歩、54飛」では玉移動の手が入らない。21角~22飛が気付きにくい。」

■参考図の失敗例も考えていただいたようですね。

占魚亭さん「紐付けするのがポイントでした。」

■両方手の飛の相方になる馬を支える駒が必要でした。


正解:12

  NAOさん  けいたんさん  テイエムガンバさん
  RINTAROさ  飯山修さん  piyoさん  原岡望さん
  Miyaさん  るかなんさん  はなさかしろうさん
  ほっとさん  占魚亭さん

(当選者は全題の解答発表後に発表)

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