推理将棋第185回解答(3)
[2025年5月25日最終更新]
推理将棋第185回出題の185-3の解答、第185回出題の当選者(占魚亭さん)を発表します。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
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推理将棋(おもちゃ箱) 推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
185-3 上級 けいたん 作 両王手まで 11手
「両王手まで11手で詰みか」
「駒成2回はどちらも1段目だね」
さて、どんな手順だったのでしょうか。
(条件)
- 両王手まで11手で詰み
- 駒成2回はどちらも1段目
出題のことば(担当 Pontamon)
情報が少ないですが、「1段目での2回の駒成」が解図のヒントになっているはずです。
作者ヒント
銀の手あり(けいたん)
締め切り前ヒント
最終手は1段目への角成で、最初の1段目の駒成も角成です。
推理将棋185-3 解答 担当 Pontamon ▲76歩、△34歩、▲22角不成、△42玉、▲11角成、△22銀、 |
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2回あった駒成が両方とも1段目とのことですが、11手で詰めた先手が2回の駒成をするのか、後手と先手で1回ずつの1段目での駒成なのでしょうか?後手が自陣の1段目で駒成をするのなら手順はかなり限定されそうです。たとえば、▲76歩、△32飛、▲33角不成、△42銀、▲24角不成、△37飛不成、▲13角不成、△31飛成の手順なら8手目に後手は自陣の1段目で飛を成ることができます。先手の13の角も11手目なら▲31角成をすることはできても詰みにはなりそうにありません。後手の角が4手目に△77角不成をしてから△12香を指せばやはり8手目に△11角成をすることはできます詰みにはなりそうにありません。つまり、2回の1段目の駒成は両方とも先手の手になりそうです。2回の駒成のうちの1回は角成になるのでしょうが、もう1回の駒成をする駒は何になる可能性があるのかを考えてみると、後手の角は最短で3手目に取れますが、空き王手の形(両王手も含め)で最終的に相手玉を詰める駒と飛の駒の利きを止めていた扉の役割をする駒の組み合わせとして、角と角、飛と飛、香と香などの同種駒の組み合わせは存在しません。何故なら相手玉を詰める駒と扉の駒が同種の駒なら扉の役の駒自体で王手が掛かっていることになるからです。となると、角と組む駒は飛か香のはずです。飛を角で取るには初期配置の82の飛、42地点や62地点の飛を角不成の手で取ることはできます。この場合、7手目、9手目、11手目の3手は飛を打つ手と2段目に居る角と打った飛の両方が1段目で成る手なので、最終手は打った飛を成る手に決まります。1段目に成った馬の利きを飛で止めておいてからの1段目への飛成の手が空き王手になる配置があったとしても両王手にはなりません。玉が1段目に居る場合は飛成した龍の利きが届いていても1段目の馬の利きは届いていないはずです。1段目の馬の利き筋に後手玉が居るのなら3段目より上の段に居ることになるので1段目で成った龍の利きは後手玉へは届きません。
ということで1段目の駒成で取る駒は11の香で、この香と香を取りに行くために3手目に取ることになる角との組み合わせで両王手になる配置を考えれば良いことになります。この方針で指したのが参考がの手順になります。11の香を▲11角成で取ったあとの馬が最終手の▲21香成の成香を支えていて、13地点へ打った角と21の成香での両王手になりましたが、玉の退路を塞ぐ△42飛が間に合わなかったので△42玉と逃げられて失敗でした。
参考図:▲76歩、△34歩、▲22角不成、△42玉、▲11角成、△14歩、▲13角、△32銀、▲22香、△31玉、▲21香成 まで11手
11の香を取った後の馬が最終手を支えることによって両王手を実現している構造にする考えに間違いは無いはずなので、最終手が▲21香成でないのであれば、最終手は▲21角成しかあり得ません。21地点の馬が後手玉に利いているはずなので、後手玉の位置は参考図同様に31地点で間違いはないはずです。角が移動したことによって香の利きが31地点の玉へ届く地点に香が居るのですから、香は3筋で、この香の利きを止めていた角が▲21角成をするのですから、角は32地点へ打たれたことになります。これらを踏まえて手順を考えると初手から▲76歩、△34歩、▲22角不成、△42玉、▲11角成で香を取ります。玉は31地点へ行くので31の初期配置の銀は移動する必要があります。銀は4手目に動くことができますが、4手目だと△42銀か△32銀のどちらかです。22地点の先手の角を取ってはいけませんし玉の移動の邪魔をする△42銀も指せません。銀の手が6手目だと42地点に玉が居るので△32銀か△22銀ですが、先手は取った香を3筋へ打つ手筈なので香の利きを遮る△32銀は不適切です。したがって6手目からは△22銀、▲32角、△31玉、▲33香と進め両王手の準備は完了です。10手目は参考図の手順では指せなかった玉の退路を塞ぐ△42飛で11手目の▲21角成の両王手で詰みとなりました。
それではみなさんの短評をどうぞ。
(短評)
NAOさん「手順前後を許さない協力手22銀~31玉が巧み。」
■両王手を掛けるには31の銀の存在が邪魔。かと言って△32銀によけるのは王手の邪魔。6手目が両王手の邪魔にならずに△22銀を指せる唯一のタイミング。
RINTAROさん「最初の1段目成が11角成だと分かると自然に解けます。」
■11の馬を生かして最終手は21地点での駒成を想像できれば解図が容易になりますね。
飯山修さん「直前ヒントを見る迄1段目角成の両王手なんて考えもしなかった。過去問で最終手両王手の11手以下作品12問に31玉型はなかったから。香と角成の両王手しかないと考えたら確かに成立する事に感心。」
■最終手の1段目での角成を支える駒があったので成立した形でした。
piyoさん「この問題だけはヒントなしでは解けず最後までかかりました。飛車を使う筋を諦めて角と香車の筋を考えていたのですが、「角-香-玉」という位置関係では手数クリアできず、締め切り前ヒントを見てようやく「香-角-玉」で解決しました。」
■「角-香-玉」という位置関係は参考図の形でしょうか。玉の退路が空いているので手数をクリアできませんでした。
原岡望さん「ヒント頼み。香角コンビとは。実戦には絶対出ない筋」
■実戦での香の使い方は控えて打っての田楽刺しとか、安い駒なので二歩になる時の合駒での使用が多いですかね。
Miyaさん「一回目の角成で香を取る事を考えたら、すんなり回答にたどり着きました。」
■香を取って両王手に使おうと思っていなくても、最初の1段目での角成のついでに何か駒を取ろうとしたら香か銀ですね。香なら両王手で使えそうだと気付けば手順が見えて来ます。
るかなんさん「無理をして飛車を取らずともついでに取れる線駒が落ちていた。」
■両王手と言われるとついつい角と飛のコンピを考えてしまいます。
はなさかしろうさん「33の空間にぴったり納まる香、巌窟みたいで面白い詰上りでした。シンプルかつ強力な駒成条件で成立しているのが素晴らしかったです。」
■1筋から4筋までの後手陣(1段目から3段目)の12マスで空いているのは12地点だけという駒配置からの相手玉に超接近での両王手でした。
桝彰介さん「角と何の駒で両王手をするのか分かりませんでした。」
■両王手の相方はよく出て来る飛ではなく香でした。
ほっとさん「少ない条件でうまく限定できている。よく見ると33香は詰みに不要だが。」
■念には念を入れて息の根を断つ両王手でした。(^^)
正解:11名
NAOさん けいたんさん テイエムガンバさん
RINTAROさ 飯山修さん piyoさん 原岡望さん
Miyaさん るかなんさん はなさかしろうさん
ほっとさん
(総評)
NAOさん「けいたんさんの両王手の特集。初出の形もあり楽しめました。」
■飯山さんの短評からすると、185-3の31の玉が初出の形ということですか。
けいたんさん「作意手順を思い出せず締め切り前ヒント前日にようやく解けました。うーむ。」
■担当は作図後3ヵ月を過ぎると、仕掛けのカギは思い出しても手順を思い出せなくなります。けいたんさんの場合は作図数の影響があるのかも。
RINTAROさん「けいたんさんの両王手3題。楽しく解けました。」
■楽しんでいただいて幸いです。
飯山修さん「とうとう後期高齢者の仲間入りとなった。薬はたまに風邪の時と胃もたれの時しか服用しないでいられるのであとはボケないように心掛けたい。」
■健康で羨ましいです。担当は今週から1種類増えて投薬は9種類。
原岡望さん「今月は5/4 26時の解答です。パラは残り2問苦戦中」
■パラで解けいたのが1問だと、残り2問を3日。一日一問を解けば楽勝?
るかなんさん「全部3手目角取り、しかもその意味づけが全て異なるとは。お見事な三部作。」
■同じ月の出題になりましたが実は三部作ではなく、185-1は2023年5月、185-2は2020年6月、185-3は2025年1月に投稿された作品でした。
はなさかしろうさん「今回の連休は曜日・日付・季節と、時間の感覚全般が迷子になってしまいました。最終日回答は、まぁ通常運転なのですが。」
■前後半の4連休の方とか11連休の方とかで行楽地の混み具合は例年と違っていたのかな?
桝彰介さん「今回は1問しか解けなかったものの、全て両王手の11手で面白かったです。」
■解けなくても解図に取り組んでいただいて楽しまれたのであれば幸いです。
ほっとさん「結局ヒント待ちになってしまった。」
■年明け後は難問とか長手数作ばかりかな。6月出題ではヒント前の解答が増えるように難度を下げようと思います。
占魚亭さん「前回送り忘れ、今回も忘れる所でした。危ない。」
■先月は送り忘れでしたか。先月は所用で不在のため締め切り日当日の解図が出来なかったのかと想像してました。
推理将棋第185回出題全解答者: 14名
NAOさん けいたんさん テイエムガンバさん
RINTAROさん 飯山修さん piyoさん 原岡望さん
中村丈志さん Miyaさん るかなんさん はなさかしろうさん
桝彰介さん ほっとさん 占魚亭さん
当選: 占魚亭さん
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