推理将棋第186回解答(2)
[2025年6月25日最終更新]
推理将棋第186回出題の186-2の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第186回出題 推理将棋第186回解答(1) (2) (3)
推理将棋(おもちゃ箱) 推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
186-2 中級 けいたん 作 48角成まで12手で詰み 12手
「48角成まで12手で詰みか」
「角成が2回あったね」
「10手目は棋譜上「打」がつく着手だったな」
「先手は4筋と5筋に銀の着手あったね」
「端の着手は2回あったな」
さて、どんな手順だったのでしょうか。
(条件)
- 48角成まで12手で詰み
- 角成が2回
- 10手目は棋譜上「打」がつく着手
- 先手は4筋と5筋に銀の着手あり
- 端の着手2回
出題のことば(担当 Pontamon)
10手目の打の手の駒種を推理しましょう。先手なら香打がありそうですが...。
作者ヒント
両王手(けいたん)
締め切り前ヒント
端の手は2回とも15地点への角の手です。
推理将棋186-2 解答 担当 Pontamon ▲76歩、△32飛、▲33角成 、△同角、▲48玉、△15角、 |
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最終手が明かされている場合は、多少長めの手数でも解図に取り組み易いものです。最終手が48角成で途中に「打」が付く手が入るのなら、「打」の手は角の手で、一方の角を支えにして他方の角が48角成をして詰めれば良いはずです。最終手で△48角成した馬を先手の駒で取れる状態では失敗なので、49の金は48へ上げておけば最終手で取らせることができます。39の銀は48地点へ利かない地点へ移動させておく必要がありますが、4筋と5筋の銀の手があるとのことなので▲38銀、▲49銀、▲58銀の3手で58地点へ移動させたのが参考図の手順です。「打」が付く手は10手目という指定があるので角打ちのタイミングを合わせました。これで解けたと思ったのですが、条件を再確認してみると、端の手が2回という条件があり、この条件をクリアできていませんでした。10手目の「打」が付く角の手を△93角打にすれば角の打ち場所を作るための△94歩と合わせて端の着手が2回になるのですが、△57角不成の代わりに△94歩を指すことになるので先手の▲56歩の協力が必要になります。しかし、この▲56歩を指すと先手の手数が足りなくなります。また、角成が2回という条件もあり、参考図の手順では角成の手は最終手の1回しかないので失敗でした。
参考図:▲68飛、△34歩、▲76歩 △88角不成、▲48金、△66角不成、▲38銀、△57角不成、▲49銀、△66角打、▲58銀、△48角成 まで12手
10手目が「打」が付く角打ちの手だと考えていたのですが、それだと10手を指し終えた時点で盤上には生の角が2枚あるわけで角成の手は最終手の1回しかできません。かと言って、△88角不成で先手の角を取る際に△88角成とすると持ち駒は角ですが88の駒は馬なので何処へ動かしても10手目の角打ちの手には「打」は付きません。10手目は盤上に後手の角が居る状態で持ち駒の角を打つのだけど、それ以前に角成の手を指す必要があるという不可解な課題が出来てしまったのですが、発想を転換すると、先手が角成をした馬を後手が取れば、持ち駒に角を加えることができることに気付きます。一番早いのは3手目の▲33角成を△同角や△同桂などで取る手でしょう。先手の初手▲76歩と3手目の▲33角成は確定でしょう。先手着手の残りは4手ですが、参考図の手順での▲48金、▲38銀、▲49銀、▲58銀の4手を指すと28の飛が居座った状態なので△48角成を▲同飛で取ることができるので失敗になります。参考図の詰み形以外の詰み形を考える必要があるようです。先手着手に課せられている条件としては4筋と5筋の銀の手があるので最低でも2手が必要です。銀を5筋へ移動するには▲56歩と突いて▲48銀、▲57銀とすると3手掛かってしまい、48地点へ利いている駒として飛と金があるので残り1手での対応は無理そうです。銀の移動先として▲59銀を目指す場合は玉が▲48玉、▲38玉の2手を掛けて移動してからであれば▲48銀、▲59銀を指せます。この場合だと28の飛は38の玉で遮っているので48地点へ飛は利いていませんが、利きがある駒として49の金と59の銀が残ります。59地点を空けるための玉の手を▲58玉にする場合は先に▲68飛を指せば48地点への飛の利きを減らすことができ、残りの▲48銀、▲59銀の計4手で駒を配置することはできますが48地点へは依然として49の金と59の銀が利いています。4筋と5筋の先手の銀の着手条件をクリアすると、どの配置にしても48地点への先手駒の利きが残ってしまうので、12手目の△48角成の王手に対して▲同の手で馬を取り払うことができるので失敗になりそうです。本問は不詰なのでしょうか?困ったときには両王手を検討してみることを思い出せば本問を解くことができます。最終手を同の手で取っても、両王手の場合はもうひとつの駒でも王手されているので逃れるには玉移動しかありません。△48角成をした馬は角の紐があるはずなので▲同玉で逃げることはできません。両王手をしている1枚は48地点の馬ですが、もう1枚は何処にあるどの駒でしょうか?また、最終手で△48角成をした角は何処に居た角なのでしょうか?後手は4手目に33地点の馬を取って角の持ち駒にしますが、6手目に99地点の香を取って5筋への香打ちの形では手数が足りません。端の手も香を取る時の△99角不成の1回しかできそうにありません。角成と香との両王手が無理なのであれば、両王手のもう一方の駒は32地点の飛で決まりでしょう。つまり先手玉は▲38玉で37地点の後手角が△48角成とする両王手の形です。初手から▲76歩、△32飛、▲33角成、△同角、▲48玉、△15角、▲38玉、△37角不成と進めると9手目の▲48銀に△15角打とすることができ、続いて11手目の▲59銀に△48角成の両王手で詰ますことができました。
それではみなさんの短評をどうぞ。
(短評)
NAOさん「最終手の角成は"右左上引"が付かないので紐付けをどうするのか悩む。
そうか、角打ちでダブらせた同じ角筋の2枚角のうち一方の角を遠ざかる方に動けばいいのか、なるほど。前月に引き続きけいたんさんの両王手シリーズ。続編は?」
■2ヵ月連続の両王手特集は186-3の54手作のヒントも兼ねていましたが、担当の勘違いで186-3は両王手ではなく空き王手が途中に2回入る手順でした。
両王手作は在庫1になったのですが、本日投稿された作品が両王手作品なので在庫が増えそうです。
springsさん「締め切り前ヒントのおかげで解けました。先手玉・銀の移動と37角不成が噛み合って気持ちいいですね。」
■最終手の48角成を同銀で取れそうなので指し難い▲59銀ですが、とどめが両王手なので可能になった銀の配置でした。
飯山修さん「直前ヒントを見る迄角の入手場所は66と思っていた。15角実現には33で取る方が楽だと考えたら一気に解けた。先手の余った2手を銀の条件にあてて解決。」
■最終手の△48角成が判明しているので、角道との交差点の66を考えるのは間違ってはいません。でも端の手が無いのでアクセス経路を変更します。
piyoさん「両王手の筋で考え始めたのは合ってたのですが、最初は5筋でやろうとして5筋の銀がどうにも間に合わず、3筋に玉が移動することで銀もスムーズに移動できるようになって解決しました」
■銀の手2手で5筋へ行くには、57の歩や59の玉を動かすか、最初に▲38銀と上がって58地点を目指すなら47の歩や49の金が邪魔。▲58銀の場合は最終手の△48角成を同銀で取れないので銀移動の正解のように見えるという仕掛けでした。
RINTAROさん「詰め上がりの形が見えたのは1が伏線だったのかも。」
■両王手という意味ではそうですね。
ほっとさん「「先手は4筋と5筋に銀の着手」がなかなかの曲者。」
■先手の5筋の銀を指すといろいろ不都合が出てきそう。48地点に銀が利いていても詰みになる両王手に気付くのが重大ポイントでした。
るかなんさん「居玉で詰ませられるので93角打と思い込み、ヒントまでドツボに。」
■解説にも出て来た端の手2手を△94歩と△93角打にする手順ですね。
占魚亭さん「「端の着手2回」「10手目棋譜表記『打』の手」は角だと予想出来たので、試行錯誤してこの詰み形に辿り着きました。」
■10手目以外に角打を指す手順があるので10手目を明かしています。
桝彰介さん「先手の無駄手を、条件で上手く限定してるのが良かったです。」
■両王手なので39の銀を5筋へ移動させる必要は無いのですが、この条件のおかげで手順前後が消えていました。
はなさかしろうさん「こちらも一見それほど強い条件は見当たらないのですが、銀条件と他の条件の食い合わせがなかなか手強かった。銀は待ち手でしたか。」
■銀移動の2手はタイミング合わせの待ち手でした。
原岡望さん「これでいいのか不安です。10手目 打が必要なのか。」
■37地点の角も15地点へ移動できるので、持ち駒を打つ場合は打が必要になるので△15角打になります。
正解:11名
NAOさん springsさん 飯山修さん piyoさん
RINTAROさん ほっとさん るかなんさん 占魚亭さん
桝彰介さん はなさかしろうさん 原岡望さん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
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