推理将棋第188回解答(2)
[2025年8月25日最終更新]
推理将棋第188回出題の188-2の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
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推理将棋(おもちゃ箱) 推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
188-2 中級 けいたん 作 同角成2回 10手
「10手で詰みか」
「3手目は歩の着手だったね」
「同じ筋での同角成が2回あったな」
さて、どんな手順だったのでしょうか。
(条件)
- 10手で詰み
- 3手目は歩の着手
- 同じ筋での同角成2回
出題のことば(担当 Pontamon)
初期配置では角は先後に1枚ずつなので、同じ筋で先手と後手の角が成るのでしょうか。
作者ヒント
玉は動く(けいたん)
締め切り前ヒント
2回目の7筋への角成で詰みます。
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推理将棋188-2 解答 担当 Pontamon ▲58金左、△34歩、▲76歩、△88角不成、▲77桂、△同角成、 |
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単なる角成が2回であれば簡単なのですが、本問では同が付く角成を2回指さなければいけないので解図のハードルが上がります。同が付く角成をするには先手は角筋へ駒を動かして、直後に同角成で駒を取ることになるでしょう。一番早いのは▲76歩、△34歩、▲77桂、△同角成の4手目ですが3手目は歩の着手という条件があるので、その条件だと▲何か、△34歩、▲76歩、△33桂、▲同角成の5手目になりますが、この場合、6手目は△同角としても7手目が77地点か88地点の手で8手目に2回目の同角成を指せますがこの8手目に取った駒を10手目に打っても先手陣はほぼ初期配置のままなので先手玉を詰ますことはできません。
2回の同角成を先手と後手で分担する場合を考えましたがどうも上手く行きません。となると先手玉を詰ましに行く過程で後手が2回の同角成を指すことになりそうです。3手目は歩の条件があるので、5手目の▲77角を6手目に△同角成で取るのが最初の同角成の手で、その後、後手は取った角を打つのが8手目になるので9手目に先手が動かして駒を同角成で取って詰める手順を考えたのが参考図の手順になります。最終手の同角成を駒を支えるのは6手目に△77同角成で成った馬しかないので、8手目の角の打ち場所は68地点となり、玉尻の馬の詰み形になりました。しかし、3手目は歩の条件以外に、2回の同角成の手は同じ筋という条件があったので失敗でした。そもそもタイミング合わせのために4手目に指した△12香が非限定の手になるのでその時点で解図を中止すべきでした。
参考図:▲78金、△34歩、▲76歩、△12香、▲77角、△同角成、▲58玉、△68角、▲59金、△同角成 まで10手
後手の手の内訳を考えてみると、△34歩で角道を開けて、角を取る手、その角が同の手で成る手、取った角を打つ手、打った角が成る手の5手でピッタリなので最終手は同角成に決まります。なお、取った角を打つ手は最初の同角成の前である可能性もあります。3手目は歩の条件があるので、▲77角を△同角成で取らせる手順にはできないので、先手の角を取るまでの手順は初手から、▲何か、△34歩、▲76歩、△88角不成の手順になります。この88地点に居る角で同角成の手を指せるケースを整理してみると、A:▲66歩、△同角成、B:▲77桂、△同角成、C:▲79銀、△同角成、D:▲79金、△同角成の4通りになります。Cでは初手は▲68銀で確定しますが、Dの場合は79の銀が移動していれば良いので初手は▲68銀か▲78銀となります。CやDのように79地点で△同角成をした場合は、同じ7筋で同角成をするには△88角から▲77桂やDの場合だと▲77銀を△同角成とするしかなく、79地点の馬が支えにならず、Cのケースだと△77同角成の王手に対して68地点の合いが利くので詰みません。Cのケースでも、▲68銀、△34歩、▲76歩、△88角不成、▲79銀、△同角成、▲68金、△69角、▲78金、△同角成、▲48銀、△69馬寄の手順だと詰みますが手数オーバーの12手になってしまいます。7筋での同角成ではなくAの6筋での同角成ではどうなるでしょうか。▲68銀、△34歩、▲76歩、△88角不成、▲66歩、△同角成、▲58玉、△78角、▲67銀、△同角成の手順では▲59玉や▲48玉の退路があって詰みません。となると最初の同角成の手はBの▲77桂を△同角成で取る手順で決まりのようです。この場合、77地点の馬を支えにして2回目の同角成を7筋で実現可能な地点は78地点になるでしょう。77地点と78地点の2枚の馬で先手玉が詰まされるので、玉位置は69地点で、玉の退路となる58地点は先手の駒で埋まっている必要があります。先手玉を▲69玉とするには初期配置の69地点の金を動かす必要があり、詰み上がりでは58地点を先手の駒で占めている必要があるので、初手▲58金左が一石二鳥の手になります。したがって、初手からは、▲58金左、△34歩、▲76歩、△88角不成、▲77桂、△同角成が王手になるので7手目は▲69玉です。78地点で同角成をするために角を打つ場所は桂が居なくなった89地点しかありません。77地点での△同角成の前に角を打つ手順もありそうだったのですが、角の打ち場所になる89の桂が▲77桂へ跳ねた後でないと△89角を打てないので角打ちのタイミングが決まります。8手目から△89角、▲78銀、△同角成で詰みとなりました。
それではみなさんの短評をどうぞ。
(短評)
piyoさん「88に寄り道してからの77成がなかなか思いつきませんでした」
■△77角成で最終手の△78同角成を支えつつ、先手玉の51地点へ逃げる手を抑えているのが見事。
NAOさん「馬の頭に同で角を成るように導く。」
■同じ筋での同角成なので、最初の同角成をした馬が支えることができるような馬の尻か頭での2回目の同角成ですね。
飯山修さん「同じ列の2枚馬で詰ますには7列目が最適と思うが良く使われる77角上がりは3手目歩の条件でつぶされている。従って6手目、10手目の同角成を目指したが角の打場所がなかなか見つからず77桂を発見してホッとする。」
■3手目歩の条件がなくても、4手目の△88同角成は目指せません。▲76歩、△34歩、▲77角、△同角成なら4手目に△77同角成はできるのですが、3手目歩の条件に邪魔をされて実現不能。それでも77地点で△同角成を目指すなら▲77桂に△同角成ですね。
Miyaさん「きわどい手順ですね。作者の方、よくこんな手順を思いつきますね。」
■担当のように暗算が不得意だと、玉の退路を塞ぐ協力手の▲59金寄を指す暇がなくて失敗したと勘違いし易いかも。きわどく詰んでいました。
原岡望さん「玉の処置に一工夫」
■後手の攻め駒の利きへ玉が近づく協力が必要でした。
springsさん「桂跳ねで角を打つスペースが生まれるぴったり感。」
■初級では、桂跳ねで空いた地点への角打ちで詰みでしたが、中級では更に1手進めて△78同角成で詰みでした。
RINTAROさん「初手が一目で指せたのが成長の証。」
■2回の同角成が7筋だと決め打ちすると玉は6筋辺りへ移動する。となると58地点や59地点が玉の退路にになりやすいので、初手で58地点を塞いでおくと言った推理ができそう。
ほっとさん「5手目77桂跳ねが好手。うまく手順前後を消している。」
■▲66歩が指されていれば角の打ち場所が増えるのですが、△77同角成が王手になるため、桂が居なくなった89地点へ角を打つしかないという立て板に水のような流れる手順でした。
るかなんさん「大駒両取りの幻惑に乗って大頓死。」
■角馬両取りの▲78銀が失着でした。
占魚亭さん「一石二鳥の初手がナイスアシスト。角成は7筋と見当がついたので、すぐに解けました。」
■この初手が無いと玉の移動先を確保できませんでした。
はなさかしろうさん「4手目88角生以外では明確に足らなくなる頑丈な課題設定で、推理将棋の王道感がある解き応えでした。」
■手順前後が可能なのは初手と3手目。しかし、3手目歩の条件は手順前後を回避するだけではなく、紛れ筋を許さない強さがありました。
桝彰介さん「狭いスペースで角2枚を上手く使って詰ませてます。」
■単に同じ筋での角成が2回だと、たとえば▲38銀、△34歩、▲76歩、△88角成、▲58金右、△98角、▲77桂、△87角成、▲68玉、△77馬寄での詰み手順も狭いスペースでの角と馬の手で詰むのですが、本問では2回の角成に「同」が付くことで1手順に限定されています。
正解:13名
piyoさん NAOさん 飯山修さん けいたんさん
Miyaさん 原岡望さん springsさん RINTAROさん
ほっとさん るかなんさん 占魚亭さん はなさかしろうさん
桝彰介さん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
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