推理将棋第188回解答(1)
[2025年8月23日最終更新]
推理将棋第188回出題の188-1の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
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推理将棋(おもちゃ箱) 推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
推理将棋第188回解説 担当 Pontamon
推理将棋第188回は10手特集でした。いかがでしたでしょうか?
14名の方々から解答をいただきました。
いつも解答ありがとうございます。
188-1 初級 Pontamon 作 香を取る手が2回 10手
「玉の手で始まった将棋は、香を取る手が2回あって、2回目の王手の10手で詰んだよ」
さて、どんな手順だったのでしょうか。
(条件)
- 10手目の2回目の王手で詰んだ
- 初手は玉
- 香を取る手が2回あった
出題のことば(担当 Pontamon)
今月は香の取り方や取る駒種は分かりませんが、最初は隅の香を取るのでしょうか。
作者ヒント
香を打つ手は1回です(Pontamon)
締め切り前ヒント
香打ちが初王手で、この香を同の手で取った次の手で詰みます。
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推理将棋188-1 解答 ▲68玉、△34歩、▲76歩、△88角不成、▲78玉、△99角成、 |
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先手は最短で5手目に香を取ることができるので、7手目に後手の香頭へ取った香を打って、9手目に2枚目の後手の香を取れば香取り条件はクリアできそうです。先手が11の香を取る場合だと、▲76歩、△34歩、▲22角成、△何か、▲11馬の手順が考えられ、この手順だと後手の協力手は2手目の△34歩の1手で済みますが、22の角を取られてしまうと先手の玉を攻める手立てがほぼ無くなりそうです。かと言って、▲76歩、△94歩、▲66角、△93香、▲同角成の手順だと、後手の協力手が△94歩と△93香の2手になり、角は温存できていても角を使うためには△34歩の手も必要になり後手の手数が足りません。手数が足りないとなると手順の効率化を考える必要があります。ひとりで2回の香取りをするのではなく、取った香を打って、その香を相手に取らせば手数を少なくできます。最初の香取りを先手が指して、その香を打った直後に後手がその香を取って詰ませば後手の手順に余裕が出来て効率が良さそうです。そこで考えたのが参考図の手順です。最初の王手は後手の△77角成で、その後、馬で78地点の金を取れば先手の角が11地点へ直射するので先手が香を取る事ができ、9手目に打った香を取って先手の玉を詰ますという手順です。王手2回と香取り2回の条件をクリアしたので解けたと思ったのですが、初手は玉の手ではないので解図失敗でした。
参考図:▲48銀、△34歩、▲78金、△77角成、▲68銀、△78馬、▲11角不成、△79金、▲69香、△同馬 まで10手
香を取って打つとこれらの手で2手が必要になるので、先手玉を詰まそうとしている後手に香を取る暇は無いと思っていたのですが、参考図の手順では初手に玉の手が指せていませんでした。11地点の香を最短で取るのは5手目ですが、それだと後手の角も取る手順になるので、手順を工夫して香取りを7手目にしたので、香を打つ手は先手の最後の手にしかできません。これに付け加えて初手に玉の手を指すのは無理というものです。となると、香を取って打つという2手は先手玉を詰めようとしている後手が指さないといけなくなります。後手の5手の内訳を考えてみると、角道を開ける△34歩、△99角成・不成で香を取る手、香を打つ手の3手は必須です。最終手に香を打って先手玉を詰めると2回目の香取りを実現できないので、後手の残り2手のうちの最終手は先手玉を詰める手になり、残りは1手です。99地点の香を取った状態では99地点は角か馬になっているのですが、この駒1枚での単騎詰は出来そうにないので、後手の残り1手は先手の駒を取る手であり、99地点の駒の利きを支えにして最終手は駒を打つ手を指すことになります。一方、王手2回のうちの最初の王手として先手の▲33角成・不成の王手は除外されるので、2回の王手はどちらも後手の手になります。最終手以外の後手の着手で王手ができる可能性としては、香以外の駒を取る手が王手になっているか、香を打つ手が王手になっているかのどちらかしかあり得ません。香以外の駒を取るのはどの駒になるのでしょうか。77地点の歩を取る手が王手になるのは4手目しかなく、5手目はこの王手への応手(玉が逃げるか68地点での合い)があるので、6手目は88地点の角取りで、99地点の香を取れるのは8手目になるので手数が足りません。つまり後手が香以外の駒を取る手は4手目に△88角成・不成で先手の角を取ることになります。この角を取る手では王手にならないので、最初の王手は99の香を6手目に取ったあとの8手目の香打ちの手での王手しかないはずです。最終手は4手目に取った角を打って先手玉を詰ますことになります。初手から考えてみると、▲玉の手、△34歩、▲76歩、△88角成・不成、▲何か、△99角成・不成/99馬と進むはずです。次の8手目では香を打って王手をしなければいけないので、初手の玉の手と5手目、7手目で香打ちの王手ができるような配置を準備することになります。初手の玉の手が▲68玉で5手目が▲66歩なら、8手目の△67香の香打ちで王手して、▲78玉を△89角で仕留めれるように7手目は角を打つ場所を作る▲77桂がぴったり。89地点への角打ちを支えるには99地点の駒は馬になっている必要があります。89地点からの角の王手なので▲67玉で香を取って逃げることもできず、綺麗な詰み形になっているものの、盤上に香が残っているので、香取り2回の条件をクリアできていませんでした。となると、香打ちで王手する8手目は△77香しかありません。したがって、先手玉は78地点まで行く必要があるので、初手の▲68玉のあと5手目は▲78玉です。初手から▲68玉、△34歩、▲76歩、△88角不成、▲78玉、△99角成となりますが、8手目の△77香の王手は▲同桂と取るので、7手目は玉の退路を塞ぐ協力手の▲68飛になります。続けて8手目からは△77香、▲同桂、△89角で詰みとなりました。8手目の△77香は、初王手/香を取らせる/最終手の角の打ち場所を空けるために▲同桂を指させるという一石三鳥の手になっていました。
それではみなさんの短評をどうぞ。
(短評)
piyoさん「なんとなくラスト香での詰みを誘われている気もしつつ、他の駒での詰みを考えたらすぐに解決しました」
■誘いに乗らなかったのが解答一番槍になった要因かも。
NAOさん「香は取ってすぐ打つ。生成が限定されていることになかなか気づかなかった。」
■とどめの香打ちを想定すると先手も後手の香を取りに行くので道を迷います。
飯山修さん「隅の香と親切に教えてくれているので迷わず99香を目指し取ってみる。その香を打つともう8手なので角打で詰ますしかない。定番の79玉型の88角打は2回の王手は不可能。よって香打が王手になる方法を考えて解に到達。」
■最短の5手目に△93香を取る紛れ筋には迷わされず、隅の香取りを目指したのですね。
けいたんさん「香を取るためには敵陣に入らなければならないが、どうやって成、不成が限定できるかを考えたら解けました。」
■99で香を取る時、77経由か88経由か、どちらにしても成・不成はできそうなのに限定されるのは玉がそばに居るからでした。
Miyaさん「4手目、88角不成がなかなか思いつかず、時間が掛かってしまいました。」
■△88角成のあとに△99馬で香を取るつもりでいると△88角不成は見え難いかも。実戦だと敵陣へ入ったら成るのが基本ですからね。
中村丈志さん「初手が玉という指定があり読みやすかったです。」
■99の香を取りに行くなら、初手の玉の手は戦場へ近づく▲68玉が思い浮かび易い。
原岡望さん「普通に香取でOK」
■2回目の香取りは先手に取らせればOK。
springsさん「角生がいいですね。」
■△88角不成なので▲78玉で先手玉は更に近づくことができました。
RINTAROさん「素直な手順。」
■△77香の初王手が見えていれば楽々に解けます。
ほっとさん「8手目からは3手詰。」
■8手目の局面は詰将棋でも成り立っている?
るかなんさん「実戦でも時折見かける駒捨てがぴったり。」
■推理将棋に嵌まると実戦力が低下すると言われるようですが、実戦での手筋も含んでいますね。
占魚亭さん「素直に隅の香を取りに行くのがすぐに見えませんでした(苦笑)。暑さのせいということで……。」
■最初の香取りが隅の香ではない可能性を示した出題のことばが邪魔をしたのかも。
はなさかしろうさん「7手目に取った香を9手目に打つ筋が王手2回で封じられているとなるとこちら。後手の遊び手が手順にぴったりはまりました。」
■▲58玉、△14歩、▲76歩、△34歩、▲56歩、△13角、▲11角不成、△68角不成、▲59香、△同角不成、▲55歩、△56香だと香取り2回だけど王手1回だし手数オーバーの12手です。
桝彰介さん「飛車で玉の逃げ道をふさぎ、桂馬が動いたスペースに角を打つという基本手筋。」
■玉の退路を塞ぐ▲68飛を指せるタイミングは7手目しかないのがピッタリ嵌まりました。
正解:14名
piyoさん NAOさん 飯山修さん けいたんさん
Miyaさん 中村丈志さん 原岡望さん springsさん
RINTAROさん ほっとさん るかなんさん 占魚亭さん
はなさかしろうさん 桝彰介さん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
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