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推理将棋第190回解答(2)

[2025年10月25日最終更新]
推理将棋第190回出題の190-2の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第190回出題  推理将棋第190回解答(1) (2) (3)
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190-2 中級  Pontamon 作  駒成3回           9手 

「9手で詰んだ将棋は不成の手があって駒成が3回あったよ」
「他にはどんな手があったの?」
「後手陣へ駒を打つ手が2回あったよ」

さて、どんな手順だったのでしょうか。

(条件)

  • 9手で詰み
  • 不成があり、駒成は3回だった
  • 後手陣への駒打ちが2回あった

出題のことば(担当 Pontamon)

 駒取りは少なくとも2回、駒打ちは2回、駒成が3回、不成もあるので重複が必要。

作者ヒント

 別の駒を後手陣へ打つと失敗します(Pontamon)

締め切り前ヒント

 後手が駒成の手で取った駒を自陣へ打ちます。先手が打った駒が最終手で成ります。


推理将棋190-2 解答 担当 Pontamon

▲76歩、△42飛、▲33角不成、△62玉、▲42角、△99角
51飛、△72香、▲53飛 まで9手

(条件)
・9手で詰み
・不成があり、駒成は3回だった(3手目▲33角不成、5手目▲42角成、6手目△99角成、9手目▲53飛成)
・後手陣への駒打ちが2回あった(7手目▲51飛、8手目△72香)

Suiri1902

Suiri1902a駒成が3回との条件だけど、先手着手だけで駒成3回は出来ないので、先手が角成で駒を取って、それを打って、次に成れば先手が駒成2回になり、後手が△99角成で香を取れば駒成3回を実現できそう。例えば、▲76歩、△72飛、▲33角不成、△42銀、▲同角成、△62玉、▲54銀、△99角成、▲53銀成 の手順があって後手玉を詰ますことができるけど、▲54銀の駒打ちの手は後手陣への駒打ちの条件を満たしていません。そこで、後手の飛を取って、後手陣へ飛を打ってから成る手で詰めたのが参考図の手順になります。▲31飛は後手陣への駒打ちの条件を満たしていますが、後手陣への駒打ちは2回とのことなので、後手が取った香を後手陣へ打つ手が間に合いませんでした。しかも、参考図の手順では不成の手が無いのでその条件も満たしていない失敗手順でした。

参考図:▲76歩、△32飛、▲33角成、△42銀、▲32馬、△62金、▲31飛、△99角成、▲41飛成 まで9手

後手陣への駒打ちが2回となると、先手と後手が1回ずつ着手しないと間に合いそうにありません。参考図の手順だと△99角成で香を取る手が8手目なので後手陣へ香を打つ手が間に合っていませんでした。つまり、△99角成で香を取る手は6手目に指す必要があります。先手は2回の駒成を指さなければいけませんが、その他に不成の手を指すのも先手になりそうです。というのも先手の角がゾロ目の対角線上から移動しないと後手の△99角成を6手目に指せないからです。先手は初手▲76歩、3手目▲33角不成、5手目の▲xx角成で駒を取り、7手目にその駒を打って、9手目の駒成の手で後手玉を詰める手順になるので、後手は6手目に△99角成で香を取って8手目に後手陣へ香を打ちます。5手目の角成の手で後手の駒を取りますがこの手が王手になると6手目の△99角成を指せないので注意が必要です。5手目の角成で駒を取る地点は42地点か51地点が有力ですが、2手目に玉が動いて4手目に51地点へ金を移動させると5手目に51地点で金を取ることはできますが、角成の手で取ることになり、後手玉が52地点や62地点に居ると王手になってしますので5手目に角成で駒を取る地点は42地点のはずです。42地点の角成で駒を取った手が王手にならないようにするには2手目か4手目に△62玉を指しているはずです。これで6手目に△99角成で香を取ることが可能になり、8手目に香を打てる見通しが立ちました。

さて、42地点で先手の角成で取る駒は何でしょうか?取った駒を7手目に打って9手目に成るのですから42地点で取る駒は金ではなく、銀か飛になります。銀の場合は冒頭に述べた手順のように▲53銀成で後手玉を詰ますことになります。しかし。そのための銀打ちの場所は、42地点には自分の馬が居て62地点には後手玉が居るので4段目へ銀を打たないと▲53銀成で詰めることができません。銀だと後手陣への駒打ちが出来ないので、42地点で取る駒は飛に決定します。△42銀と△62玉だと手順前後が可能だったので裏読みした時点で△42銀の手順は排除できましたが、△42飛と△62玉の手は手順前後が無いので有望な手順となります。初手からは▲76歩、△42飛、▲33角不成、△62玉、▲42角成、△99角成と進みます。この局面で7手目の後手陣への飛打ちが王手にならず8手目の香打ちが可能な飛の打ち場所は、1~3筋の2段目か51地点ですが、9手目の飛成の手が王手にできる7手目は▲51飛だけです。8手目は玉の退路を塞ぐための香を打つ手の△72香で、9手目の▲53飛成で詰みとなりました。

それではみなさんの短評をどうぞ。

(短評)

NAOさん「後手陣内の打ち場所の推理。際どいが72と51がぴったり。」

■駒打ちの場所を後手陣にすることで4段目への銀打ちからの▲53銀成の筋を排除できました。

RINTAROさん「今回、一番時間かかった問題。2手目に気づくかどうか。物理的にあり得ないのに、22角不成から考えてしまいます。」

■9手でも手応えが強い問題だったようです。▲22角不成で後手角を取ってしまうと、駒成3回ができなくなりますね。分かっていてもついつい考えてしまう▲22角不成でした。

piyoさん「この問題だけは割と理詰めでいけました」

■落ち着いて考えると、成の手の分担と成の手で取った駒を打たないと手数が間に合わなくなるのが分かります。

飯山修さん「2009年の新春-3と同一。この時は最終図竜馬3枚という条件なので、銀を取って最終手銀成の紛れがなく今回の条件の方が面白いと思います。」

■7手での▲53銀成までの手順では後手玉が52地点なら2段目への銀打ちから▲53銀成で詰ますことができますが、駒成3回の条件があると42地点で飛や銀を取る際に角成が必要になり、後手玉は62地点の居場所になるため2段目への銀打ちができなくなるという寸法です。

原岡望さん「割に素直な手順。」

■不成1回の条件があるので、▲33角不成から42地点の駒を角成で取る手順の想定は難しくないでしょうね。

はまちさん「なかなか見えにくい手順でした。」

■推理将棋の手順では角不成が頻繁に出てきますが、本作はちょっと逆を行ったものでした。

占魚亭さん「後手の駒成があるのは明らかなので、見当をつけやすかったです。」

■△88角成だと駒を取れないので、後手陣への駒打ち2回ができなくなるので△99角成は一目だったでしょう。

ほっとさん「9手で収まるように思えない条件。」

■駒成3回、不成1回、駒打ち2回なら必然的に駒取りも2回以上なので回数を足したら8回の着手になり、初手の▲76歩で9手になってしまうので、駒成で駒取りをするなどの着手の重複が必要になります。

るかなんさん「6手目を88角成にできる条件は、さて。」

■過去作で条件に「88角成」が入っているものはありましたが、88角成は6手目ではありません。9手で詰み/6手目は88角成の他にどんな条件を付けると限定できるのでしょうかね?

桝彰介さん「分かりませんでした。上級と同じように飛車が成って詰ますかと思いました。」

■推測の通り、飛車が成って詰ます形でした。なのに解けなかったのは残念でしたね。

はなさかしろうさん「豪華な条件で解きやすく気楽に楽しめました。ゴージャスって素敵です。」

■不成、駒成、駒取り、駒打ち、王手、連続数などの回数条件は定番ですね


正解:10

  NAOさん  RINTAROさん  piyoさん  飯山修さん
  はまちさんさん  原岡望さん  占魚亭さん  ほっとさん
  るかなんさん  はなさかしろうさん

(当選者は全題の解答発表後に発表)

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