推理将棋第190回解答(1)
[2025年10月23日最終更新]
推理将棋第190回出題の190-1の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第190回出題 推理将棋第190回解答(1) (2) (3)
推理将棋(おもちゃ箱) 推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
推理将棋第190回解説 担当 Pontamon
第190回では190-3で余詰を出してしまい大変申し訳ございませんでした。
9月出題の第190回には12名の方から解答をいただきました。いつも解答ありがとうございます。
190-1 初級 るかなん 作 ダイナミック無礼 8手
「ええと…8手で詰みと聞いたんだけど、後手が怒って帰っちゃったのは?」
「記録係をしていたけど酷かったよ。初の成る手で詰んだから棋譜にも「迄」を書いたのに、先手が次の手を指そうとしたんだ。」
「え、王手放置?それともまさかワープとか?」
「いや、王手は解除できていたし、ワープもしていないといえばないんだけど…後手の駒を着手しようとしてて。」
「想像より酷かった。それがアリなら王手してきた駒をそっぽへ動かすだけで受かるじゃないか。」
「王手している駒を指そうとしたわけでもないけど、言い訳にもならないね。そういえば、先手が指そうとした駒は初手から全部違う駒種だったな。」
さて、どんな手順だったのでしょうか。
解答は8手目の詰みまでで結構ですが、よろしければ幻の9手目もお書きください。(条件)
- 8手目に初の成る手で詰み
- 終局図のあと、先手は王手していない後手の駒を指そうとした(※)
※手番を考慮しなければ王手放置禁・ワープではない。- 先手が指そうとした駒(実際に着手した4手と終局図のあとの1手)はすべて互いに異なる種類
出題のことば(担当 Pontamon)
幻の9手目は王手放置の反則ではなく、王手を解除する手だったようです。
作者ヒント
自玉も王手駒も動かさずに受けられる王手の形から考える(るかなん)
締め切り前ヒント
8手目の初の成る手で詰むならあの手筋。何種類かある終局図のうちのどれかです。
修正
出題文の「幻の9手目も合わせて解答してください。」を「解答は8手目の詰みまでで結構ですが、よろしければ幻の9手目もお書きください。」に修正
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推理将棋190-1 解答 ▲76歩、△32飛、▲33角不成、△同飛、▲68飛、△37飛不成、 |
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まずは8手目の初の駒成で先手玉を詰ます形を考えてみます。駒成ができる6種の駒のうち8手目に駒成が可能なのは、歩、香、桂、角、飛の5種。でも、香だけは8手目の駒成で先手玉を詰ますことができません。歩成で詰める形は7手詰の手筋の△87歩成までですが玉は▲78玉なので、王手を回避するには王手している87のと金を取るしかなさそうなので駄目です。同様に桂成の詰み形も先手玉と接する形なので駄目です。角成だと遠距離攻撃が可能なので合効かずの形ができそうな気がするのですが8手では合効かずの形は無理なようで玉と接する形だけのようです。となると、飛成で合利かずの詰み形のようです。8手目の飛成で先手玉を詰ます手順となると参考図の手順のはてるま手筋です。幻の9手目は先手が後手の駒を動かす反則とのことですが、ワープ、つまり盤上の駒の移動先地点がその駒が利いている地点ではない地点へ動かす手ではないとのこと。となると考えられる可能性は盤上の駒ではなく、後手の駒台から駒を拝借して、合駒をする手のはずです。後手の持ち駒は角と銀と歩ですが、先手の歩として49地点へ打つのは二歩の反則ですし、後手の駒として49地点へ打つのは行先が無い地点への歩打ちの反則になります。王手は解除できているとのことなので相手の駒を打つ反則以外に盤上の駒配置は正常なはずです。あと駒台には銀と角がありますが先手はどちらの駒種も既に着手済みなので49地点へ打つことができず、参考図の手順は失敗でした。
参考図:▲76歩、△32飛、▲33角不成、△同飛、▲68銀、△37飛不成、▲58金右、△39飛成 まで8手
はてるま手筋以外の8手目の飛成で詰む形が他にないのか検討してみても無さそうです。となると失敗した参考図の手順ではない別の詰み形になるはてるま手筋なのでしょうか。はてるま手筋で先手の着手で必須なのは、33の歩を取るための▲33角不成、その3手目が指せるようにするための初手の▲76歩、8手目の△39飛成の手が王手になるために邪魔な49地点の金を58へ上がる▲58金右の3手は必須です。参考図の手順では玉の退路を埋める▲68銀を指していたので、幻の9手目として▲49銀を打てなかったので、この68地点の玉の退路を埋める駒を銀以外にすれば全て上手く行きそうです。はてるま手筋では68地点を▲68金とする形もありますが、▲58金右が必須な手のため、▲68金だと金の着手か2回になるので駄目です。もうお分かりのように68地点を埋める駒は飛にすれば良いのです。初手から▲76歩、△32飛、▲33角不成、△同飛と進み、5手目は▲68飛で続けて△37飛不成、▲58金右、△39飛成で詰みとなり、幻の9手目は後手の持ち駒の銀を49地点へ打つ▲49銀のようです。
幻の9手目が後手の駒のように向きを変えた△49銀だったかもしれません。歩とは違い49地点に後手の銀があっても王手は解除されていますが、△49銀が棋譜に記載されていたら二手差しの後手の反則のようにも見えそうです。ま、棋譜は8手目に「迄」を書いたので9手目の真相は闇ですが。
それではみなさんの短評をどうぞ。
(短評)
るかなんさん(作者)「森内俊之vs森内俊之の13手目86歩か、All-in-Shogiルールか。
さて多数派はどちら。」
■本作の幻の9手目は、自分の手番で相手の駒を動かせるAll-in-Shogiルール(持ち駒を使うのも可)なら正しい着手なのですね。
NAOさん「反則手の入る問題は好みではありません。更に会話と条件がわかりくい。
9手目は先手が後手持駒の銀を49に打つ手でしょうが、ワープの定義もない。
かといって反則手のルールを説明しないといけないのは本末転倒ですし」
■特別ルールで指すことがある年賀推理では文中での説明が重要になりますね。
RINTAROさん「9手目の反則手で5手目を限定しようということでしょうか。」
■5手目の▲68金や▲68銀が排除される仕掛けですね。
piyoさん「持ち駒でも許されるとしたらこれで」
■盤上の駒を動かすとワープと判定されるので相手の持ち駒を拝借する反則でした。
飯山修さん「飛車が勢いよく39に初成した時銀が相手の駒台に載ってしまったという事ですね。
5手目の68銀をなくす為の回りくどい条件設定か。」
■2手目の△32飛があるので先手の着手に限定しないと5手目▲68飛を指せないのが苦しいところ。
原岡望さん「8手詰がいろいろあることを初めて知りました。これでいいか不安。」
■推理将棋トップページにあるリンクの「推理将棋の館」の8手詰分類結果によると8手詰は41種の3420通りの手順があるそうです。詰み上がりが同じ駒配置になるものを厳密に排除すると365種の詰み上がりになるので、異なる詰み上がりの8手詰を1日1作のペースで作るとちょうど1年で全詰み上がり図の作品を作れますね。
springsさん「終局図の後の情報で手順を限定するのは面白いアイデアですね。」
■推理将棋では手順を限定できる新しい仕掛けがあれば積極的に取り入れることができますね。今回は他のフェアリールールでしたが、All-in-Shogiルールと明かせないのが辛いところ。
占魚亭さん「後手の駒台にある銀を合駒にしようとしたのか(笑)」
■対局が終わった隣の将棋盤から欲しい駒を拝借したという話を聞いたことが...(真偽不明)
ほっとさん「非合法手が絡むと棋譜入力ができなくて困る(笑)。」
■出題時に担当が9手目までの解答を求めましたが作者からの訂正依頼が入ったのが良かったです。詰み上がり図は作れても棋譜から終局図を再現することができないので。
桝彰介さん「9手目は(後手の)駒台の駒を打とうとしていたので、ワープではないですね。」
■ワープは正式な将棋用語ではありませんが「将棋 ワープ」で検索すると出て来るので一般化しているみたい。でも、ワープの説明は必要だったのかも。
はなさかしろうさん「6手透かし詰からの8手の詰みは接触王手なので、はてるま手筋の龍単騎。後手は銀を持っていました。」
■6手の透かし詰の▲76歩、△34歩、▲68玉、△88角成、▲58金右、△95角は推理将棋では続けて▲86歩、△同角、▲77桂、△同角までの10手詰なので推理将棋らしく6手目は△86角と歩頭への角打ち王手から▲77桂、△同角までの8手でしょうか。これだと先手の歩の着手は1回で済んで全て異なる駒種にはなりますが、接触王手なので玉を48へワープするとか王手している77の角を66へ移動するなどをしないと王手の解除ができないですね。
正解:11名
NAOさん RINTAROさん piyoさん 飯山修さん
原岡望さん springsさん 占魚亭さん ほっとさん
るかなんさん 桝彰介さん はなさかしろうさん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
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