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推理将棋第190回解答(3)

[2025年10月29日最終更新]
推理将棋第190回出題の190-3の解答、第190回出題の当選者(はなさかしろうさん)を発表します。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第190回出題  推理将棋第190回解答(1) (2) (3)
  推理将棋おもちゃ箱)  推理将棋(隣の将棋)  どんな将棋だったの? - 推理将棋入門


190-3 上級  けいたん 作  35飛まで12手で詰み   12手 

「35飛まで12手で詰みか」
「6筋の着手は2回だな」
「敵陣の手は角を打つ手だけだね」
「3手目は同の手だな」

さて、どんな手順だったのでしょうか。

(条件)

  • 35飛まで12手で詰み
  • 6筋の着手2回
  • 敵陣の手は角を打つ手だけ
  • 3手目は同の手

出題のことば(担当 Pontamon)

 7月出題の10手の「35飛まで」の解図中に作者以外もこの12手を発見された方が居るかも。

作者ヒント

 王手2回(けいたん)

締め切り前ヒント

 後手陣の飛が4手掛けて35へ行きます。先手玉は75地点で詰みます。

余詰修正

 会話に「3手目は同の手だな」を追加して、条件には「3手目は同の手」を追加


推理将棋190-3 解答 担当 Pontamon

▲76歩、△44歩、▲同角、△42飛、▲68玉、△44飛、
▲77玉、△34飛、▲66玉、△77角、▲75玉、△35飛 まで12手

(条件)
・35飛まで12手で詰み(12手目△35飛)
・6筋の着手2回(5手目▲68玉、9手目▲66玉)
・敵陣の手は角を打つ手だけ(10手目△77角)
・3手目は同の手(3手目▲44同角)

Suiri1903

Suiri1903a同じく35飛までの188-3では36地点の玉の玉頭へ10手目に飛を打っての詰みでした。12手だと他の玉位置での詰みもありそうです。たとえば飛と同じ段の25地点だと▲46歩、△34歩、▲48玉、△44角、▲47玉、△17角不成、▲36玉、△28角成、▲25玉、△27馬、▲98香、△35飛での詰み手順がありますが、本問の条件となっている6筋着手2回の条件にかすりもしていません。6筋2回だと、玉が68、77、66の順で中段へ出て行って、空き王手で詰まされる手筋を思い出します。▲76歩、△44歩、▲同角、△42飛、▲68玉、△43飛、▲33角不成、△同飛、▲77玉、△74角、▲66玉、△35飛などですが、敵陣への角打ちは無く△74角は中段への角打ちの手になっているのでこの手順も条件を満たせていません。敵陣へ飛を打つなら、▲66歩、△34歩、▲58玉、△55角、▲67玉、△37角不成、▲56玉、△28角不成、▲45玉、△37飛、▲56歩、△35飛不成の手順がありますが、うまい角打ち地点が見つかれば良いのですが....。6筋2回が▲68玉と▲66玉で敵陣への角打ちが▲66玉への王手で玉を5段目へ追い出して、86地点の逃げ道も塞げる一石二鳥の△77角の手を見つけたのが参考図の手順になります。しかし、少し気に成っていたのは3手目の▲33角不成です。条件は「先手陣への後手の手は角を打つ手だけ」ではなく単に「敵陣の手」となっているので玉を詰ます側の手だけではなく、先手が後手陣へ差す手も含まれるはずです。王手回数の条件があったときに、玉を詰める側だけではなく双方の王手回数の合計が条件になっているのと同じです。そうこうするうちに余詰修正があって、3手目は同の手とのこと。参考図の手順では4手目が同の手なので条件には合っていませんが、▲33角不成は元条件を満たしているとも言えないと思うので失敗手順でした。

参考図:▲76歩、△32飛、▲33角不成、△同角、▲68玉、△44歩、▲77玉、△42角、▲66玉、△77角、▲75玉、△35飛 まで12手

6筋着手2回が▲68玉と▲66玉、敵陣の手が△77角だけという手は正解手順に近くて惜しいところまで来ているはずです。余詰修正によって3手目が同の手の条件が追加されたため、3手目までは必然の手順である▲76歩、△44歩、▲同角が確定しているので残り9手を考える訳ですが、そのうちの3手が分かっている状況だと仮定すると考え易くなります。後手は△77角の角打ちのために44地点の角、もしくはこの角が移動するなら移動先の地点で角を取る必要があります。敵陣の手は△77角の手だけなので、先手陣の飛を取らずに中段に出てきた先手の飛を取るには手数がかかるため、最終手の△35飛は後手陣の飛が中段に出て来ることになります。となると4手目は44の角取りも見据えた△42飛が濃厚です。5手目は44地点の角を動かせずに他の手として▲68玉を指すことになりそうです。4手目から△42飛、▲68玉、△44飛、▲77玉となりますが、77地点に玉が居ては△77角を打てないので8手目は最終手で△35飛を指せるように3筋への飛移動の手の△34飛で続けて▲66玉、△77角と進みます。王手を掛けられた先手玉の逃げ場所は65地点か75地点になりますが、▲65玉の場合は6筋着手が3回目になるし、△35飛の王手に▲56玉と逃げることができるので11手目は▲75玉が正解で、△35飛で詰みとなります。

余詰について

NAOさんから余詰指摘があったのは序の5手での手順前後でした。先手の▲76歩を突くタイミングや▲68玉との手順前後、後手の2手目と4手目の手順前後が可能なので、5手目までの計6手順が限定されていませんでした。
粗検、大変申し訳ありませんでした。

それではみなさんの短評をどうぞ。

(短評)

NAOさん(双方解)「75玉とは意外な詰形。飛の経路42-44-34-35は想定しづらい。」

■最終手が△35飛なので、後手の飛を使うなら△32飛からの△35飛を指したいところ。3筋から出れないとなると4筋を考えますが飛の手が2手増えるので除外してしまう、玉が3筋なら△45飛の1手が増えるだけだけど。ならば中段で先手の飛を取るなら▲26歩、△34歩、▲25歩、△44角、▲26飛、△同角の6手で飛を取れるけどその後のうまい手がなくて泥沼にはまるかも。

RINTAROさん「3手目は同の手は大ヒント。問題レベルとしては初級になったかも。」

■難易度はぐっと下がってしまいましたね。

piyoさん「「3手目は同の手」の条件追加後に初めて問題を見たため、選択肢がだいぶ狭まりスムーズに解けました。条件追加前で(解の1つとして)解けたかは自信ありません。」

■余詰は作意順での手順前後でしたので完璧に解けています。

飯山修さん「44で角を取ったら66王を空き王手で詰ますしかないと思い込み詰パラ164番の詰上がりの事は全く読みになかった。2012年おもちゃ箱年賀詰14手の問題が66玉を24龍の空き王手で詰ました事を思い出し作意順を調べようと思ったら偶然詰パラ164番が目に入りヤッターとなった。」

■44の角を飛で取って、空き王手のシャッターとして使おうと思っても斜め前のマスへの△35飛は指せないので焦ってしまいそう。

原岡望さん「3手目のヒントで解決。」

■最終手の飛は後手陣の飛を使うことがほぼ確定しますね。

springsさん「敵陣に角が入らないとなると、4筋から飛車を出すのがよいのですね。」

■26地点で先手の飛を取っても後が続かない。

占魚亭さん「「3手目同」「35飛まで」でおおよその手順と詰上りが見えました。
今回の出題作の中で一番易しかったです。」

■余詰修正で追加した条件が難易度をぐっと下げてしまいました。

ほっとさん「飛を細かく動かすのが面白い。」

■本問では飛の筋を変えるのが3筋でしたが、6~8筋以外ならどの筋へ移動しても5段目の飛で詰む形でした。他の筋でも限定されるのかは要検討。

るかなんさん「空き王手と踏んで66に立ち止まってしまってました。」

■空き王手の場合は、▲56玉をどうやって防ぐかが鍵になりそう。

桝彰介さん「余詰め修正の追加条件がなければ解けませんでした。」

■12手作が9手作になってしまった感じでした。

はなさかしろうさん「3手目は同の手というのは強い条件ですね。3手目33で良ければ後手方が2手余ってしまうところを飛車で細かく刻みます。」

■最終手が△35飛なら△32飛と振ってから...と考えるのが普通。でも▲33角不成を指せないので△35飛を指すのに邪魔な歩を△36歩まで3回突くと敵陣への角打ちができません。先手に後手陣への角打ちをしてもらうには手数が足りません。


正解:11

  NAOさん  RINTAROさん  piyoさん  飯山修さん
  原岡望さん  springsさん  占魚亭さん  ほっとさん
  るかなんさん  桝彰介さん  はなさかしろうさん


(総評)

RINTAROさん「今回も1時間くらいで解けました。レベル分けは、手数にこだわらなくていいかもです。」

■出題中の第191回では手数が一番多い15手を中級としました。

piyoさん「3問とも後手の飛車が活躍するシリーズでした」

■後手が詰める手順だと飛の手が多いのかな?はてるま手筋とか、飛を中段へ進出させる手筋だとかの関係かな?

飯山修さん「3番の問題が余詰修正で3手目迄必然となっても正解手順には行きつかず直前ヒント待ちを覚悟していたが、その前に解けた事は素直にうれしい。」

■唯一の敵陣への着手の△77角の角打ちの発見でブレークスルーしたのかな。

原岡望さん「今回は7日に解答。パラは6日。
1.の意味がよく分らず苦戦しました。反則の着手はいかがなものか。
金気の着手は一手だけ、位ではだめでしょうか。」

■幻の9手目が金気の着手になるため、指していない手の棋譜を条件には使えなかったのかと思います。

占魚亭さん「前回送り忘れましたが、今回は無事送れてほっとしています。」

■前回は送付忘れだったのですね。

ほっとさん「今回は比較的解きやすかったです。」

■余詰を出してしまうと修正条件が追加されて解き易くなりますしね。

るかなんさん「小ミッションを積み上げる進行の3作になりましたね。」

■ミッション数が多くなるのは情報が多くて良いのか、逆にミッションを全て達成しなければいけないというプレッシャー

桝彰介さん「今回も、最終手が明かされている上級は解けましたが、中級が解けませんでした。」

■中級の作者ヒントだと、後手陣へ打てる持ち駒が2枚あるように読めるので迷わせたのかも。


推理将棋第190回出題全解答者: 12名

  NAOさん  RINTAROさん  piyoさん  飯山修さん
  原岡望さん  はまちさん  springsさん  占魚亭さん
  ほっとさん  るかなんさん  桝彰介さん  はなさかしろうさん

当選: はなさかしろうさん

おめでとうございます。
賞品をお送りしますので、賞品リストから選んだご希望の賞品と送付先をメールでお知らせください

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