推理将棋第192回解答(3)
[2025年12月30日最終更新]
推理将棋第192回出題の192-3の解答、第192回出題の当選者(ほっとさん)を発表します。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
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推理将棋(おもちゃ箱) 推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
192-3 上級 るかなん 作 焦点は角? 12手
「12手で詰みか。途中の角の脇に駒を打つ王手が決め手だったね。」
「角と言えば角の利きへの着手が5手で、最後は角の利きから逸れる手だったね。って角ばかり見てないで他は?」
「ええと…直前の手と同じ筋への着手が無いね。それと成生を選ぶ手は1手だけか。」
さて、どんな手順だったのでしょうか。
(条件)
- 12手で詰み
- 途中に角の脇に駒を打つ王手
- 角の利きへの着手が5手
- 最終手は角の利きにある駒を角の利きから逸らす手
- 直前の手と同じ筋の着手なし
- 成生を選ぶ手は1手
出題のことば(担当 Pontamon)
角の腹へ駒を打って王手したのは先手の角腹なのか後手の角腹なのか?
作者ヒント
角の王手なし(るかなん)
締め切り前ヒント
角腹への駒打ち王手は10手目なので最終手は6手目か8手目に角の利きへ着手した駒を動かす手になります。角以外の駒で最終手を支えれなければ合い利かずの詰み形にする必要があります。
余詰修正
会話の「着手が5手あったね。」のところを「着手が5手で、最後は角の利きから逸れる手だったね。」に変更し、条件に
・最終手は角の利きにある駒を角の利きから逸らす手
を追加
余詰修正2
最後の会話に「それと成生を選ぶ手は1手だけか。」を追加
条件に下記を追加
・成生を選ぶ手は1手
|
推理将棋192-3 解答 担当 Pontamon (条件) |
本問では余詰を出してしまい大変申し訳ありませんでした。余詰があったので条件が追加されて解き易くなってはいるものの、本問は難問だったようで、作者を含めて正解者は4名でした。
解図の糸口になりそうな条件で目に付くのは「途中に角の脇に駒を打つ王手」でしょう。気を付けなければいけないのは、駒打ち王手する角腹の角の持ち主はどちらでも良いという点です。攻めている後手の角の腹への駒打ちとは限らないということです。先手の角腹へ後手が駒打ちで王手する手順として、▲76歩、△34歩、▲16歩、△44角、▲17桂、△同角不成、▲66歩、△28角不成、▲77角、△38飛、▲86歩、△67桂の手順や▲76歩、△74歩、▲56歩、△34歩、▲77角、△66角、▲68玉、△39角不成、▲66歩、△同角成、▲59金右、△67銀の手順で詰めることができますが、この角腹への駒打ち王手は「途中」とのことなので、これらの手順のように角腹への駒打ちで詰める手は条件をクリアできません。駒打ち王手をするには準備として駒を取る必要があるので、どの種類の駒を取ったときに最短だと何手で角腹への駒打ち王手ができるのかを考えてみると参考になりそうです。歩以外の駒を最短で取れるのは4手目の角です。先手の角を取ってしまうので4手目の角取りの手は△88角不成にしておけば次の6手目に角腹へ角を打つことができます。その6手目が王手になるようにすると▲76歩、△34歩、▲68金、△88角不成、▲69玉、△78角の手順(初手と3手目の手順前後可)この手順は最短の角腹への駒打ち王手にはなりますが、6手目までに角の利きへの手は1手も無く、残り6手で角の利きへの手を5手指すのは無理そうです。次に早く取れる駒は桂で手順は▲76歩、△34歩、▲77桂、△同角不成の4手目で桂を取れますが先手角は8段目なのでその角腹へ後手の桂打ちはできないので、67地点か87地点になるはずです。4手目に桂を取った手が王手になっているので角腹地点を空ける▲66歩や▲86歩を5手目に指すことはできず、▲68金、△22飛、▲66歩、△67桂の駒打ち王手と進めるとそこまでに角の利きへの手としては▲77桂、△同角不成、▲68金、△22飛、▲66歩の5手が指されているので角の利きへの手の条件はクリアしています。しかし、3手目の▲77角に△同角不成とする手や6手目の▲66歩に△67桂とする手は同じ筋への連続着手になるので条件違反になり、これを回避すると△67桂が12手目になるので「途中」の条件を満たせなくなります。角と桂以外の駒を取るには最短で6手目になり、次の手番に角腹への駒打ちは出来ますがそれが王手になるようにするのは難しそうです。6手目に取れる駒は68地点で金銀飛を取れますが、余詰の修正条件で追加された「成生を選ぶ手は1手」が効いているので△77角不成から△68角不成で先手の駒を取る手順は使えません。68地点で駒を取るなら△14歩、△13角から△68角不成で取る手順になるでしょう。また、角腹への駒打ち王手をした後、先手玉を詰めるためには先手陣内の角や駒打ち王手した駒を動かすことが必要になりそうですが、その手は成生を選ぶ手になるため指すことは無理そうです。しかし、駒打ち王手をする駒が金であれば先手陣内を移動しても不成の手にはなりません。そこで、▲68金、△14歩、▲69玉、△13角、▲56歩、△68角不成、▲59金、△78金、▲58玉、△79金、▲49金、△57銀の12手で詰めてみたのですが、角の利きへの手が▲59金と△79金と△57銀の3手しかないのでいけません。「成生を選ぶ手は1手」だと角成の手で角を取って、取った角を先手陣へ打ち,馬で取った駒を打つ手だけに使えばこの条件を満たせます。この方針で指してみたのが参考図の手順になります。△77角を打った後にこの角の利きへの手を複数指すことができているのですが、数えてみると▲68銀、▲66歩、△88馬、▲86歩の4手なので条件をクリアできていませんし最終手が角腹への駒打ちの王手なので「途中」もクリアできていませんでした。
参考図:▲76歩、△34歩、▲58飛、△88角成、▲48銀、△77角、▲68銀、△89馬、▲66歩、△88馬、▲86歩、△67桂 まで12手
最初の余詰修正で追加された「最終手は角の利きにある駒を角の利きから逸らす手」を解図の参考にしていなかったので検討してみます。角の利きにある駒を角の利きから逸らした場合、その駒を支えるための駒配置にしておく必要がありますが、これまで考えた手順では角の利きへの手5回すら実現するのが難しかったので、最終手を支える駒を取って打っておくのは無理難題に感じます。となると、最終手は支えの駒を必要としない合い利かずの詰み形なのではないでしょうか。合い利かずの詰みなら角の最終手を思い出しますが、▲46歩、△34歩、▲76歩、△88角不成、▲38金、△49角、▲68銀、△38角不成、▲78金、△48金、▲69玉、△47角不成 の手順では角の利きへの手が無いので失敗です。
最終手に限らず、そもそも桂の王手は合い利かずなので桂で詰めてみることを考えるのが良さそうな気がします。角の利きへの桂着手からの桂跳ねで詰めるとなると、先手の角が利いている33地点への△33桂が本筋に見えます。となると最終手は△45桂で57地点の玉を詰める形を考えるのが良さそうです。▲56歩からの▲57玉を△45桂で王手した場合、玉の逃げ場所としては玉の小鬢の46、66地点の他、玉の後方の3地点がありそうです。玉の後方3地点を1枚の駒で抑えるなら、△15角からの△59角成で馬を59地点に配置する形が思い浮かびます。この場合、玉の小鬢の46を△45歩などで抑えたくても45地点には王手している桂が居るので△45歩は指せません。46地点は△35銀などで斜めに利かせて抑えることはできます。斜めに利かせると言っても玉が57地点に居るので角を24地点や35地点へ配置することはできません。銀なら△37銀で46地点を抑えることができます。角も△37角や△28角であれば配置することができますが、そうすると△59角成で玉の後方を抑えることができなくなります。これらを一気に解決できるのは、△28角不成で飛を取って、△38飛と打って玉の後方3地点を飛一枚で抑える手がありました。この28の角と38への飛打ちが王手になっていれば角腹への駒打ちでの王手の条件もクリアできてしまいます。さて、残っている玉の逃げ場所は66地点ですが後手が66地点を抑えるには駒も手数も足りないようなので、ここは先手の駒で66地点を塞いでもらうことになります。と言っても△66歩だと67地点が空いてしまうので何か別の駒で塞ぐ必要があります。66地点のようなゾロ目地点へ移動し易いのは角ですので▲66角が良さそうです。必要な手を確認してみます。先手は▲76歩、▲66角、▲56歩、8段目への玉移動、▲57玉の5手は必須ですが、残り1手は後手が△28角不成で飛を取り易いようにする協力手の▲36歩が見えます。後手の手は△34歩、△55角、△28角不成、△38飛、△33桂、△45桂の6手で決まりです。あとは条件をクリアしつつ手順を組み立てることができれば解けることになります。同じ筋の着手を連続では指せません。△38飛や△33桂は▲36歩と手番が離れていそうなので▲36歩と△34歩です。▲56歩や8段目への玉移動の手が▲58玉なら△55角と連続しないようにする必要があります。初手から▲76歩、△34歩、▲66角、△55角、▲36歩、△28角不成 で飛を取るまでは問題なく進みます。この時、3手目の▲66角が後手の角の利きへの手、4手目の△55角が先手角の利きへの手になっています。角の利きへの手は残り3回です。
次7手目には玉が57地点へ行くために8段目へ上がる手か▲56歩のどちらかになります。8手目は角腹の38地点へ△38飛を打って王手にするには7手目は玉が8段目へ上がる手になりそうですが、△38飛で王手された先手玉が59地点へ戻る訳には行かないので7手目は先に▲56歩を突いておきます。となると8手目に△38飛を打っても王手にはならないので8手目は△33桂で、これが3回目の角の利きへの手になります。続く9手目は今度こそ玉が8段目へ上がる手になりますが、7手目に▲56歩と突いたおかげてで66の角の利きが48地点へ通っているので▲48玉とすれば4回目の角の利きへの手になり、次の手番で▲57玉と上がる手が5回目になります。9手目から▲48玉、△38飛、▲57玉、△45桂で詰みとなりました。
余詰について
NAOさんから指摘があった余詰は以下の通りです。
元条件
▲58玉、△34歩、▲59金左、△77角不成、▲66歩、△59角不成、▲77角、△68角不成、▲38飛、△67金、▲48玉、△57金 まで12手
▲68飛、△34歩、▲48玉、△77角不成、▲38金、△68角不成、▲59金、△22銀、▲77角、△58飛、▲49玉、△59飛成 まで12手⇒ほっとさんの余詰解答も同手順
修正条件
▲48玉、△34歩、▲68金、△77角不成、▲86歩、△68角不成、▲77角、△58金、▲38玉、△59角成、▲66歩、△49馬 まで12手
飯山さん指摘の余詰手順
▲68飛、△34歩、▲58玉、△77角不成、▲86歩、△68角不成、▲59金左、△79角不成、▲48金上、△78飛、▲59玉、△68飛成 まで12手
それではみなさんの短評をどうぞ。
(短評)
るかなんさん(作者)「言い訳をすると、とにかく「条件を隠す」ことだけに躍起になってたんです。」
■粗検、申し訳ありませんでした。
NAOさん(双方解)「多くの条件とヒントいただきましたが、余詰筋が先に見えてしまったのでなかなか作意がわかりませんでした。」
■修正2の条件があれば、最初の修正で追加された条件は不要になるようです。修正条件での余詰発見の解図力には脱帽です。
飯山修さん(双方解)「この詰形は知っていたが角筋5回には足りないと思って打切っていた。66角を早くすればこんなに回数を増やせると判るのに時間がかかった。
同のつく手が指せないのはかなりきつく余詰順の解答のみであきらめようと思ったが沢山ある角筋不足解を見直してよかった。」
■作意順が分かっている状況で余詰検討をしていると角の利きへの手を指すこと自体が厳しくて「これは余詰は無さそうだ」という頭があったので検討が不十分でした。逆に余詰手順を先に見つけると作意順を見つけれなくなることが多いのに、作意解を見つけるまでの根気強さに頭が下がります。
RINTAROさん「降参します。条件が厳しく、分かりませんでした。
特に「直前の手と同じ筋の着手なし」の条件は、「同の手なし」よりも厳しい条件で、解答発表が楽しみです。」
■相手と同じ筋の手を指すまね将棋とは正反対。同の手のことを書いてないとつい同角不成とかを指してしまいます。
piyoさん「3問目の余詰めまでは出題後すぐに浮かんだのですが、その後中間ヒントと締め切り前ヒントを見ても結局最後まで本来の解答がわかりませんでした。」
■解答していただいた▲58玉、△34歩、▲59金左、△77角不成、▲69玉、△59角不成、▲68銀、△78金、▲58玉、△77金、▲48飛、△68金の手順では角の利きへの手が▲68銀、△77金、▲48飛、△68金の4回なので条件を満たしていませんでした。筋違いの▲69金が▲59金左で角筋へ移動する手はその時点で後手角は77地点には居ないので角の効きへの手にはなりませんでした。
ほっとさん(余詰解)「余詰順は出題後すぐに見えたが、肝心の作意が全然わからず。
・「角」を「かど」と読む
・「脇」を「少し離れた場所」と解釈する
など、叙述トリックまで疑ってみるも見つけられず残念。」
■条件を無理矢理に別の解釈へ拡張されたのですね。「角の角を動かした」という条件を出したら、「鯛の鯛」とは違い読み方が違っているので意味が分からず問い合わせが殺到しそう。
桝 彰介さん「分かりませんでした。角腹にどんな駒を打つのか考えつきませんでした。」
■手っ取り早く取れる角をまず考えるのが普通かと。
原岡望さん「時間切れ、降参です。同Xが不可という条件は厳しいです」
■条件に明示されていないのですが、「同の手なし」なんですよね。先手の駒を取らせるにしても1手早めに差し出しておかないといけないので手順の組立が面倒になります。
はなさかしろうさん「192-3は前夜から最終日の5分前まで考えましたがわかりませんでした。駒の利き条件は作問で使いたくなることはありますが、解図は苦手でした。」
■特に角の利き地点となると着手候補がたくさん(△77角に対して△22銀、△33桂、△44歩の順に3回指すことも可能)ある一方、△88角不成で先手の角を取ってしまい▲77桂で角道を閉じてしまうと続かなくなります。本問では3手目の▲66角がカギになりました。
正解:4名
NAOさん 飯山修さん るかなんさん ほっとさん
(総評)
NAOさん「192-3さっぱり作意が見えませんでしたが、10日夜お風呂でふと浮かびました。」
■担当も余詰検討をしている際に風呂で浮かんで来ることがしばしば。暗算は得意じゃないのに入浴中は不思議なものです。
べべ&ぺぺさん「解けたぶんだけ、送ります。」
■解けた分だけで結構です。解けなくても感想を書いていただけると選題の参考になると思います。
飯山修さん「WFP206号たくぼんさんの記事によると来年1月の詰四会はフェアリストが多数集まるらしいです。
私はいけそうにありませんが。来年の大阪のパラ全国大会は前日にフェアリー全国大会があるかもしれないとの事なのでそちらを目指したいと思います。」
■パラ全国大会は九州大会が流れてから全く参加できていません。詰将棋が苦手な担当だけどフェアリー全国大会なら行けるかな。推理将棋しか分からないけど....。
るかなんさん「今年もお世話になりました。良いお年を。」
■来年も作品投稿をお待ちしています。
RINTAROさん「1.2の解答の下書き保存が11月24日。最終ヒント迄3を粘るも、ギブアップ。
1.2はそれぞれ30分くらいであっさり解けたのに、3は何時間かけても解けませんでした。」
■192-3は相当な難問だったようです。
ほっとさん「今年もお世話になりました。来年もよろしくお願いします。」
■何かと至らぬ担当にお付き合いいただきありがとうございました。来年もよろしくお願いします。
桝彰介さん「今年最後も初級しか解けませんでした。一年間ありがとうございました。また来年も解答できたら送ります。」
■来年もよろしくお願いします。年賀推理には8手の初級が3題出題する予定です。
占魚亭さん「今月も1問のみです。全くイメージできません……。」
■1桁手数の易問がないと、無理矢理中級としている11手とかは別の月だと上級相当ですし。
推理将棋第192回出題全解答者: 14名
NAOさん 中村丈志さん べべ&ぺぺさん はまちさん
飯山修さん るかなんさん RINTAROさん piyoさん
ほっとさん 桝 彰介さん テイエムガンバさん 原岡望さん
はなさかしろうさん 占魚亭さん
当選: ほっとさん
おめでとうございます。
賞品をお送りしますので、賞品リストから選んだご希望の賞品と送付先をメールでお知らせください。
あとがき
この結果稿が2025年の最後となります。
今年一年、推理将棋への投稿や解答送付、誠にありがとうございました。
来年も推理将棋のご愛顧のほどよろしくお願いします。
それでは皆様良いお年をお迎えください。
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