カテゴリー「推理将棋」の記事

推理将棋第187回出題(7月10日まで)

[2025年6月13日最終更新]

将棋についての話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル、推理将棋の第187回出題です。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

解答、感想はメールで2025年7月10日までにTETSUまで (omochabako@nifty.com) メールの題名は「推理将棋第187回解答」でお願いします。 解答者全員の中から抽選で1名に賞品リストからどれでも一つご希望のものをプレゼント! 1題でも解けたらぜひご解答ください。

推理将棋第187回出題  担当 Pontamon

第187回の選題にテーマはありません。新旧の在庫からの出題です。
初級は担当の2023年作の9手、中級はるかなんさんの2024年作の10手、上級はけいたんさんの2025年作の12手となっています。


■本出題


■中間ヒント (6月26日頃 作者)

■締め切り前ヒント (7月3日頃 Pontamon)


187-1 初級  Pontamon 作  駒打ち3回          9手 

「駒成が無いのに9手で詰んだってね」
「でも、"打"が付く手を含めて駒打ちが3回もあったよ」

さて、どんな手順だったのでしょうか。

(条件)

  • 9手で詰み
  • "打"が付く手を含め駒打ちは3回
  • 駒成なし

187-2 中級  るかなん 作  選択の余地なし       10手 

「成生を選べる手が無いまま10手で詰みか。「同」の手ならゾロ目の地点で2回あったし、金頭の手も2回あったんだけど。」

さて、どんな手順だったのでしょうか。

(条件)

  • 10手で詰み
  • 成生を選べる着手なし
  • ゾロ目の地点で「同」の手2回
  • 金頭の手2回

187-3 上級  けいたん 作  香を取る同の手2回     12手 

「12手で詰みか」
「香を取る同の手が2回あった、角と金で取ったね」
「初手は飛の着手だな」
「成る手はないね」

さて、どんな手順だったのでしょうか。

(条件)

  • 12手で詰み
  • 香を取る同の手2回、角と金で取った
  • 初手は飛の着手
  • 成る手なし

このコーナーで出題する問題を募集します。入門用の易しい問題を歓迎。作者名、問題、解答、狙いなどを記入して「推理将棋投稿」の題名でTETSUにメール(omochabako@nifty.com)してください。

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推理将棋第185回解答(3)

[2025年5月25日最終更新]
推理将棋第185回出題の185-3の解答、第185回出題の当選者(占魚亭さん)を発表します。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第185回出題  推理将棋第185回解答(1) (2) (3)
  推理将棋おもちゃ箱)  推理将棋(隣の将棋)  どんな将棋だったの? - 推理将棋入門


185-3 上級  けいたん 作  両王手まで         11手 

「両王手まで11手で詰みか」
「駒成2回はどちらも1段目だね」

さて、どんな手順だったのでしょうか。

(条件)

  • 両王手まで11手で詰み
  • 駒成2回はどちらも1段目

出題のことば(担当 Pontamon)

 情報が少ないですが、「1段目での2回の駒成」が解図のヒントになっているはずです。

作者ヒント

 銀の手あり(けいたん)

締め切り前ヒント

 最終手は1段目への角成で、最初の1段目の駒成も角成です。


推理将棋185-3 解答 担当 Pontamon

▲76歩、△34歩、▲22角不成、△42玉、▲11角成、△22銀、
▲32角、△31玉、▲33香、△42飛、▲21角成 まで11手

(条件)
・両王手まで11手で詰み(△31玉:▲33香、▲21角成)
・駒成2回はどちらも1段目(5手目▲11角成、11手目▲21角成)

Suiri1853

2回あった駒成が両方とも1段目とのことですが、11手で詰めた先手が2回の駒成をするのか、後手と先手で1回ずつの1段目での駒成なのでしょうか?後手が自陣の1段目で駒成をするのなら手順はかなり限定されそうです。たとえば、▲76歩、△32飛、▲33角不成、△42銀、▲24角不成、△37飛不成、▲13角不成、△31飛成の手順なら8手目に後手は自陣の1段目で飛を成ることができます。先手の13の角も11手目なら▲31角成をすることはできても詰みにはなりそうにありません。後手の角が4手目に△77角不成をしてから△12香を指せばやはり8手目に△11角成をすることはできます詰みにはなりそうにありません。つまり、2回の1段目の駒成は両方とも先手の手になりそうです。2回の駒成のうちの1回は角成になるのでしょうが、もう1回の駒成をする駒は何になる可能性があるのかを考えてみると、後手の角は最短で3手目に取れますが、空き王手の形(両王手も含め)で最終的に相手玉を詰める駒と飛の駒の利きを止めていた扉の役割をする駒の組み合わせとして、角と角、飛と飛、香と香などの同種駒の組み合わせは存在しません。何故なら相手玉を詰める駒と扉の駒が同種の駒なら扉の役の駒自体で王手が掛かっていることになるからです。となると、角と組む駒は飛か香のはずです。飛を角で取るには初期配置の82の飛、42地点や62地点の飛を角不成の手で取ることはできます。この場合、7手目、9手目、11手目の3手は飛を打つ手と2段目に居る角と打った飛の両方が1段目で成る手なので、最終手は打った飛を成る手に決まります。1段目に成った馬の利きを飛で止めておいてからの1段目への飛成の手が空き王手になる配置があったとしても両王手にはなりません。玉が1段目に居る場合は飛成した龍の利きが届いていても1段目の馬の利きは届いていないはずです。1段目の馬の利き筋に後手玉が居るのなら3段目より上の段に居ることになるので1段目で成った龍の利きは後手玉へは届きません。

Suiri1853aということで1段目の駒成で取る駒は11の香で、この香と香を取りに行くために3手目に取ることになる角との組み合わせで両王手になる配置を考えれば良いことになります。この方針で指したのが参考がの手順になります。11の香を▲11角成で取ったあとの馬が最終手の▲21香成の成香を支えていて、13地点へ打った角と21の成香での両王手になりましたが、玉の退路を塞ぐ△42飛が間に合わなかったので△42玉と逃げられて失敗でした。

参考図:▲76歩、△34歩、▲22角不成、△42玉、▲11角成、△14歩、▲13角、△32銀、▲22香、△31玉、▲21香成 まで11手

11の香を取った後の馬が最終手を支えることによって両王手を実現している構造にする考えに間違いは無いはずなので、最終手が▲21香成でないのであれば、最終手は▲21角成しかあり得ません。21地点の馬が後手玉に利いているはずなので、後手玉の位置は参考図同様に31地点で間違いはないはずです。角が移動したことによって香の利きが31地点の玉へ届く地点に香が居るのですから、香は3筋で、この香の利きを止めていた角が▲21角成をするのですから、角は32地点へ打たれたことになります。これらを踏まえて手順を考えると初手から▲76歩、△34歩、▲22角不成、△42玉、▲11角成で香を取ります。玉は31地点へ行くので31の初期配置の銀は移動する必要があります。銀は4手目に動くことができますが、4手目だと△42銀か△32銀のどちらかです。22地点の先手の角を取ってはいけませんし玉の移動の邪魔をする△42銀も指せません。銀の手が6手目だと42地点に玉が居るので△32銀か△22銀ですが、先手は取った香を3筋へ打つ手筈なので香の利きを遮る△32銀は不適切です。したがって6手目からは△22銀、▲32角、△31玉、▲33香と進め両王手の準備は完了です。10手目は参考図の手順では指せなかった玉の退路を塞ぐ△42飛で11手目の▲21角成の両王手で詰みとなりました。

それではみなさんの短評をどうぞ。

(短評)

NAOさん「手順前後を許さない協力手22銀~31玉が巧み。」

■両王手を掛けるには31の銀の存在が邪魔。かと言って△32銀によけるのは王手の邪魔。6手目が両王手の邪魔にならずに△22銀を指せる唯一のタイミング。

RINTAROさん「最初の1段目成が11角成だと分かると自然に解けます。」

■11の馬を生かして最終手は21地点での駒成を想像できれば解図が容易になりますね。

飯山修さん「直前ヒントを見る迄1段目角成の両王手なんて考えもしなかった。過去問で最終手両王手の11手以下作品12問に31玉型はなかったから。香と角成の両王手しかないと考えたら確かに成立する事に感心。」

■最終手の1段目での角成を支える駒があったので成立した形でした。

piyoさん「この問題だけはヒントなしでは解けず最後までかかりました。飛車を使う筋を諦めて角と香車の筋を考えていたのですが、「角-香-玉」という位置関係では手数クリアできず、締め切り前ヒントを見てようやく「香-角-玉」で解決しました。」

■「角-香-玉」という位置関係は参考図の形でしょうか。玉の退路が空いているので手数をクリアできませんでした。

原岡望さん「ヒント頼み。香角コンビとは。実戦には絶対出ない筋」

■実戦での香の使い方は控えて打っての田楽刺しとか、安い駒なので二歩になる時の合駒での使用が多いですかね。

Miyaさん「一回目の角成で香を取る事を考えたら、すんなり回答にたどり着きました。」

■香を取って両王手に使おうと思っていなくても、最初の1段目での角成のついでに何か駒を取ろうとしたら香か銀ですね。香なら両王手で使えそうだと気付けば手順が見えて来ます。

るかなんさん「無理をして飛車を取らずともついでに取れる線駒が落ちていた。」

■両王手と言われるとついつい角と飛のコンピを考えてしまいます。

はなさかしろうさん「33の空間にぴったり納まる香、巌窟みたいで面白い詰上りでした。シンプルかつ強力な駒成条件で成立しているのが素晴らしかったです。」

■1筋から4筋までの後手陣(1段目から3段目)の12マスで空いているのは12地点だけという駒配置からの相手玉に超接近での両王手でした。

桝彰介さん「角と何の駒で両王手をするのか分かりませんでした。」

■両王手の相方はよく出て来る飛ではなく香でした。

ほっとさん「少ない条件でうまく限定できている。よく見ると33香は詰みに不要だが。」

■念には念を入れて息の根を断つ両王手でした。(^^)


正解:11

  NAOさん  けいたんさん  テイエムガンバさん
  RINTAROさ  飯山修さん  piyoさん  原岡望さん
  Miyaさん  るかなんさん  はなさかしろうさん
  ほっとさん


(総評)

NAOさん「けいたんさんの両王手の特集。初出の形もあり楽しめました。」

■飯山さんの短評からすると、185-3の31の玉が初出の形ということですか。

けいたんさん「作意手順を思い出せず締め切り前ヒント前日にようやく解けました。うーむ。」

■担当は作図後3ヵ月を過ぎると、仕掛けのカギは思い出しても手順を思い出せなくなります。けいたんさんの場合は作図数の影響があるのかも。

RINTAROさん「けいたんさんの両王手3題。楽しく解けました。」

■楽しんでいただいて幸いです。

飯山修さん「とうとう後期高齢者の仲間入りとなった。薬はたまに風邪の時と胃もたれの時しか服用しないでいられるのであとはボケないように心掛けたい。」

■健康で羨ましいです。担当は今週から1種類増えて投薬は9種類。

原岡望さん「今月は5/4 26時の解答です。パラは残り2問苦戦中」

■パラで解けいたのが1問だと、残り2問を3日。一日一問を解けば楽勝?

るかなんさん「全部3手目角取り、しかもその意味づけが全て異なるとは。お見事な三部作。」

■同じ月の出題になりましたが実は三部作ではなく、185-1は2023年5月、185-2は2020年6月、185-3は2025年1月に投稿された作品でした。

はなさかしろうさん「今回の連休は曜日・日付・季節と、時間の感覚全般が迷子になってしまいました。最終日回答は、まぁ通常運転なのですが。」

■前後半の4連休の方とか11連休の方とかで行楽地の混み具合は例年と違っていたのかな?

桝彰介さん「今回は1問しか解けなかったものの、全て両王手の11手で面白かったです。」

■解けなくても解図に取り組んでいただいて楽しまれたのであれば幸いです。

ほっとさん「結局ヒント待ちになってしまった。」

■年明け後は難問とか長手数作ばかりかな。6月出題ではヒント前の解答が増えるように難度を下げようと思います。

占魚亭さん「前回送り忘れ、今回も忘れる所でした。危ない。」

■先月は送り忘れでしたか。先月は所用で不在のため締め切り日当日の解図が出来なかったのかと想像してました。


推理将棋第185回出題全解答者: 14名

  NAOさん  けいたんさん  テイエムガンバさん
  RINTAROさん  飯山修さん  piyoさん  原岡望さん
  中村丈志さん  Miyaさん  るかなんさん  はなさかしろうさん
  桝彰介さん  ほっとさん  占魚亭さん

当選: 占魚亭さん

おめでとうございます。
賞品をお送りしますので、賞品リストから選んだご希望の賞品と送付先をメールでお知らせください

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推理将棋第185回解答(2)

[2025年5月23日最終更新]
推理将棋第185回出題の185-2の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第185回出題  推理将棋第185回解答(1) (2) (3)
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185-2 中級  けいたん 作  角尻に飛で両王手      11手 

「どうだ両王手11手で詰みだ」
「負けました。角尻に飛の手があったね」
「玉が動いたのまずかったんじゃない」
「先手は連続で駒を打ったね」

さて、どんな手順だったのでしょうか。

(条件)

  • 両王手をかけた11手目で詰み
  • 角尻に飛の手あり
  • 玉が動く
  • 先手は連続で駒を打つ

出題のことば(担当 Pontamon)

 角尻への飛の手が両王手の手ではありません。角尻に飛の手があって、その後で両王手です。

作者ヒント

 桂の手あり(けいたん)

締め切り前ヒント

 先手が打った角の尻へ先手が飛を打ちます。

余詰修正

 会話に「先手は連続で駒を打ったね」を追加し、条件に「先手は連続で駒を打つ」を追加して余詰修正とさせていただきます。


推理将棋185-2 解答 担当 Pontamon

▲76歩、△34歩、▲22角成、△32飛、▲同馬、△33桂、
21角、△52玉、▲22飛 、△51金右、▲43馬 まで11手

(条件)
・両王手をかけた11手目で詰み(△52玉:▲22飛、▲43馬)
・角尻に飛の手あり(7手目▲21角-9手目▲22飛)
・玉が動く(8手目△52玉)
・先手は連続で駒を打つ(7手目▲21角、9手目▲22飛)

Suiri1852

「角尻に飛の手」の条件があるので本問の両王手の形は角と飛(またはこれらの成駒)によるものが濃厚です。この「角尻に飛の手」の条件ですが、どちらの角の尻へのどちらの手番で飛の手を指したのかを解明して行きます。先後の角と先後の飛の組み合わせは4通りですが、まずは先手の角尻へ後手の飛の手だとすると、▲76歩、▲22角不成、▲31角不成の後に△32飛を指して、その後▲22角成から▲32馬で飛を取れますが取った飛を打つ手が11手目となってしまうのでこの手順ではありません。▲76歩、△62飛、▲55角、△74歩、▲91角不成、△92飛の手順も7手目に角成して9手目に飛を取る進行では両王手を掛けることができません。次は後手の角尻へ後手の飛の手を指す場合だと、▲96歩、△34歩、▲97角、△33角、▲53角成、△32飛のようにこれも6手目に角尻に飛の手を実現できますが、飛を取るのに7手目の▲43馬から9手目の▲32馬の手順だと飛を取るのが9手目になるので両王手に持って行けません。

Suiri1852a角尻の飛の手が6手目では飛を取る手が9手目になってしまうのが失敗の原因のようです。となると先手が後手の飛を取る手を7手目までに完了させてから飛を打つ手順が必要になります。後手の角尻へ先手が飛を打つ▲76歩、△34歩、▲55角、△74歩、▲82角不成、△33桂、▲21飛の手順だと5手目に飛を取って7手目に角尻への飛の手を実現できます。その後、▲22飛で後手の角を取って▲32角と打って空き王手の準備まではできますが、この手順では両王手にはできず、そもそも手数オーバーになるので失敗です。これで、「角尻への飛の手」の条件は先手の角尻へ先手が飛の手を指す組み合わせしか残らないことが確定しました。かと言って▲82角不成、△84歩、▲83飛の7手目に「角尻への飛の手」を実現できますが後手玉から離れた8筋では両王手になりません。飛車を取った先手角の角尻へ飛を打つのではなく、後手の角と飛の両方を取れば好きなところへ角を打ち、その角尻へ飛を打つことができます。そこで考えたのが参考図の手順です。後手の飛車を取った32地点の馬が最終手の▲41角成の馬を支える形なので△同玉と逃げることはできずに両王手で詰んでいるのですが、条件を確認してみると「玉が動く」という条件がありました。参考図の手順では居玉のままの51の玉が詰んでいるので条件をクリアできていなくて失敗でした。

参考図:▲76歩、△34歩、▲22角成、△32飛、▲同馬、△42金、▲52角、△54歩、▲53飛、△62銀、▲41角成 まで11手

「角尻に飛の手」の条件があることから両王手の形は角と飛の組み合わせだと思い込んでいましたが、これはミスディレクションの罠だったのかもしれません。先に考えた▲91角不成、△92飛の手順では92の飛を取るのに時間が掛かるので失敗でしたが、11の香を取る手順だと手数を少なくできます。▲76歩、△34歩、▲22角不成、△54歩、▲11角不成、△12飛、▲56香、△55歩、▲同角不成、△42銀、▲73角不成であれば香と角での両王手を実現できますがこの手順も玉が動いていないので失敗です。

何か見落としか思い込みがありそうです。両王手の角の相方が飛でも香でも両王手の扉の役は角でしたが、両王手の扉は角ではなく飛なのでしょうか?▲76歩、△32飛、▲33角成、△42金、▲22馬、△41玉、▲32馬、△同玉、▲55飛、△33玉、▲66角、△24角、▲35飛の両王手での詰みでは飛が両王手の扉の役をしていますが、手数オーバーの13手なので失敗です。飛と角を取ったのでこれら2枚の駒で王手を掛けるように配置するのが当然なことだと思っていましたが、そこに落とし穴があったのかもしれません。つまり、最終手の両王手の扉の役は角でも飛でもなく、後手の飛を取って盤上に残っている馬なのかもしれません。それを前提にして詰み形を考えてみます。△32飛を先手の馬で取るのであれば、32地点に先手の馬が居て、この馬が最終手で動いて後手玉に王手を掛け、馬が動いたことによって打った飛も後手玉に王手を掛ける形を考えることになります。32の馬が飛の利きを止めていたはずなので、飛の位置は3筋か2段目のはずで後手玉も同様に3筋か2段目です。しかし、後手玉は32の馬の利きが届いている22地点、31地点、33地点、42地点ではありません。先手は3手目に▲22角成で角を取り、4手目の△32飛を▲同馬で取る手順のはずなので、34地点より遠い3筋地点へ後手玉が行くには手数が掛かり過ぎるので後手玉は52地点より9筋側の2段目です。その2段目の玉へ32地点の馬が動いて王手できるのは▲43馬か▲41馬で52の玉に王手することになります。また、もうひとつの王手は2段目の飛になるので▲12飛か▲22飛を指しているはずです。この飛の手は角尻への手ですので、▲11角か▲21角の駒打ちをしていることになります。角打ちと飛打ちの両方を実現できるのは、△33桂で桂が居なくなった21地点へ▲21角と打ち、その次に▲22飛を打つ手順になります。▲21角の利きを支えにして32地点の馬が動く最終手は▲43馬に確定します。初手から、▲76歩、△34歩、▲22角成、△32飛、▲同馬で角と飛を取り、続いて6手目から△33桂、▲21角、△52玉、▲22飛と進みますが、10手目は後手玉の退路となっている51地点を埋める△51金右の協力手で11手目の▲43馬の両王手で詰みとなります。

なお、余詰は△32飛と△33桂の手順前後でした。粗検、大変申し訳ありませんでした。

▲76歩、△34歩、▲22角成、△33桂、▲21角、△32飛、▲同馬、△52玉、▲22飛、△51金右、▲43馬 まで11手

それではみなさんの短評をどうぞ。

(短評)

NAOさん「角尻地点の特定が難しく185-3より難問。馬を支えるための21角を作る33桂が妙着。」

■角尻の飛の手を実現するためだけの▲21角に非ず、▲43馬を支えるのが本来の役割でした。

テイエムガンバさん「▲76歩、△32飛、▲33角成、△52玉、▲32馬、△33桂、▲21飛という手筋を読んでしまい、どうやって32の馬にヒモをつけながら両王手を実現させるかを考えてしまいました。」

■7手目に1段目へ飛を打つと9手目が角打ちで最終手がその角の尻へ飛を移動することになり、両王手どころの問題ではなく手数が足りなくなりますね。

RINTAROさん「飛を取ることまで考えると21飛22角しかなさそうです。」

■短評だと22の後手角の駒尻の21へ先手が取った飛を打つ手順みたいだったので解答を二度見しました。単純に短評の書き間違いだったようで解答は正解でした。

飯山修さん「直前ヒントは先手の全ての手を教えてくれているので8手目と10手目を考えれば良い事になる。ちょっとサービスしすぎかも。」

■参考図の紛れ筋が浮かぶと直前ヒントでも悩む方が居ると予想しました。

piyoさん「「角尻への飛」という表現でその2つの駒での両王手を誘われてそうでしたが、無理そうだと早々と諦めて他の筋を考えて解決しました。この問題が一番最初に解けました。」

■「角尻への飛」の2つの駒での両王手としては参考図の手順がありました。

原岡望さん「ヒント頼み。狭い所に打つとは。」

■空き王手や両王手は、合い利かずの形のはずなので広いエリアだと思いがち。

Miyaさん「「桂の手あり」というヒントで、やっと解けました。」

■桂が居なくなった地点へ駒打ちができますが、角尻へ飛を打たなければいけないので21地点へは角を打つという筋書きでした。

るかなんさん「飛車取りが必須だからと左辺を攻めると間に合わない。」

■82の初期配置の飛を角不成で取るとその角の角尻へ飛を打つのが条件をクリアするには手っ取り早いですから左辺に惹かれてしまいます。

はなさかしろうさん「両王手詰は最終手が必ず移動手(非駒打)になるわけですが、11手以上あると攻方が準備に2枚打てるので近接王手のバリエーションが急増して解図が難しいです。51金右が感じ良いですね。」

■玉の退路を塞ぐ協力手の△51金右が光っています。

桝彰介さん「ヒントに桂の手とあったので角と桂馬の両王手を探しましたが、分かりませんでした。」

■先手が桂を取って両王手に使う手順ではなく、角の打ち場所を空けるための桂の手でした。

ほっとさん「6手目から「62銀、52角、54歩、53飛」や「54歩、53角、55歩、54飛」では玉移動の手が入らない。21角~22飛が気付きにくい。」

■参考図の失敗例も考えていただいたようですね。

占魚亭さん「紐付けするのがポイントでした。」

■両方手の飛の相方になる馬を支える駒が必要でした。


正解:12

  NAOさん  けいたんさん  テイエムガンバさん
  RINTAROさ  飯山修さん  piyoさん  原岡望さん
  Miyaさん  るかなんさん  はなさかしろうさん
  ほっとさん  占魚亭さん

(当選者は全題の解答発表後に発表)

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推理将棋第185回解答(1)

[2025年5月21日最終更新]
推理将棋第185回出題の185-1の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第185回出題  推理将棋第185回解答(1) (2) (3)
  推理将棋おもちゃ箱)  推理将棋(隣の将棋)  どんな将棋だったの? - 推理将棋入門


推理将棋第185回解説  担当 Pontamon

推理将棋第185回のけいたんさんの個展は両王手作を集めた特集でした。
14名から解答をいただきました。いつも解答ありがとうございます。
解図に行き詰った際には、空き王手や両王手の筋を疑ってみてください。


185-1 初級  けいたん 作  55角不成2度       11手 

「11手で詰みか」
「4手目と8手目は同じ段の手だったね」
「55角不成が2度あったな」

さて、どんな手順だったのでしょうか。

(条件)

  • 11手で詰み
  • 4手目と8手目は同じ段の手
  • 55角不成が2度あり

出題のことば(担当 Pontamon)

 55地点で不成の手になるならその角は何処から来るのか?

作者ヒント

 両王手(けいたん)

締め切り前ヒント

 初級も両王手での詰みで、2回目の55角不成が両王手の最終手です。


推理将棋185-1 解答

▲76歩、△34歩、▲22角不成、△42玉、▲55角不成、△74歩、
▲82角不成、△32玉、▲92飛、△22玉、▲55角不成 まで11手


(条件)
・11手で詰み
・4手目と8手目は同じ段の手(4手目△42玉、8手目△32玉)
・55角不成が2度あり(5手目▲55角不成、11手目▲55角不成)

Suiri1851

中段での不成の手を指すには、一旦、敵陣に駒を配置してから中段へ移動する必要があります。敵陣へ駒を配置する方法としては、敵陣へ入り込む方法と敵陣へ駒を打つ手があります。本問での不成の手は55地点での角不成が2回なので、先手と後手がそれぞれ55角不成の手を指すことも考えられます。しかし、その手順を検討してみると手数が足りないようです。となると、どちらかが2回とも55角不成を指すようです。

Suiri1851a後手が△55角不成を2回指す場合を考えてみると、後手がそのミッションを実行している間に先手は後手玉を詰める手順を進めることができます。その一例としては、▲96歩、△34歩、▲76歩、△52玉、▲97角、△88角不成、▲53角不成、△55角不成、▲71角不成、△88角不成、▲42銀、△55角不成、▲53角成の手順がありましたが手数オーバーの13手掛かってしまいました。となると、55角不成を2回指すのは先手でしょうか。2回の▲55角不成を指すには先の例のように敵陣と55地点を2往復する必要があるので先手の手数が減ってしまうので詰み形は限定されます。そこで考えたのが参考図の手順です。55地点と後手陣とを2往復した55地点の角を支えにして22への角打ちで31の後手玉を詰める形です。これで解けたと思ったのですが、条件がもうひとつありました。4手目と8手目の着手段が同じである必要がありましたが、参考図の手順では4手目は△42玉で8手目は△31玉なので着手段が違うので条件をクリアできていませんでした。6手目も10手目も2段目の着手なのですが8手目の△31玉と手順を入れ替えることもできないので失敗のようです。

参考図:▲76歩、△34歩、▲22角不成、△42玉、▲55角不成、△32銀、▲33角不成、△31玉、▲55角不成、△42飛、▲22角打 まで11手

参考図の手順では4手目と8手目の着手段が異なっていたので失敗しましたが、参考図の手順を少し変更して、後手陣へ角を打ってから▲55角不成とする手順の▲76歩、△34歩、▲22角不成、△42玉、▲55角不成、△32玉、▲33角打、△42飛、▲66角、△22銀、▲55角引不成、△12香、▲22角成なら4手目と8手目の着手段は2段目で同じですが手数オーバーの13手になります。原因は、敵陣へ角を打つ場合は1回目の▲55角不成で55地点に角が居座っていると2回目の▲55角不成を指せないので55の角の移動に1手必要になるのが失敗原因です。

ここで先手が▲55角不成を2回指す場合を整理してみると、初手の▲76歩は確定ですが残るタスクは、後手陣へ角が入る⇒▲55角不成⇒後手陣へ角が入る⇒▲55角不成の4手が必要なので先手の6手のうちの5手が消費されます。残された1手で何ができるかと言うと、参考図の手順のように最初に後手陣へ角が入った時に取った角を最終手で打って詰ます手がありましたが4手目と8手目の着手段が同じにならずに失敗でした。3手目で取った角を最終手で打って詰める手順は無さそうですが、2回目に後手陣へ角が入る時に取れる駒ではどうでしょうか?55の角が利いている11の香を取れる他に、6手目に△22銀や△22飛、あるいは△33桂を指せば桂、銀、飛を最終手で打つことができます。また、▲76歩、△34歩、▲22角不成、△32金、▲55角不成、△22金、▲22同角不成の手順で金を入手することも可能です。続けて△42玉を指せば4手目と8手目の着手段は同じ2段目になり、▲55角不成、△32玉、▲33金の頭金を打つことはできますが△同桂で詰みません。3手目の角取りの後、7手目に歩以外の全ての駒種を取ることができても、9手目の2回目の▲55角不成の角を支えにした11手目の駒打ちの形では後手玉や後手陣の駒の利きとの関係で詰めることができないようです。本問は不詰みなのでしょうか。そこで思い出されるのが困った時には空き王手や両王手の手筋を検討するという言葉です。空き王手や両王手なら2回目の▲55角不成を最終手にすることができます。空き王手では後手陣の初期配置値の駒があるので容易に移動合が可能なため、目指すのは両王手です。角2枚での両王手は有り得ないので相棒は香か飛になりますが、11の香を取るのが7手目なので9手目に香を打ち、11手目が▲55角不成になるので9手目の香打ち自体が王手になるはずです。ということで両王手の相棒は飛になります。7手目に22地点で飛を取った場合、角の陰へ飛を打つので9手目は▲12飛のはず。11手目の▲55角不成が両王手になるには後手玉は82地点に居なければいけませんが6手目の△22飛ほを指していると10手目までには△72玉が精一杯なのでいけません。となると、先手が後手の飛を取るのは82地点で、飛を打つ地点は92地点で後手玉は22地点に居るはずです。初手から、▲76歩、△34歩、▲22角不成で後手の角を取るのは最終的に後手玉が22地点へ行けるようにするためです。続けて4手目から△42玉、▲55角不成、△74歩、▲82角不成です。4手目は△42玉と△74歩の手順前後ができそうですが、8手目は22地点へ向かう後手玉の△32玉になる見通しなので4手目は△42玉です。続けて8手目から△32玉、▲92飛、△22玉、▲55角不成の両王手で詰みとなりました。なお、8手目を△33玉としても両王手で詰みますが、これも4手目と8手目の着手段が同じという条件が効いていて△32玉に限定されています。

それではみなさんの短評をどうぞ。

(短評)

NAOさん「両王手を伏せた出題に意表を突かれる。後手番の55角不成を目指すのは8手目先手陣に侵入せねばならず条件未達。」

■中級と上級は条件に両王手が明示されていましたが、3題とも両王手の出題があるのかどうか疑心暗鬼になりそう。

RINTAROさん「定番の両王手ですが、55角不成2回でできちゃうんですね。」

■簡素な条件で既存作が生まれ変わり、しかも両王手を隠せる秀逸な条件作でした。

飯山修さん「過去問55-3の11手詰を解答しようと思ったら4手目と8手目の段が違う。1度はあきらめたが後日見直してみたら8手目の55角を2手目34歩に変えても成立する事にビックリ」

■55-3は似た詰み上がり図なので角成を角不成に変更すれば良さそうに見えてしまいます。

piyoさん「ロジカルにどう解けばいいかはわからないまま、色々試行するうちにたまたまこの詰み筋が浮かびました。」

■解図の糸口は、やはり55角不成が2回でしょう。

原岡望さん「筋は分かりましたが、なせか暗算ではできませんでした。4手目限定のための条件ですね。」

■先手が33の歩を取るのか、後手が△34歩と突くのかの違いでした。

中村丈志さん「1二飛の展開か、9二飛か迷いました。」

■両王手最短は9手で、その筋の▲92飛が正解でした。

Miyaさん「すごく気持ちいい手順でした。解けた時、すっきりしました。」

■本問の両王手のようなダイナミックな駒捌きが決まると解後感抜群ですね。

るかなんさん「一番とっつきやすい条件ではあったものの、9手目55角不成から駒打ちまでを読んで悩みました。」

■55地点に角を配置しての最終手が飛打ちか角打ちだと、飛の単騎詰か二枚角の筋しかなさそう。先手は9手目まで忙しいので後手が詰み形を作り上げる協力が必要になるけど...

はなさかしろうさん「9手両王手詰の拡大版、33の歩を後手が突くか先手が取るかですね。本問は前者で、段条件が限定と余詰防ぎに活躍していました。後者は、過去に余詰を出した記憶が…(涙)」

■手持ち資料は過去問の条件と手順の記録なので気付きませんでした。55-3の出題稿と解説を読み直すと余詰修正が入った作品だったのですね。

桝彰介さん「詰め上がりが分かると、後は手順の組み合わせ。」

■4手目と8手目が同じ段の手になるように手順を組み立てます。

ほっとさん「後手の22角を取ってしまえばよいことになかなか気付けず。」

■取った角を後手陣へ打ってから▲55角不成を目指すと手数オーバーになるのが見えるので22の角を取る手は除外してしまいそう。取った駒を使わなくても良いところは詰将棋と違いますね。

占魚亭さん「角を大きく動かす。面白かった。」

■最終手で駒を大きく動かすのは空き王手・両王手の醍醐味のひとつ。


正解:14

  NAOさん  けいたんさん  テイエムガンバさん  RINTAROさん
  飯山修さん  piyoさん  原岡望さん  中村丈志さん
  Miyaさん  るかなんさん  はなさかしろうさん  桝彰介さん
  ほっとさん  占魚亭さん

(当選者は全題の解答発表後に発表)

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推理将棋第186回出題(6月10日まで)

[2025年6月3日最終更新] 締め切り前ヒント

将棋についての話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル、推理将棋の第186回出題です。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

解答、感想はメールで2025年6月10日までにTETSUまで (omochabako@nifty.com) メールの題名は「推理将棋第186回解答」でお願いします。 解答者全員の中から抽選で1名に賞品リストからどれでも一つご希望のものをプレゼント! 1題でも解けたらぜひご解答ください。

推理将棋第186回出題  担当 Pontamon

初級は担当からの10手で中級はけいたんさんからの12手の作品です。
上級は184-3のスピンオフ作品でNAOさんからの54手です。


■本出題


■中間ヒント (5月27日 作者)

186-1初級:大駒着手は6回(Pontamon)
186-2中級:両王手(けいたん)
186-3上級:序盤は184-3の手順と同じで、途中枝分かれし、収束でまた合流します。
途中開き王手が2回あります。先手の駒取りは、3,5,39,47,49手目。(NAO)

■締め切り前ヒント (6月3日 Pontamon)

186-1初級:はてるま手筋では駒成が必要。△15角との連携で37の飛が△39飛不成とする両王手だと1筋の大駒の手が必要。本問は3筋の大駒の手だけで飛と角での両王手を実現させます。
186-2中級:端の手は2回とも15地点への角の手です。
186-3上級:13手目の合駒の手は▲58歩ではなく移動合いです。また、184-3では28手目だった△37飛成の王手は20手目でも可能ですが本問では22手目になります。


186-1 初級  Pontamon 作  小駒は1回、大駒は1つの筋 10手 

「10手で詰んだ将棋だけど駒成は無かったんだ」
「それは時々あることだね」
「それで小駒の着手は1回きりだった」
「ま、それも無いことはないか」
「大駒の着手はひとつの筋だけだった」
「それもよくある。各々は珍しくなくても3つ同時だと珍しいね」

さて、どんな手順だったのでしょうか。

(条件)

  • 10手で詰み
  • 小駒着手は1回
  • 大駒着手はひとつの筋
  • 駒成なし

186-2 中級  けいたん 作  48角成まで12手で詰み  12手 

「48角成まで12手で詰みか」
「角成が2回あったね」
「10手目は棋譜上「打」がつく着手だったな」
「先手は4筋と5筋に銀の着手あったね」
「端の着手は2回あったな」

さて、どんな手順だったのでしょうか。

(条件)

  • 48角成まで12手で詰み
  • 角成が2回
  • 10手目は棋譜上「打」がつく着手
  • 先手は4筋と5筋に銀の着手あり
  • 端の着手2回

186-3 上級  NAO 作   もう一つの連続駒取王手詰  54手 

184-3の連続駒取王手、難問だけど面白かったね」
「うん。いろいろ試してみた。すると54手で詰んだんだけど、どうしても3の倍数段目の着手数が合わないんだ」
「ほう、ということは、後手は6手目以降王手をかけ続け、8手目以降駒を取り続けたんだね」
「そう。後手の8~54手目が駒取王手でそのまま詰んだ。 4筋と6筋への着手数が8回ずつだったよ」

さて、どんな手順だったのでしょうか。

(条件)

  • 54手で詰んだ
  • 後手は6手目以降王手をかけ続け、8手目以降駒を取り続けた
  • 4筋と6筋への着手が8回ずつ

このコーナーで出題する問題を募集します。入門用の易しい問題を歓迎。作者名、問題、解答、狙いなどを記入して「推理将棋投稿」の題名でTETSUにメール(omochabako@nifty.com)してください。

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推理将棋第184回解答(3)

[2025年4月25日最終更新]
推理将棋第184回出題の184-3の解答、第184回出題の当選者(piyoさん)を発表します。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第184回出題  推理将棋第184回解答(1) (2) (3)
  推理将棋おもちゃ箱)  推理将棋(隣の将棋)  どんな将棋だったの? - 推理将棋入門


184-3 上級  はなさかしろう 作  とある連続駒取王手詰 54手

181-3の連続駒取王手、おもしろかったね」
「うん。あれは3手目スタートだったね。序を長くしたらどこまで行けるかな」
「そう、それをやってみた。54手で詰んだんだけどさ」
「ほう」
「後手は6手目以降王手をかけ続け、8手目以降駒を取り続けたよ」
「ということは、後手の8~54手目が駒取王手でそのまま詰んだのか」
「それから、3の倍数段目への着手は合計19回だったよ」
「3の倍数段目って、3・6・9段目か。19回だと総手数の1/3以上だね…って、数字ばかりだな」

さて、どんな手順だったのでしょうか。

(条件)

  • 54手で詰んだ
  • 後手は6手目以降王手をかけ続け、8手目以降駒を取り続けた
  • 3の倍数段目への着手は合計19回

出題のことば(担当 Pontamon)

 解図方針が合っているかどうかを確認できる締め切り前ヒント級の作者ヒントが出されるようです。

作者ヒント

 先手の駒取りは3,5,35,47,49手目、先手の合駒は7,13,21,31,43,51,53手目で、7,21手目は移動合です(はなさかしろう)

締め切り前ヒント

 24回の駒取り王手に玉以外の初期配置の駒19枚では足りないので後手の駒を5枚取って合い駒に使って後手に取らせます。3手目、5手目、47手目、49手目は3段目の歩を取り、35手目は48地点の龍を玉で取ります。7手目の移動合は▲68金で21手目の移動合は▲88銀です。最初の駒打ちでの合い駒は13手目の▲58歩です。49手目に玉で63地点の歩を取って、先手玉はその場で詰まされます。


推理将棋184-3 解答 担当 Pontamon 

※詰上り図、参考図でスペースの関係で後手持駒の一部を省略しています。

▲76歩、△32飛、▲33角成、△42銀、▲43馬、△77角不成
▲68金、△同角不成、▲58玉、△57角成、▲69玉、△47馬、
▲58歩、△同馬、▲78玉、△67馬、▲88玉、△89馬、
▲77玉、△99馬、▲88銀、△同馬、▲86玉、△97馬、
▲77玉、△87馬、▲67玉、△37飛成、▲58玉、△28龍、
▲48歩、△76馬、▲59玉、△48龍、▲同玉、△49馬、
▲57玉、△39馬、▲56玉、△29馬、▲55玉、△19馬、
▲28飛、△同馬、▲44玉、△43銀、▲53玉、△17馬、
▲63玉、△27馬、▲36歩、△馬、▲54歩、△同馬 まで54手


(条件)
・54手で詰んだ
・後手は6手目以降王手をかけ続け、8手目以降駒を取り続けた(6手目△77角不成、8手目△68同角不成の駒取り王手で以降は全て駒取りの王手)
・3の倍数段目への着手は合計19回(初手▲76歩、3手目▲33角成、5手目▲43馬、11手目▲69玉、18手目△89馬、20手目△99馬、23手目▲86玉、32手目△76馬、33手目▲59玉、36手目△49馬、38手目△39馬、39手目▲56玉、40手目△29馬、42手目△19馬、46手目△43銀、47手目▲53玉、49手目▲63玉、51手目▲36歩、52手目△36同馬)

Suiri1843

54手の長手数作に引いてしまいそうですが、条件は手数以外に2つだけ。こんな長手数なのに条件が少なすぎると思ったらメイン条件は連続の駒取り王手でした。中身を見てみると、6手目から54手目までが王手で、8手目以降の王手は全て駒取り王手とのこと。指折り数えてみると、25連続の王手で24回連続の駒取り王手のようです。先手の駒は取られ続けられるようですが、玉以外の先手の駒は19枚しか無いのに24回連続の駒取り王手を実現するには足りない5回分の駒取りのための駒を先手が提供しなければいけません。つまり、先手は後手の駒を5枚取って、どこかで合駒として打つはずです。となると3手目の▲33角成で歩を取ることから始めて▲43馬、▲53馬、▲63馬、▲73馬の順で後手の5枚の歩を入手したいところですが、6手目は王手なので7手目の▲53馬は出来ません。7手目以降、先手玉は逃げるか合駒をする手が殆どのはずなので、王手されて逃げる手で後手の駒を取るしかありません。つまり、先手玉自らが後手陣へ入り込んで後手の駒を取ることになりますが、初期配置で他の駒の利きが無く浮いている歩しか取ることができません。また、後手陣へ先手玉が入る経路の課題もあります。もし△34歩が突いてあれば、▲34玉、▲43玉、▲53玉のように3段目の歩を取りながら横移動ができそうです。3手目の▲33角成で3筋の歩をすでに取っている場合も▲34玉から▲43玉の経路で後手陣へ入り込むことができそうです。5枚の駒取りは解決しそうだと思ったのですが、81の桂が利いているので5枚目の駒取りを▲73玉とはできません。3筋から6筋までの4枚の歩以外にもう1枚駒を取る必要があるので、3手目の▲33角成の次の駒取りを▲23馬とする手順が思い浮かびます。22地点の後手の角は連続王手のために残しておく必要があるので、5手目の駒取りは▲43馬か▲23馬の2択になります。しかし、23地点に先手の馬を残す形では、将来、後手の△23馬などで先手の馬を取る手で王手するなら▲34玉の時ですが、▲43玉と逃げられた後の駒取り王手ができません。となると5手目の駒取りの▲23馬は指せないことになるので5手目は▲43馬で確定です。3手目の▲33角成の王手に△42銀としておけば先手玉が▲44玉で近づいた際に△43銀の駒取り王手に▲53玉と歩を取りながら王手をかわすことができそうです。先手玉が▲63玉に居て△43銀がある状態なので△54馬で詰む形が見えましたが、先手の駒取りは3筋から6筋までの歩4枚だけなのでもう1枚駒を取る必要があります。先手が自力で駒を取る手が残されていないので、後手が王手した駒を▲同玉などで取る手しか無さそうです。かと言って、後手の王手の主力である馬を取ってしまう訳にはいかないので、他の駒での駒取り王手があるはずです。2手目か4手目は△42銀で決まっていましたが、6手目の△77角(成・不成)の王手までに後手にはもう1手あるので2手目に△32飛としておいて、将来、△37飛(成・不成)で7段目の先手玉に王手する手順が良さそうです。

初手からの序は、▲76歩、△32飛、▲33角成、△42銀、▲43馬になり、6手目の△77角(成・不成)から連続王手が始まり、△54馬の詰みを目指すことになります。先手玉を後手陣へ押し上げて行くには、先手玉の縦移動に対して後手の馬が7段目や9段目の初期配置の駒を横移動で取って行く王手が使えそうです。

Suiri1843a参考図の手順はこれらの方針で54手で詰めた手順で、3の倍数段の着手も条件通りに19回だったのですが、最後の54手目の王手が駒取りの王手になっていなく、先手には53手目に▲63玉で取った歩が持ち駒に残ってしまい失敗でした。▲63玉で取った歩を合駒として使う手順にするには▲63玉での歩取りの手をもう少し早目に指す必要がありました。

参考図:▲76歩、△32飛、▲33角成、△42銀、▲43馬、△77角不成、
▲68金、△同角不成、▲58玉、△57角成、▲69玉、△47馬、▲58歩、△同馬、
▲78玉、△67馬、▲88玉、△89馬、▲77玉、△99馬、▲88銀、△同馬、
▲86玉、△97馬、▲77玉、△87馬、▲67玉、△37飛不成、▲58玉、△76馬、
▲48玉、△49馬、▲37玉、△27馬、▲46玉、△28馬、▲57玉、△39馬、
▲56玉、△29馬、▲55玉、△19馬、▲28飛、△同馬、▲44玉、△43銀、
▲53玉、△17馬、▲26歩、△同馬、▲44歩、△同馬、▲63玉、△54馬 まで54手

参考図の手順を多少修正すれば正解に辿りつけそうな気がします。

参考図の手順を見直してみると27手目の▲67玉と逃げた次の王手を△37飛不成としていましたがこの手を△37飛成とすれば、▲58玉と逃げた際の駒取り王手に△28龍が追加されます。参考手順で△37飛不成と指したのはこの後で▲48玉と近づけて▲37玉で飛を取るためでしたが、30手目の駒取り王手が△76馬ではなく△28龍となればその後の手順が変わってきます。参考図の手順では36手目の△28馬で初期配置の飛を取って▲46玉に王手を掛けているので、28手目の△37飛不成から36手目の△28馬までの手順が28手目に△37飛成とした場合は別手順になるはずです。と言うのも、37手目の▲57玉から▲55玉まで先手玉が上へ逃げて行く間に後手は△39馬から△19馬まで9段目を横移動しながら初期配置の9段目の駒を取って行く王手手順に代案が無いからです。

さて、30手目の△28龍の王手への対応ですが、▲47玉や▲57玉、▲59玉、▲69玉などと逃げる手を指すと△76馬での王手が難しくなるので玉を58地点のままにするには残っている持ち駒の歩を打つ合駒しかなさそうです。この先に後手は龍で合駒の歩を取る王手になるので龍で合駒の歩を取る位置が先手の玉と離れてしまうのはうまくないので▲48歩の合駒になるでしょう。次の△76馬の王手には先手玉は▲47玉、▲57玉、▲59玉、▲69玉の4択ですが、▲69玉だと駒取り王手を掛けることができなくなるので残り3つのうちのどれかになります。参考図の手順の28手目から36手目までの間に3の倍数段の着手は△76馬、△49馬、▲46玉の3手でしたが、△28龍以降の手順ではまだ△76馬の1回だけです。△49馬の王手がこの後にありそうですが、この手順だと先手の▲46玉は無理そうです。となると△76馬の王手の応手は▲59玉として3の倍数段の着手を指しておくのが良さそうです。次の駒取り王手は、△49馬か△48龍しかありませんが、先手玉が59地点に居るので△49馬だと▲同玉と取るしかないのでこれはいけません。したがって、34手目は△48龍で先ほど合駒した歩を取ります。59地点の玉は▲69玉と逃げるか▲同玉しかないので▲同玉と龍を取ります。次の36手目は△49馬の王手になり、37手目は▲57玉で参考図の手順の37手目に合流します。しかし、参考図の手順では△27馬で先手の歩を取っていましたが今回は27の歩は健在です。後手の馬の位置も△28馬と△49馬の違いがありますが、37手目の▲57玉と逃げた先手玉に対して△39馬の王手の手順が参考図の流れに合流し、続けて▲56玉、△29馬、▲55玉、△19馬、▲28飛、△同馬、▲44玉、△43銀、▲53玉、▲17馬と進みます。参考図の手順では27地点の歩を34手目の△27馬で取ってしまっていたので△17馬の王手に対しては▲26歩と持ち駒の歩で合駒をしましたがこの修正手順では27に先手の歩が残っているので▲26歩と突いて合駒をする手が可能です。しかし、26地点で合駒をする参考図の手順では54手目に駒取り王手を指せなくなったのでここで工夫ができそうです。それが49手目に▲63玉と指す手です。これだと50手目の王手として△27馬を指せるので、51手目から▲36歩、△同馬、▲54歩、△同馬の54手で詰みとなります。51手目の中合いは▲45歩もできるのですが、▲45歩、△同馬だと3の倍数段の着手回数が足りなくなるので51手目は▲36歩になります。

それではみなさんの短評をどうぞ。

(短評)

はなさかしろうさん(作者)「少し長いですが、作問の経緯です。181-3で連続駒取王手が示され、熱中しました。3手目スタートだとおそらく3~31手目の15連続+2手の33手での詰みが最長連続最短手数のようでした(るかなんさんの181-3コメントと同じ結論のようですね)。そこで、序を長くすることで、①玉方の玉以外の駒を全て取る、または②連続駒取王手のまま詰ます、ことを目指してみたのが本作の発端です。
まず、6手目スタートで①が実現できたので、「46手でステイルメイト/後手の6~44手目は20連続駒取王手/直前の相手の着手筋への着手は16手目が6回目」の条件を付けてみました(Ver.1)。これは王手20回+非王手26回なので来年の年賀推理将棋にしようと思ったのですが、181-3の解答発表があり、解答者の方々のコメントを読んだら矢も楯もたまらなくなり、早々にPontamonさんに解いてみていただくことにしました。
 すると、玉方の左翼を先に取る手順がぴったりであることを教えていただき、手順を組み立てたところ6手目スタートで21連続駒取王手が可能なことが判明。Ver.2としました。ここで更に余詰検討を促していただいたのが効き、収束の緩みを解消しようとしているうちに、6手目を駒取りでなくする代わりに②も実現できることが判明した次第です。 
というわけで本作の作意手順はVer.3。バージョンアップにはPontamonさんの多大なお力添えをいただきましたこと、深く感謝しています。」

■合法手が無くなり沈黙して気配を消すような様子になるのでステルスメイトとは上手い表現だと担当は思い込んでいました。全くの読み間違いでの思い込みだったステイルメイトですが、46手でも年賀推理なら出題できるはずでした。でも更に上を行く54手詰みが出来上がったので出題させていただきました。

NAOさん「スケールの大きな構想作品。連続駒取り王手が24回も続き、それが3,6,9段目の着手だけで限定されるとは驚きです。
先手駒19枚の他、先手からの5枚の駒取り+合駒提供が必要ということだが、連続で行うのは相当難しい。両端の桂香歩の回収と先手の5枚取りの難度が高い。
58と48の歩合が手を繋ぐ巧い協力手。」

■片方へ玉を追いながら王手を掛けて行くと端で詰まってしまうので、端辺りでの折り返しと、角や馬での王手は中央付近で始まるので左右の連絡通路が無くなってしまうので逃げ方や追い方にちょっとした工夫が必要でした。

piyoさん「中間ヒントまでは手つかず。。中間ヒントによって30数手までは正しい方向に進めたのですが、龍を残す筋で考えてしまい手詰まりに。締め切り前ヒントを見て馬で追う筋が思い浮かび解決。
ヒントなしでは無理です!」

■馬の王手から龍の王手に切り替えるのも一案ですが、中央付近の先手の駒を先に取ってしまっていると龍の7段目の横移動て゜の王手が続けられません。

飯山修さん「作者ヒントがかなり作意をばらしてくれているが、43手目の合駒の意味がわからず最終ヒント待ち。するとなんと34手目で龍を献上する手を教えてもらいこれで19から17につながる道が出来た。成生がすべて限定されているしいくつかある変同順が3の倍の段数だけで処理できたのが素晴らしい。」

■43手目の▲28飛の合駒は、9段目の駒取り王手から7段目の駒取り王手へ移行するための協力手でした。

るかなんさん「48玉 49馬 37玉 27馬で繋がるので37飛不成に違いない、と思い込み。
27歩を残すのが最後の鍵。」

■作者ヒントでも締め切り前ヒントでも触れられていない27の歩の扱いが最後の難関だったかも。

RINTAROさん「ヒントなしでは無理です。」

■惜しいところまで解けていると、気分転換に別のことをして、翌日くらいに戻ってくると不思議に見えて来ることがあります。

ほっとさん「これは完全にヒント頼み。それでも後手飛(龍)の取り方に迷い、ようやく手順を発見してからも19回の帳尻を合わせるのが大変だった。」

■△76馬の王手に▲59玉と逃げる辺りが19回達成のカギになっていました。

桝彰介さん「条件は分かりやすいのですが、長手数で分かりませんでした。」

■長手数だと解図欲が削がれてしまうかもしれませんね。

原岡望さん「ヒント頼みです。攻め方の手は限られているので玉の動きがポイントですね。最初3,6,9段目の合計が18手になってしまい6段目を増やそうとして苦戦しました。今月は10日21時半の解答です。」

■▲36歩、△同馬で2回を稼ぐのはすぐに分かるのですが...。先手は玉の手は殆どなので、玉が3の倍数段へ行けそうなところが要注意でした。


正解:9

  NAOさん  piyoさん  飯山修さん  るかなんさん
  RINTAROさん  はなさかしろうさん  ほっとさん
  テイエムガンバさん  原岡望さん


(総評)

飯山修さん「長編作が解けた時の感激は短編よりずっと大きいので多くの解答者がチャレンジしてほしい。今回ぐらい重要なヒントが出されると手を出してみようかという気になるかも。」

■出題のことばでも重要な作者ヒントが出る予告をして、手数だけで諦められないようにしたつもりです。

るかなんさん「長編は初回答かな?ラスト1問に1ヶ月集中できたおかげでなんとかなりました。
(勝手に宣伝)WFPで昨年の作品のお気に入り投票を募集しています。PG部門だけでもご参加いただければ幸い。
https://tsume-springs.com/web-fairy-paradise/fairytopix2024.html 」

■投票締切:2025年5月11日(日)なので今からでも間に合います。

RINTAROさん「今回も何とか全題解答提出できてよかったです。」

■いつも解答、ありがとうございます。

はなさかしろうさん「推理将棋は創作だけでなく発見の要素も大きいと思うのですが、なかでも184-3の、推理将棋の定番の序から自然に手順が続いていく様子は、見つけた、というのが相応しい感触でした。今回は小林看空さんの181-3出題から始まりましたが、出題には会話文が付きますし、その後もヒント、解答者の方々のコメント、担当のPontamonさんとのやりとりなどがあって、「会話型将棋プルーフゲーム」ならではのこのサイトの賑わいに導かれているのだと思います。」

■さらに練り直してオマージュ作を創造していただけるので助かります。

ほっとさん「3・4月は、やることが多くて大変でした。」

■年度末も何かとやることが増えますね。

桝彰介さん「今月は簡単な2問のみの解答でしたが、続けていきたいと思います。」

■出題中の第185回の3作は全て11手ですが、無理矢理、初級、中級、上級に分けていますので、初級と言えども手強いかも。

原岡望さん「詰パラが休みの分こちらは苦労しました。担当の渡辺さん復活で一安心です。」

■年間購読料の振り込みを忘れていたのですが、購読中止の連絡をしないと自動継続だったので助かりました。まだ3年は生きていられると思い、3年分を振り込みました。


推理将棋第184回出題全解答者: 11名

  NAOさん  中村丈志さん  piyoさん  飯山修さん
  るかなんさん  RINTAROさん  はなさかしろうさん
  ほっとさん  桝彰介さん  テイエムガンバさん  原岡望さん

当選: piyoさん

おめでとうございます。
賞品をお送りしますので、賞品リストから選んだご希望の賞品と送付先をメールでお知らせください

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推理将棋第184回解答(2)

[2025年4月23日最終更新]
推理将棋第184回出題の184-2の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第184回出題  推理将棋第184回解答(1) (2) (3)
  推理将棋おもちゃ箱)  推理将棋(隣の将棋)  どんな将棋だったの? - 推理将棋入門


184-2 初級  Pontamon 作  隣のマス           8手

「隣のマスへ駒を動かして先手玉を詰めた8手目は初手の隣のマスだった」

さて、どんな手順だったのでしょうか。

(条件)

  • 8手で詰み
  • 隣のマスへ駒を動かした最終手は初手の隣のマスの手

出題のことば(担当 Pontamon)

 初手を指せる段は2つだけ。その隣のマスへの手で詰むのならどちらの段なのかもうお分かりですよね。

作者ヒント

 横へ動ける駒種は金、飛、成駒しかない(Pontamon)

締め切り前ヒント

 初手は▲68玉なので、78地点の手で詰みます。


推理将棋184-2 解答 担当 Pontamon 

68玉、△34歩、▲76歩、△88角成、▲59金左、△69角、
▲78銀、△同馬 まで8手


(条件)
・8手で詰み
・隣のマスへ駒を動かした最終手は初手の隣のマスの手(初手▲68玉、4手目△88角成、8手目△78同馬)

Suiri1842

Suiri1842a初手を指せる段は8段目か6段目です。もちろん6段目への初手は歩を突く手になります。まずは初手で突いた歩の隣のマスの着手で詰む手順を考えてみます。最終手が6段目の手だと、飛び道具が必要になりそうです。なぜなら、先手玉は9段目か8段目に居ることになりそうだからです。参考図の手順では最終手は初手の▲76歩の隣のマスへの△66桂で先手玉を詰めています。この△66桂は5筋に居た桂を隣の筋へ動かす手なので条件を満たしていると思ったのですが、最終手は隣の筋への手ではあるものの隣のマスへ移動する手でなければいけなかったので失敗でした。初手の▲76歩の隣のマスへの着手で詰ますのであれば角の手順もありましたが、こちらは最終手は持ち駒の角を初手の隣のマスへ打つ手なのでこれも失敗です。▲76歩、△34歩、▲68玉、△88角成、▲59金右、△89馬、▲86歩、△66桂、▲85歩、△86角 まで10手

参考図:▲76歩、△34歩、▲66歩、△同角、▲77桂、△同角成、▲58玉、△54桂、▲48銀、△66桂 まで10手

参考図では6段目の初手の歩突きの隣のマスへの着手で詰む手順を考えたため、手数が8手であることを忘れて手数オーバーの10手になっていたので、最後の手が横移動云々は論外でした。どうやら初手は6段目ではなく8段目のようですが、最終手が横移動の手となるとその駒は金か飛か成駒のいずれかになります。玉尻で金を取る184-1の手筋を使ってみると、▲58玉、△34歩、▲59金左、△77角不成、▲16歩、△59角不成、▲68銀、△78金、▲15歩、△68金で詰むのですが、この手順も10手の手数オーバーでした。後手が先手の金や飛を取れるのは最短で6手目なので、8手目に取った駒を8段目へ打ってから一つ隣のマスへ動いて詰ますと10手になってしまうのは当然でした。つまり、最終手で隣のマスへ移動する駒は後手の成駒になり、初手が8段目なので後手が駒成するのは△88角成の8段目で、最終手の8手目にその馬を隣のマスの78地点へ移動する手で詰ますことになります。初手は8段目の手なので3手目は後手角の利きが88地点へ通るようにする▲76歩です。最終手は△78馬になるので初手は68地点のはずです。△78馬で先手玉が詰むのですから、先手玉は居玉のままではなく、78の馬の利きが届く6筋に居るはずです。78地点は初期配置の状態で玉、金、銀が利いている地点なので△78馬を同の手で取れる状態であってはいけません。また、△78馬を支える駒が必要になりますが、それは4手目の△88角成で取った角を6手目に打てば良いはずです。78地点に利きがある地点へ角を打つのですが、△67角か△69角か△87角か△89角のいずれかになりますが、これら4地点には初期配置の先手の駒があるので後手が角を打てるように事前に移動しておく必要があります。となると、6筋の先手玉は初手では68地点しか行き場が無いので初手は▲68玉になります。

これら諸々のことを満たす手順を考えることになります。初手から、▲68玉、△34歩、▲76歩、△88角成までは確定ですが、5手目は6手目に後手が角を打つ地点を空ける手になります。▲77桂とすれば△89角、6筋か8筋の歩を突くのなら歩を突いた筋の7段目への角打ちになりますが、78地点に利きがある先手の金、銀の処理が必要だったことを加味すると5手目は▲59金左として78地点への金の利きを無くすようにするのが正解で、6手目は金が動いて空いた69地点への△69角になります。7手目は78へ利いている駒で残っている銀を▲78銀と指して88の馬が隣のマスの78へ移動する手の△同馬で銀を取って詰みとなりました。

それではみなさんの短評をどうぞ。

(短評)

NAOさん「馬を寄る手を目指す。59金左がぴったりの協力手。」

■打った角の弱点の腹を塞ぐ協力手が光ってます。

飯山修さん「8手詰過去問で初手8段目かつ最終手8段目隣マスの作品は11個。
そのうち最終手が駒移動の作品は1個のみであとはすべて駒打。
こういうやり方で条件をいろいろ変えて検索すれば新作が作れる可能性があるということか。」

■過去作研究から新作の創作の可能性が見えてきましたね。「条件が違えば新作」の立場から過去作を違う条件で限定できないかを考える手もあります。

るかなんさん「こちらも底角設置がポイント。「隣」の共通点でシンプルに纏まっている。」

■隣の隣が初手の地点でした。

RINTAROさん「条件を1文に詰め込みすぎなので、2つに分けた方がいいかもです。」

■条件数を少なくするためら詰め込み過ぎる癖がついてしまっています。

はなさかしろうさん「スペル詠唱のような条件ですがよく読むとわかりやすく、78への馬寄りが大本命。効率の良い詰み形で好ましいです。」

■友達の友達は友達だ。隣の隣は最初の着手地点だったです。

ほっとさん「8手で1条件(?)は貴重。」

■無理矢理の一文でした(苦笑)

桝彰介さん「締切前ヒントで7手詰に無駄手のパターンでないと気づき、そこから正解にたどり着きました。」

■7手詰+無駄手の8手の場合、詰ます方の手数は4手のままなので無駄手は先手になりますが、7手詰で寄る手の最終手は無いので8手での独自手順になります。

原岡望さん「分かりやすい条件です」

■少し考えると横へ動ける後手の駒は馬しかないことに気付きます。


正解:10

  NAOさん  piyoさん  飯山修さん  るかなんさん
  RINTAROさん  はなさかしろうさん  ほっとさん
  桝彰介さん  テイエムガンバさん  原岡望さん

(当選者は全題の解答発表後に発表)

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推理将棋第184回解答(1)

[2025年4月21日最終更新]
推理将棋第184回出題の184-1の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第184回出題  推理将棋第184回解答(1) (2) (3)
  推理将棋おもちゃ箱)  推理将棋(隣の将棋)  どんな将棋だったの? - 推理将棋入門


推理将棋第184回解説  担当 Pontamon

第184回は11名から解答をいただきました。いつも解答ありがとうござます。
54手の長編にも挑んでいただき感謝申し上げます。


184-1 初級  諏訪冬葉 作  約数             7手

「6月8日:今日は算数で約数を習った。6の約数は「1,2,3,6」、8の約数は「1,2,4,8」でどっちも4つだった。」
「今日はそうちゃんと将棋をした。7手で詰まされた。そうちゃんに「今日は8の約数の筋の手がなかったね」と言われた。すると、横で見ていたたっくんが「全部の手が6の約数の段だったね」と言った。2人には勝てそうにない。」

さて、どんな手順だったのでしょうか。

(条件)

  • 7手で詰んだ
  • 8の約数(1,2,4,8)の筋の手はなかった
  • すべての着手が6の約数(1,2,3,6)の段だった

出題のことば(担当 Pontamon)

 年賀推理では素因数分解の話が2つありました。今度は約数の話題です。

作者ヒント

 実は7手詰めに1筋と8筋の手はありません(諏訪冬葉)

締め切り前ヒント

 別条件の同一手順の先行作が一昨年に出題されていました。


推理将棋184-1 解答

76歩、△52玉、▲33角不成、△51金右、▲同角不成、△72銀、
62金 まで7手


(条件)
・7手で詰んだ
・8の約数(1,2,4,8)の筋の手はなかった(3筋:3手目▲33角不成、5筋:2手目△52玉、4手目△51金右、5手目▲51同角不成、6筋7手目▲62金、7筋:初手▲76歩、6手目△72銀)
・すべての着手が6の約数(1,2,3,6)の段だった(初手▲76歩:6、2手目△52玉:2、3手目▲33角不成:3、4手目△51金右:1、5手目▲同角不成:1、6手目△72銀:2、7手目▲62金:2)

Suiri1841

5筋は8の約数の筋ではないので、7手詰ということもあり、△52玉や△54歩の5筋の手を後手が指せるので▲53銀までの詰み形を考えようと思ったのですが、先手は42地点で銀を入手することができないので、△62銀を取ることにしたのが参考図の手順になります。無事に7手で詰んでいるので解けたと思ったのですが、62の銀を取る際に角の方向転換を44地点でしているので、この▲44角は条件を満たしていませんでした。

Suiri1841aそれならばと、▲97角で▲31角成で銀を取る手順であれば△42銀の手は不要になります。その手順は、▲96歩、△54歩、▲97角、△52玉、▲31角成、△51金左、▲53銀になりますが、8の約数の筋の着手の条件は満たしていますが、もう一つの条件である全ての着手が6の約数の段の条件はクリアしているでしょぅか?6の約数の段は、1段目、2段目、3段目、6段目の4つしかありません。参考図の手順でも31の銀を取る手順でも後手は△54歩を突いているので条件をクリアできていませんでした。

参考図:▲76歩、△62銀、▲44角、△54歩、▲62角不成、△52玉、▲53銀 まで7手

7手詰の手順で出て来そうな地点をおさらいするのが早道かもしれません。後手は歩を突けませんが先手は角が出て行くための▲76歩は突けます。▲96歩も突けますが次の▲97角は指せませんので、先手は▲76歩から角が出て行く手順のはずです。ならば角は何処へ行けるかを確認してみると後手は△34歩を突けないので3手目は△33角で成るか不成にするかです。この3手目には歩を取っいますが後手玉を詰めるために歩は使えないので、次の5手目に金か銀を取って、7手目にその駒を打って詰める手順のはずです。33地点に先手の角か馬が居る状態から金か銀を取るのに都合が良いのは42地点ですが、8の約数の筋の着手ができないので△42金や△42銀を指せません。5手目に取れそうな駒と地点は22の角ですがこれも8の約数の筋なので取る事はできません。となると33の角が行ける地点として51地点があるので、初期配置で51に居た後手玉は2手目に移動して51地点を空けていれば、3手目の▲33角不成の次に先手は▲51角不成を指すことができるので、4手目は51地点で金を差し出す△51金右か△51金左のはずです。5手目の▲51角不成で金を取る手が王手にならないようにするには2手目の玉が移動する手は△52玉になります。つまり、初手からは▲76歩、△52玉、▲33角不成、△51金左か△51金右、▲同角不成と進みます。この51の角が後手玉の両脇に利いているのでどちらかに金を打って詰めることになりますが、42地点の着手はできないので7手目は▲62金です。この金を取れないようにする後手の協力手の△72銀が6手目になります。4手目に51地点へ移動する後手の金は61の金になるので4手目は△51金右となります。

それではみなさんの短評をどうぞ。

(短評)

NAOさん「6筋だけ偶数筋が指せる。」

■8の約数の中で偶数筋になっているのは6筋だけでした。

中村丈志さん「問題だけ読むと難しそうに感じました。」

■7手と短手数ですが、具体的な着手情報が無いので取っかかり難かったかもしれません。

飯山修さん「先月に続き瞬殺」

■29手順すべてをおさらいするまでもなかったですか。

るかなんさん「7手詰のうち、この図と23歩成までの2つは図形的に特異という印象があります。」

■るかなんさんも同一手順の1条件作「167-1 計算ドリル」を作られていましたね。

RINTAROさん「瞬殺でしたが、4筋を使わない手順は珍しいんですね。」

■4筋着手が無い7手詰は3通りのようです。

はなさかしろうさん「実は7手で、4段目または4筋の、4のつく着手がないのはこの手順だけ。条件が手順前後を限定していないのも剪定のポイントですね。」

■あっ、本当にそうですね。これで7手の1条件作が減った?このコメントを忘れた頃に誰かがしれっと作ったら採用されそう。

ほっとさん「暗算だと合っているかどうかチェックが大変。」

■筋と段の両方をチェックする手間が....。

桝彰介さん「一、ニ段目の手が多いので、条件に合う手順を探しました。」

■6段目の手は初手の▲76歩で、3段目は▲33角あたりだとして、あとは1、2段目ですよね。

原岡望さん「条件の確認に苦労します」

■まさか、筋と段の条件に合致する地点を全て洗い出したとか?


正解:11

  NAOさん  中村丈志さん  piyoさん  飯山修さん
  るかなんさん  RINTAROさん  はなさかしろうさん
  ほっとさん  桝彰介さん  テイエムガンバさん  原岡望さん

(当選者は全題の解答発表後に発表)

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推理将棋第185回出題(5月10日まで)

[2025年5月25日最終更新] 185-3解答、第185回出題当選者

185-2の余詰修正

作者のけいたんさんから余詰連絡がありました。粗検、大変申し訳ありません。
下記のように修正させていただきます。

会話に「先手は連続で駒を打ったね」を追加し、条件に「先手は連続で駒を打つ」を追加して余詰修正とさせていただきます。

なお、元の条件を満たしていれば正解とさせていただきます。

(5月3日 Pontamon)


将棋についての話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル、推理将棋の第185回出題です。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

解答、感想はメールで2025年5月10日までにTETSUまで (omochabako@nifty.com) メールの題名は「推理将棋第185回解答」でお願いします。 解答者全員の中から抽選で1名に賞品リストからどれでも一つご希望のものをプレゼント! 1題でも解けたらぜひご解答ください。

推理将棋第185回出題  担当 Pontamon

推理将棋第185回は、けいたんさんからの投稿作品の個展です。古いものは5年前の投稿で、在庫保管庫に眠ってました。
3題とも手数は11手ですが、条件が少ない「両王手まで」を上級にして、具体的な着手情報がある「55角不成2度」は初級に、飛や玉の手の情報がある「角尻に飛で両王手」を中級にしました。


■本出題


■中間ヒント (4月27日 作者)

185-1初級:両王手(けいたん)
185-2中級:桂の手あり(けいたん)
185-3上級:銀の手あり(けいたん)

■締め切り前ヒント (5月3日 Pontamon)

185-1初級:初級も両王手での詰みで、2回目の55角不成が両王手の最終手です。
185-2中級:先手が1段目へ打った角の尻へ飛を打ちます。
185-3上級:最終手は1段目への角成で、最初の1段目の駒成も角成です。


185-1 初級  けいたん 作  55角不成2度       11手

「11手で詰みか」
「4手目と8手目は同じ段の手だったね」
「55角不成が2度あったな」

さて、どんな手順だったのでしょうか。

(条件)

  • 11手で詰み
  • 4手目と8手目は同じ段の手
  • 55角不成が2度あり

185-2 中級  けいたん 作  角尻に飛で両王手      11手

「どうだ両王手11手で詰みだ」
「負けました。角尻に飛の手があったね」
「玉が動いたのまずかったんじゃない」
「先手は連続で駒を打ったね」

さて、どんな手順だったのでしょうか。

(条件)

  • 両王手をかけた11手目で詰み
  • 角尻に飛の手あり
  • 玉が動く
  • 先手は連続で駒を打つ

185-3 上級  けいたん 作  両王手まで         11手

「両王手まで11手で詰みか」
「駒成2回はどちらも1段目だね」

さて、どんな手順だったのでしょうか。

(条件)

  • 両王手まで11手で詰み
  • 駒成2回はどちらも1段目

このコーナーで出題する問題を募集します。入門用の易しい問題を歓迎。作者名、問題、解答、狙いなどを記入して「推理将棋投稿」の題名でTETSUにメール(omochabako@nifty.com)してください。

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推理将棋第183回解答(3)

[2025年3月29日最終更新]
推理将棋第183回出題の183-3の解答、第183回出題の当選者(諏訪冬葉さん)を発表します。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第183回出題  推理将棋第183回解答(1) (2) (3)
  推理将棋おもちゃ箱)  推理将棋(隣の将棋)  どんな将棋だったの? - 推理将棋入門


183-3 上級  はなさかしろう 作  digital steps     16手

「駒が盤上を移動するときの距離のことなんだけど」
「うん」
「測り方が二通りあるよね」
「例えば玉の場合、どの方向でも1マスと数えても良いけれど、
 盤を方眼状に見立てて、縦横なら1、斜めなら√2としても良いね」
「そうそう。後者の場合、桂は√5、竜飛香は最大8で、馬角は最大8√2だね」
「ところでそれ、隣の将棋となにか関係あったの?」
「それそれ。距離1の移動が多かったんだ。
 16手で詰んだんだけど、1マス直上移動は先手1回と後手2回で初回が3手目、
 1マス真横移動は先手2回と後手6回だったんだよ」
「ふうん。後手は全着手距離1の移動だったんだね。
 駒打ちもできないし、真横移動6回だとなかなか攻めても来なさそうだけどな」

さて、どんな手順だったのでしょうか。

(条件)

  • 16手で詰んだ
  • 1マス直上移動は先手1回と後手2回で初回が3手目
  • 1マス真横移動は先手2回と後手6回

出題のことば(担当 Pontamon)

 後手は前進が2回と横移動が6回なので角や桂の出番はありません。どうやって先手玉を詰めるのか。

作者ヒント

 移動距離2以上の手が2回あります(はなさかしろう)

締め切り前ヒント

 66地点と93地点への角移動が移動距離2以上の手。9筋の先手玉が空き王手で詰みます。


推理将棋183-3 解答

▲68玉、△92飛、▲76歩、△62金、▲66角、△72金
▲93角成、△82金、▲83馬、△93飛、▲77玉、△92金
▲86玉、△83飛、▲96玉、△82金 まで16手


(条件)
・16手で詰んだ
・1マス直上移動は先手1回と後手2回で初回が3手目(3手目▲76歩、4手目△62金、10手目△93飛)
・1マス真横移動は先手2回と後手6回(9手目▲83馬、15手目▲96玉)

Suiri1833

Suiri1833a条件をよく吟味してみると、後手の着手は1マス直上移動が2回と1マス真横移動が6回の計8手の後手の全手が指定されていますが、先手の着手については1マス直上移動が1回と1マス真横移動が2回の計3手だけの指定となっています。ということは先手の着手では2マス移動の手や、駒を打つ手を指せるわけです。後手が指せる手だと同じ筋の歩を2回突くと5段目までは行けますが、横移動が出来る駒は中段へは行けないので6回全てが後手陣内になります。後手陣の手だけなのに先手玉が詰まされた過去作にはミニベロ氏の墨守シリーズ(137-3 墨守141-3 墨守2142-3 墨守3)があったのを思い出します。これらの作品では、先手玉が後手陣まで行くのは18手でした。16手の墨守2は二枚角の手筋だったので本問では後手の駒打ちはできません。何にせよ、先手玉とは離れた位置の後手陣の手や歩突きで詰むことになりそうです。玉から離れた地点の着手で歩突きと言えば空き王手の手筋が浮かんできます。そこで考えた手順が参考図の手順になります。先手玉は66地点で最終手は△34歩の歩突きの空き王手です。玉の逃げ場所になる56地点は52の飛で抑え、75地点は先手が駒を打って自ら退路を封鎖し、65地点は最終手以外での1マス直上移動の△64歩を突いて65地点を抑えます。見事に歩突きの空き王手で詰んでいるのですが、先手の着手で指定されていた1マス真横移動の手が一度も指されていないので失敗手順でした。

参考図:▲68玉、△72飛、▲76歩、△62飛、▲44角、△52飛、▲53角不成、△62飛、▲31角不成、△同金、▲77玉、△52飛、▲66玉、△64歩、▲75銀、△34歩 まで16手

△34歩突きの空き王手の手順では失敗しましたが、他の手筋は無いでしょうか。18手作でしたが墨守3では9筋の玉を後手の8筋の飛と9筋の香の連携で詰める形でした。後手の飛の利きを通すために先手は▲83馬で後手の8筋の歩を掃い、9筋の歩を▲93馬で取ったところを△同香で詰めました。後手は2マス真上移動はできないので手順を工夫して、▲68玉、△92飛、▲76歩、△74歩、▲66角、△82飛、▲93角成、△72飛、▲77玉、△62飛、▲86玉、△72飛、▲77桂、△82飛、▲83馬、△同飛で詰んだと思ったのですが、玉の退路封鎖のために77地点を埋めた▲77桂が居るので▲85桂の合い駒が可能なので詰んでいませんでした。

8筋の飛と9筋の香で先手玉を詰める他の手順はないでしょうか。後手の飛の利きを先手陣まで届かせるには83の歩を消去する必要がありますが先手の手順としては先に93の歩を取ってから83の歩を取る手順しか手数的に無理です。▲86玉を詰めるには退路となる77地点を埋める▲77桂が必要でしたが、この▲77桂があるため後手の飛で仕留めることができなかったので、先手玉を9筋で詰ますことになるので、▲93角成で93地点の歩を取ってしまってからの▲83馬では91の香が先手陣へ利いてしまうので先手玉を9筋に配置することができません。91の香の利きを止めておく後手の駒が必要になりますが、1マス真上の手が2回と6回の1マス横移動の手しか指せない後手の着手で91の香の利きを止めることができるのは金が2段目を通って▲92金とするしかありません。後手は駒が斜めに進む手を指せないので、金を92地点へ持って行くには△62金、△72金、△82金、△92金の4手が必要です。先手の馬で83地点の歩を取る▲83馬を指した後で△83飛を指せば9筋の玉が8筋へ戻ることができなくなります。この方針で指せば解けると思ったのですが間違っていました。3手目が1マス真上の手とのことなので初手は玉の手を指す▲68玉で、続いて△62金、▲76歩、△72金、▲66角の5手目まで指した時に愕然としました。82に飛が居るままなので次の△82金を指せません。かと言って、先手が▲83馬を指せるのは▲93角成のあとの9手目になります。△62金の他の1マス真上移動の手は△83飛で先手の馬を取る予定でしたが9手目の▲83馬より後にこの馬を取る手順を見つけ出す必要があります。金移動の手順を見直してみたところ、1マス真上移動の"最初"は3手目とのこと。てっきり初手と3手目の手順前後を限定するための条件だと思ってたのですが、"最初"は初手と3手目の手順前後だけのことではなく2手目に△62金を指すことができない条件でした。でも後手は斜めに動く手は指せないし、2手目に金を横へ動かすこともできません。唯一2手目に横へ動かせる駒は飛だけでした。2手目の飛の1マス真横移動は、その後に金が寄ってくる72地点ではなく92地点でしょう。初手から▲68玉、△92飛、▲76歩、△62金、▲66角、△72金、▲93角成、△82金、▲83馬とすれば9手目に83地点の歩を取ることができます。先手の馬が93地点から83地点へ動いたので2手目に△92飛としていた飛を10手目に△93飛と指せます。11手目は▲77玉なので、12手目に△83飛で先手の馬を取ると飛が8筋の先手陣まで利いてしまうので13手目の▲86玉を指せなくなります。したがって12手目は△92金で、続けて▲86玉、△83飛の王手に先手玉は9筋へ移動し、16手目の最終手は△82金の空き王手で詰みとなるのですが、86地点から移動する9筋の玉位置は95地点と96地点のどちらになるのでしょうか?先手の手順を確認すると、1マス真横移動の手は▲83馬しか指していないので、もう1手1マス真横移動の手を指す必要があるため、15手目の▲96玉が確定します。

それではみなさんの短評をどうぞ。

(短評)

はなさかしろうさん(作者)「墨守シリーズ(ミニベロさん作、137-3(18手)、141-3(16手)、142-3(18手))へのオマージュです。当時この墨守条件にはまりまして、最短はやっぱり16手かな…と。そこで見つけた本手順、せっかくなので条件を人工的な方向にアレンジしました。4年近く経ちましたね。」

■墨守シリーズ出題からもう4年経つのですね。昨年か1年半くらい前のような感じです。

piyoさん「91香に直射させたいけれど塞がないと玉が移動できなくて苦労しました。飛車以外の駒で塞ぐことが浮かんで解決。」

■△92飛で91の香の利きを遮ることはできても飛の利きが先手陣へ届いてしまうので痛し痒し。飛以外で横移動できる駒は玉か金でした。

諏訪冬葉さん「数学的には前者を「チェビシェフ距離」後者を「ユークリッド距離」といいます。
もう1つメジャーな距離として「マンハッタン距離」があります。
飛車の移動距離は変わりませんが、桂馬の移動距離は3になります。」

■碁盤の目のマンハッタン島での道路の移動距離がマンハッタン距離の由来ですかね。

NAOさん「初見66,86,96どれでも詰みそうでちょっと足らず、ヒント待ち。
直上移動2回を飛金1回ずつ使う3段飛車には気がつかなかった。」

■83の先手の馬を取るのが82の飛ではなく93の飛の横移動という意外性が解図を難しくしています。

RINTAROさん「後手の手を考えると9筋の空き王手しかないですよね。」

■空き王手の扉役は金でも玉でも出来そうだけど斜めに進めないので金に限定されていました。

飯山修さん「普通に考えても思いつかない手順だろうと想定し直前ヒントまで待ったところ93角の手が与えられしめたと思った。しかしいざその手順を探しても簡単ではない。2手目が飛車しかないので92飛車でなければならない理由を考えているうちにようやく解に到達。問題文をみて昔若島正さんが提唱していたマキシ詰(縦横より斜めが多い手順が正解)を思い出した。」

■2手目は△72飛か△92飛の二択だけど9筋の空き王手のためには飛を動かさないといけないけど、空き王手の扉役の金が寄って来ているので飛は上へ上がるしかなく、83の馬を取る役割が与えられていました。

ほっとさん「意外と紛れが多く、先手の横1マス2回が満たせずに悩む。」

■参考図の▲66玉を詰める空き王手の手順でも先手の横1マス2回が満たていませんでした。

原岡望さん「ヒントで先手の手はほぼ確定。詰形も分ったのになぜか手順が浮かばず大苦戦。盤に並べてようやく解決。馬の取り方がポイントですね。
「初回の1マス直上移動は3手目」が手順前後を防ぐ巧妙な条件です。」

■飛の1マス真上移動の手で83の馬を取るのではなく、93の飛の1マス横移動で馬を取る取り方でした。

るかなんさん「飛車を寄る手ばかり考えていました。2枚槍を成立させるためのもう1枚が影の主役。」

■飛の横移動の手が1マスに制限されて、タイミングや横移動の行き来を計る問題だと思ったら違ってました。

桝彰介さん「分かりません。後手が1マス移動のみで詰ませるのは、とても省エネだと思いました。」

■1マス移動の前進が多ければ先手陣へ向かってくることを考えれば済むのですが、まさかの横移動6回でした。


正解:9

  piyoさん  諏訪冬葉さん  NAOさん  RINTAROさん
  飯山修さん  ほっとさん  原岡望さん  はなさかしろうさん
  るかなんさん


(総評)

諏訪冬葉さん「羽生九段の降級がショックなのでしばらく将棋から離れるかもしれません。」

■公務中心のフリークラスでも順位戦以外の棋戦参加はできるようなのでタイトル通算100期は目指せるのですね。この結果稿が出る頃にはB級2組にするのかフリークラス入りするのか決まっているのかな。

RINTAROさん「最終ヒントのおかげで毎回楽させていただいています。」

■締め切り前ヒントは締め切り一週間前ですが、ヒント投入後に一題一日で解く換算で3日前のヒント投入だと解図は楽にならないかも。

飯山修さん「パラ3月号推理将棋コーナー休載が気がかり」

■投稿が少なくて3題揃わなかったという理由なら投稿を頑張るのですが....。担当は購読継続をとりあえず1年にしました。(前回は3年だったかな)

ほっとさん「解けていたのに結局ギリギリに。」

■送信忘れがなければOKです。

原岡望さん「今月は9日23時の解答です
詰パラの推理将棋が休みでこれを出すと仕掛中の問題がなく淋しいです。」

■詰パラの推理将棋の休載ですが、「事情により」の事情が分からないので、いろんなことを考えてしまい心配です

るかなんさん「直前ヒントを見て「そこまでは読んでいたのに」となってしまいました。」

■締め切り前ヒントなのにあまり参考にならない場合もありますね。でも、方向性は合っていたと確信を持てるのもヒントになりますね。

桝彰介さん「今月もギリギリまで考えましたが、1問目しか分かりませんでした。
1つでも分かる限り、毎月解答を送ります。」

■出題中の第134回では初級が2題出題されているので、解答者1名確保ですね。


推理将棋第183回出題全解答者: 13名

  piyoさん  中村丈志さん  諏訪冬葉さん  NAOさん
  RINTAROさん  飯山修さん  ほっとさん  原岡望さん
  はなさかしろうさん  Miyaさん  るかなんさん  占魚亭さん
  桝彰介さん

当選: 諏訪冬葉さん

おめでとうございます。
賞品をお送りしますので、賞品リストから選んだご希望の賞品と送付先をメールでお知らせください

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