詰将棋の著作権
[2019年3月22日最終更新]
時折、詰将棋の著作権が話題になるので、ネット上の関連情報をメモしておく。詰将棋は、パズルとしての面、芸術としての面、将棋の練習問題の面など、いろいろな面があるので、どのように想定するかで人により意見が分かれそうだ。個々の詰将棋によっても変わってくるのかもしれない。
パズルでも、文章で書かれたパズルの問題は著作権でカバーとなるだろうが、メカニカルパズルだとアイデアやデザインが重要なので、著作権より特許、実用新案や意匠登録で保護するケースが多そうだ。
著作権法では著作物のことを「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。」と書いている。これもいろいろ解釈の余地があって、実際に詰将棋の著作権で裁判になった例がないので、判例もない。
ただ、詰将棋界は作品のオリジナリティを重視する世界なので、それをないがしろにするような行為をする人は白い目で見られることが多い。そのために逆に法律上の著作権の有無が余り問題にならないのかもしれない。
なお、筆者は法律には詳しくないので、情報は歓迎するが、議論するようなコメントはご遠慮いただきたい。
将棋の著作権はどうなっている?
2019年3月21日、哲学35Lで、将棋の著作権はどうなっている?棋譜・詰将棋などの利用について知的財産管理技能士(二級)として考える
「・・・ 詰将棋や次の一手も著作権と認められるように思われます。 ・・・」
カイト先生の日記の詰将棋
2019年2月12日、おもちゃ箱掲示板で、佐原さん カイト先生の日記の詰将棋
「このサイトの詰将棋はすべて他棋書からの引用で, 本人作品は全くありません. ・・・」
2019年2月12日、TETSU re: カイト先生の日記の詰将棋
「・・・ こういうビジネスサイトで作者名も発表元も示さず自作と勘違いさせるような掲載の仕方をするのはちょっと問題ですね。」
りゅうおうのおしごとに山田康平さんのハート
2018年3月13日、TETSU
アニメ「りゅうおうのおしごと!」第10話では、山田康平さんの立体曲詰「ハート」が登場。今度は作者に了解をとっているのだろうか。
[3月16日追記] かねこきよしさんより、コメントで、「「りゅうおうのおしごと!」第10話は、エンディングの字幕に「協力 山田康平」と入っています。」 と教えていただきました。また、相藤ジャンクさんが、この詰将棋の解説動画を作成しています。
「詰め将棋」アプリ作るために他人の問題を使える?
2018年3月6日、弁護士ドットコムで、意外と悩ましい将棋の著作権、「詰め将棋」アプリ作るために他人の問題を使える?
「・・・ パズルの一種と考えれば、詰め将棋の著作権は認められる可能性が高そう ・・・ 作家の許諾を取りましょう ・・・」
りゅうおうのおしごとにeureka作品が
2018年2月26日、TETSU
詰工房で、アニメ「りゅうおうのおしごと!」の中でeureka作品が2作使われているという話を聞いた。第4局で酒井克彦氏の作品が登場したのは知っていたのだが、その前に創作プログラミング作品11と作品2の二つのeuraka作品が登場しているようだ。
上記で確認したら、確かに登場していた。コンピュータ支援創作の詰将棋が採用されたのはうれしいが、一声かけてほしかったところ。コンテンツを大事にするクリエータの方でも、詰将棋についてはあまりそういう認識がないのはちょっと残念ではある。
(追記)原作のラノベでも図面はでていないが、同じ3作について言及されていることを、おもちゃ箱掲示板で相藤ジャンクさんよりご教示いただきました。ありがとうございます。
詰将棋の問題の掲載許可の取り方
2018年2月1日、弁護士ドットコムで、詰将棋の問題の掲載許可の取り方
「・・・ > 1.詰将棋を無断転載するのは著作権ほか何かの法律上違法なことでしょうか?
著作権法に違反するおそれがあります。詰将棋は立派な文芸上の創作表現なので。
> 1.書籍やネットに掲載された問題を掲載する場合はどのような手続きをとればよいのでしょうか?
掲載元(出版社あるいはネット掲載者)に連絡して、誰の許可を取るべきか(著作権者が誰か)問い合わせることです。 ・・・」
詰将棋の著作権について、昔の全詰連・詰パラ編集部の見解
2018年2月3日、TETSU
昔の詰パラ(1988年11月号)を読んでいたら、田辺重信さんの「知らないことが多くて」という文章が目に入った。「昭和詰将棋秀局懐古録下巻」を発行した際に全詰連、詰パラ編集部に詰将棋の著作権について聞いてみたとのことで、興味深いので一部引用する。
「下巻作成の折に、只、お一人の方から、”-自分の作品を無断で収載するのは面白くない-” と云う意味の電話を戴きました。私は全詰連にも属しておらず、このへんのことは全く解って居りませんでしたので、このへんのことを兼ねて、詰将棋に著作権が有るものなのか、無いものなのか、を、全詰連の総帥鶴田主幹さんにお聞きしました。 (中略) そのお答えは ”詰将棋の著作権は残念乍ら有るとは云えません” と云うことでした。現詰パラ編集長柳原さんにも同様のことをお聞きしたのですが、柳原さんからは、”詰将棋に著作権はありません” と明解なお便りを戴きました。現在、詰将棋界の、おそらくは ”全詰連” にもお入りになって居られるであろう方々からも、概ね ”詰将棋には著作権は無い” という方向でのお便りを頂戴致しました。」
ここでお便りというのは、1988年9月号の田辺氏の「校正恐るべし」に対するもの。
「現在では、詰将棋に著作権は無いので、他作者の詰将棋を自由に用いられても宜しい、と云うお言葉を、鶴田さんからも、編集部からも戴いております。」
そのお便りの一つに次のものがある。
「-明確に著作権ありとは云えないと思います。過去に鶴田さんがS弁護士さんを通じて、いろいろと工作をしたのですが、”著作権らしきものは認められるが、法的にははっきりあるとは断言できない” といった結論になったと思います。」
詰将棋アンソロジーと著作権
2018年1月29日、日記的空間で、スマホ詰パラ好作選出版に関する騒動についての雑感
「宗角さんがスマホ詰パラで2014年~2016年に発表された作品から個人的に選りすぐって、解説をつけて販売することを1月13日に発表した。これに関する一連の流れについて、個人的な雑感を書こうと思う。 ・・・」
2018年1月26日、象棋外典/アポクリファ-Ⅱで、「詰将棋アンソロジーと著作権」に対しての返論
「・・・ 山川悟さんという方がご自身のブログで反論されたようで、興味深く拝見しましたが、疑問に思う点が多く、主に反論する形とはなりますが、順番に考察したいと思います。 ・・・」
2018年1月15日、不況になると口紅が売れるで、詰将棋アンソロジーと著作権
「あの武島広秋氏が「スマホ詰パラ好作選 2014-2016」をまとめられた。 ・・・ しかし本書の刊行を前に、「作者全員に許可を得てから発刊すべきではないか」といった(これはもう、予想手順ではあったが)、クレームのようなアドバイスのような横槍のようなものが入っている。 ・・・」
著作権と詰将棋
2016年2月10日、日記的空間で、著作権と詰将棋
「1.著作権とは何か ・・・ 2.詰将棋は著作物か ・・・」
2017年8月3日、著作権と詰将棋:著作権の制限や他の分野について
2017年8月8日、著作権と詰将棋:法律と法律以外と
詰将棋界の慣習
?年、Wikipediaで、詰将棋より、詰将棋界の慣習
「詰将棋界の独自の慣習があり、例えば新しく創作された詰将棋が将棋雑誌に詰将棋の「作品」として掲載されるかどうかは、慣習によるところが大きい。過去に発表された作品の存在や構想が大きく尊重されており、概ね以下のような慣習となっている。 ・・・」
【将棋×法律|棋譜・戦法・詰将棋・対局プログラムの著作権|賭け将棋×賭博罪】
2013年11月28日、弁護士法人みずほ中央法律事務所・司法書士法人みずほ中央事務所で、【将棋×法律|棋譜・戦法・詰将棋・対局プログラムの著作権|賭け将棋×賭博罪】
「5 『詰将棋』×著作権|著作物として認められることがある
独自に創作した詰将棋の問題は,創作的と言えますので,著作物に該当します(著作権法2条1項1号)。例えば,出版した書籍に掲載されている問題をそのまま他の書籍で流用されたら,著作権の侵害となります。なお,問題の作成が新たな創作ではなく過去の実戦棋譜からそのまま流用したもの(投了図の一部を抜粋)であるとすれば,創作的ではないので著作権の対象とはなりません。・・・」」
2013年8月8日、法律を科学する!理系弁護士三平聡史で、詰将棋×著作権~将棋×サイエンス×法律~
詰将棋の著作権
2012年1月6日、Footprintsで、詰将棋の著作権
「詰将棋は,著作物なんだろうか。本や新聞に載っている詰将棋を,ネット上に無断で掲載したりすることは,許されないのだろうか。 ・・・」
2012年1月8日、オープンソース・ライセンスの談話室で、パズルの著作権、詰め将棋の著作権
詰将棋に著作権が存在しない??
2011年12月5日、Yahoo! 知恵袋で、noname#169167さん 詰将棋に著作権が存在しない??
2011年12月5日、Yahoo! 知恵袋で、noname#169167さん 著作権と民事裁判について
granville2005さん「詰将棋やパズルに<一般的に著作権が無い>と断定するのは正しくありません.問題と解答が一意に決定する単なるアイディアの範囲ではそのように考えられますが,「問題などに個性的な創作的表現がされていれば著作物としての保護が得られます.」次の判例が知られています:・・・」
詰将棋は著作物に該当しますか
2010年10月8日、Yahoo! 知恵袋で、rysyy913さん 詰将棋は著作物に該当しますか。
「詰将棋は著作物に該当しますか。棋譜は著作物ではありません。創作性が作者にあります。 ・・・」
sgx4500さん「棋譜には著作権がなくても、さすがに詰め将棋には著作権があるだろうと思っていましたが、以前、著作権に詳しい文化庁に聞いたところ、「詰め将棋は、将棋と言うゲームのルールを利用したパズルであり、アイディアの一種です。このようなものは著作権の対象になりません。」とのことでした。 ・・・」
詰将棋の引用について、全日本詰将棋連盟の指針
2009年9月、詰将棋パラダイスで、詰将棋の引用について
「詰将棋は作者にとって大切な創作物です。新聞・雑誌や、テレビ、インターネットなど、さまざまな媒体で詰将棋を引用する場合には、次のガイドラインを守っていただくようにお願いいたします。
*作品の正確な出題図を示す。
*作者名をフルネームで表記する。
*作品の発表場所や発表年月などのデータをつける。 ・・・」
詰将棋の著作権・オリジナリティーについて
2006年9月10日、将棋雑記で、詰将棋の著作権・オリジナリティーについて
「・・・ 前から気になっていたのですが、よく解らないのが保育園と幼稚園で、毎号同一手順がある作品が載っている。初級と名打ってますが、パラ買うような人でどれだけ初心者がいるのでしょうか?まあ100歩譲ってそういう人が多数いるにしても、詰将棋の専門誌で毎号著作権を無視したような作品を載せ続けるのは、どんなもんなんだろうか? ・・・」
詰将棋の著作権について 東京詰将棋工房 金子清志さん
1997年8月18日(一部改定1998年1月1日)、東京詰将棋工房で、詰将棋の著作権について
「・・・ 現在のところ、詰将棋が著作物であることを示す法律その他の規定や、詰将棋の著作物性が争点となった判例はありません。しかし、以下の理由から詰将棋は著作物であると推定され、同時に私たちは詰将棋が著作物であるという立場をとっています。 ・・・」
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