大会アルバム(7)詰-1グランプリ
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[2010年7月27日最終更新]
第26回詰将棋全国大会 大会アルバム(7)詰-1グランプリ
NHK衛星第二テレビの正月恒例の番組、大逆転将棋の中で行われている100題の詰将棋の解答スピードを競う詰-1グランプリ。2010年は宮田敦史五段(前回優勝)、広瀬章人五段(新人王)、竹中健一(アマ名人・解答王)、上田初美女流二段が出場して、宮田五段が連続優勝。この番組と同じように会場内に詰将棋を並べた4つのコースが作られていく。
今回は1手詰、3手詰と順に手数が増え、15手詰までの8題。それなら簡単というなかれ、なにしろしょっぱなの1手詰からしてこんな問題なのだ(馬屋原剛さんの作品)。これをスピード競争のプレッシャーの中で短時間で解かなくてはならない。
作者は馬屋原剛、近藤郷、芹田修、柳田明、谷口均の各氏。この難コースを舞台に、解答選手権優勝のプロ棋士2名に詰パラ解答強豪2名が挑む。
解答選手権7回中5回優勝のスーパーあつし君こと宮田敦史五段、第4回解答選手権優勝の北浜健介七段、今年も含め看寿賞8回受賞、若島正解答選手権実行委員長、解答選手権で常にアマトップクラス、竹中健一元アマ名人という、超解答強豪4人。まさに夢の対決だ。開始直前、まだ問題を見ないように横を向いている4選手と司会の柳田さん。
最初の1手詰に取り組む若島さん「全国大会というより残酷大会という気がするんですが」
各選手に判定員が一人づつ付き、選手が手順を並べると正解(○)か不正解(×)を提示する。不正解の場合は判定員が初形に戻し再挑戦。
1手詰では、宮田五段、竹中さんがお手付きする波乱のスタート。北浜七段も指そうとして逆王手の受けに気づく。
9手詰を考える竹中さん「詰パラ解答強豪ということで選ばれてしまいました。若島さんと対戦できるのは一生の記念です」
静まった会場に判定員の「正解です」の声だけが響く。
4選手譲らず、激しい競り合い。横一戦から宮田五段が僅かに先行する展開。
順調に解き進んでいたが、11手詰で「不正解です」の判定に、思わず「ナニ~!」 。手順前後のワナがあったようだ。
ラス前、13手詰に1番乗りは宮田五段「若島さんと対決できるとは思ってもいませんでした。楽しみです」
柳田「そろそろ鬼のような作者が・・・」
この問題が心臓破りの丘、谷口さんの作品。
このデッドヒート、宮田五段が抜けた!
最終問題で大逆転はあるのか。
「正解です」
宮田五段、最後の15手詰も解いて優勝!
会場からの拍手に笑みが浮かぶ。
柳田「生の迫力がありましたね。結局前評判通りスーパーあつし先生がみごとに1位でゴールということで、どうもおめでとうございました。若かりし頃だったらたぶん一番早かったのは若島さんだったと思います。」
北浜「芹田さんに不正解ですといわれて思わず「ナニィ」と声がでて・・・。解けたって感触があったんで「不正解かぁ」と。楽しかったです。」
竹中「あせって解くと間違えるような作品ばっかり。結果は私は全然だめで。でもみなさんに楽しんでいただけたかな。」
宮田五段「このような競争を開いていただきありがとうございます。優勝できたのはうれしく思います」
解答タイムは8問で14分23秒。
今回の問題は詰将棋パラダイスに掲載される予定とのことなので、腕に覚えがある方はぜひ挑戦されたい。
(大会アルバム(8)詰将棋ダービー に続く)
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