くるくるシアターの舞台裏(詰将棋の連続鑑賞)
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[2010年9月25日最終更新]
2010年7月、町田市で行われた第26回詰将棋全国大会では、コアな詰将棋ファンだけでなく、子供、女性、初級者などを含めてみんなが楽しめる交流タイム(詰将棋まつり)が設けられました。詰将棋サイトおもちゃ箱が、その交流タイムの企画として提供したのが「くるくるシアター」。おもちゃ箱の中のやさしい趣向詰のコーナー「くるくるおもちゃ箱」で出題された123題の楽しい趣向詰を正面の大スクリーンで一挙に鑑賞しようという企画です。幸い、詰将棋をあまり知らない方にも、詰将棋マニアの方にも好評で、みなさまに楽しんでいただきました。
全国大会などの詰将棋の会合で、くるくるシアターのようにBGV代わりに詰将棋を続けて流したりしたいこともあるかと思います。また、自分のパソコンで好きな作家の作品をまとめて鑑賞しても楽しいですね。そういう方のために、どのようにしてくるくるシアターを実現したのか、その舞台裏をお見せします。
なお、くるくるシアターでは、柿木義一さんのKifu for Windowsを使用させていただいています。柿木さんには、くるくるシアターを実現するためにアドバイスやKifu for Windowsの改良など多大なご協力をいただき、本当にありがとうございました。
今回、試行錯誤でいろいろやってますので、必ずしもいいやり方とは限りません。こうした方がいいなどありましたらコメントでご教示ください。
関連情報: 第26回詰将棋全国大会 大会アルバム(2)交流タイム くるくるシアター
くるくるおもちゃ箱 (おもちゃ箱) 柿木の将棋ソフトウェア
1.鑑賞用のフォルダを作る
くるくるシアターでは c:\kt というフォルダを作りました。
2.Kifu for Windowsの最新版(現在6.40)をダウンロード
柿木の将棋ソフトウェアからダウンロードして解凍し、Kifuw.exe を上記フォルダにコピーします。
3.詰将棋を用意する
鑑賞する詰将棋を用意します。1作ずつ、柿木将棋のkifファイルの形式でファイルを用意します。kifファイルはKifu for Windowsでも柿木将棋でも作成できます。作成したkifファイルは上記鑑賞用フォルダに入れておきます。
kifファイル作成時のポイント。
・最初の局面にタイトル情報をコメントで入力 「くるくるシアター 1 おかもと」 など
・最後の局面にコメントを付ける 「▲8五金打まで21手詰」 など(詰上り図を何秒か表示させるため)
・編集メニューの詰将棋情報で、作品名、作者、発表誌など入力(右上に表示される)
4.大きな駒フォントを用意
Kifu for Windows標準だと盤面が小さいので、大きい駒フォントを用意します。今回は柿木将棋VIIIに含まれている 特大_柾目_一文字.bmp を使いました。フリーの駒フォントもいろいろな人が作っているようなので、柿木将棋をお持ちでない場合は柿木の将棋ソフトウェアのリンク集から探してみてください。
5.表示の設定
鑑賞用フォルダにコピーした Kifuw.exe を起動し、表示メニューで設定を変更します。
・色の設定はお好みで(くるくるシアターでは背景色などを変更)
・フォントの設定で、情報フォントとコメントフォントを適当に大きく設定(18と32ぐらい)
・盤・駒の設定で、外部駒使用をチェック、参照で上記の大きな駒フォントを選択
・棋譜ウインドウで、表示のチェックをはずす
・棋譜コメントで、コメントウインドウに表示する を選択
Kifuwを起動している状態では上の方に操作用のメニューがでていますが、自動鑑賞時には不要なので、ここにコメントウインドウをかぶせて隠しました(画像参照)。隠したとき、終了するには Altキー+F でファイルメニューを出して終了を選択します。
6.再現速度の設定
ツールメニュー(Alt+T)の、各種設定の再現タブで設定を変更します。今回は初心者向けということでゆっくりめの時間設定に。ここはお好みで変更してください。
・再現速度 1000ms
・コメントで停止 指定時間停止 4000ms
・アニメーション 普通
7.背景画面を用意
開始時、および次の作品に移る間表示する画面を用意。
今回はPowerPointで作りましたが、(アイコンなど適当に整理すれば)壁紙自体を使ってもかまいません。
自分のパソコンで鑑賞するだけなら背景画面はなくても問題ないので、このステップは省略できます。
でも全国大会での上映となれば、やっぱりこのぐらいのタイトル画面はほしくなりますよね。
8.バッチファイルを用意
Kifu for Windows自体には連続再現の機能はないので、バッチファイルで作りました。これも鑑賞用フォルダに入れておきます。
バッチファイル(c:\kt\kt.bat)の内容は次の通り。
@echo off
cd c:\kt
ping localhost -n 10
for %%A in (*.kif) do (Kifuw.exe /a%%A
ping localhost -n 4)
最初と次の作品に移るときの待ち合わせはpingを使いましたが、ここはもっとスマートな方法がありそうです。
9.画面の解像度を調整
Kifu for Windowsのウインドウが画面いっぱいになるように、画面の解像度を調整します。
ここも自分のパソコンで見るだけなら適当で可。
10.鑑賞開始
大きなスクリーンに映すときはプロジェクタにパソコンをつないで準備しておきます。
PowerPointをスライドショーで起動、または壁紙設定などで、背景画面を表示します。
この状態でバッチファイル(c:\kt\kt.bat)を起動し(PowerPointの場合はスライド内にリンクを埋め込みました)、バッチの実行が始まったらDOSのウインドウは最少化して隠します。
これであとは鑑賞するだけです。
11.おわりに
ふぅ。書いてみると案外大変ですね。柿木将棋9で連続鑑賞機能が搭載されるのを期待しましょう(柿木将棋VIIIでも連続解答、連続余詰検査の機能はあります)。Web上で連続鑑賞ができるFLASHとかあれば、アートシアターとか、気軽にいろいろ楽しめてうれしいかも。
上記の説明、わかりにくいところもあると思います。実際にやってみて不明点などありましたら、コメントかメール(omochabako@nifty.com)で質問してください。
(おもちゃ箱 TETSU)
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