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[2011年7月21日最終更新]
第27回詰将棋全国大会 大会アルバム(4)看寿賞・七條賞表彰
看寿賞選考委員会柳田委員長より選考経過の説明。
「今年は短編、中編は票が分散しまして、その中で受賞しました井上さん、添川さんの作品は7票満票で決定しました。」
平成22年度看寿賞はこの2作。いずれも長編賞。
井上徹也さん「シンメトリー」 501手
詰パラ2010年7月号大学院
添川公司さん「奇兵隊」 123手
詰パラ2010年11月号大学院
柳田委員長による受賞作品の解説。まず、井上さんの「シンメトリー」。
「タイトル「シンメトリー」。生飛車と馬のコンビで追いまわしますが、2筋と8筋で馬の空き王手が左右対称で生じます。ほとんど対称形ですが、43とのあと32歩を取らないと
63とが取れない仕組みになっています。34玉の変化が32歩が残っていると打歩詰で詰まないためです。」
「龍追いのように一定の軌道で繰り返しているんですけど、その複雑さが尋常じゃないですね。やっと(383手目)81桂が取れて69桂と打つと、77に玉が行けなくなります。もう1サイ
クルまわると77に行けないので収束します。この機構で誰が500手超えを想像したでしょうか。とても見事な作品です。」
続いて添川さんの「奇兵隊」を解説。
「詰上り四桂詰を全駒でという、添川さんの得意の煙詰の技術を発揮した作品です。序の63歩消去の伏線は54手目67歩合の変化で67歩を打つ必要があるためです。ここから18、29、28と下段に3枚桂を打って跳ねていきます。」

「ここまで桂を跳ねさせるのが全駒を消去する過程でどうして入るんでしょう。煙らせる技術では古今東西を通じて間違いなく第一人者ですね。とても素晴らしい作品です。」
柳田看寿賞委員長より、長編賞井上さんに賞状と副賞の授与。
「平成22年度長編部門において最優秀作品に選ばれました。ここに詰将棋看寿賞を贈り永くその栄誉を讃えます。」
添川さんは残念ながら欠席のため、角さんが代理で受賞。
添川さんのコメント「全駒使用の純四桂詰は創作初期のころから作りたかったテーマであり、その理想の姿は桂を最大限に活用する作品と考えていました。全駒配置にしただけにならないように苦心しました。一つは67桂合であり、もう一つは63歩消去の伏線です。これで序盤、中盤、四桂詰が一本の線でつながり作品の完成度が高まったと思います。ありがとうございました。」
井上さん「中学生の時に詰将棋の魔力に引き込まれてしまって、創作を始めて13年、詰パラに投稿してからはちょうど10年になります。そういった節目の年に歴史のある賞をいただいて大変光栄です。この構想は10年ぐらいかかりましたが、あきらめずに考え続けたことが今回の受賞につながったと思います。あきらめなければ夢への道につながっていくということがよくわかりました。ありがとうございました。」
続いて七條賞の表彰式。福村さんが6年連続満点で1位。2位は野口さん、3位は斉藤さん、日下さん。5位は永島さん、国兼さん。
残念ながら上位の方が出席されていないため、水上社長より代理で筒井さんに表彰状を贈呈。筒井さんは次回の長野大会を中心になって運営することになっている。
8位須川さんのメッセージを山本さんが紹介。
次は10回参加者表彰。これまで9回参加は8名。その中で今回、佐藤さん、須藤さんが出席、猪股事務局長より記念のメダルを授与された。
佐藤さん「初参加のとき小さかった娘が6年生になりました。その間海の日にずっと全国大会に参加してよかったのかどうか・・・。谷川先生は誕生日が同じ。一つだけ上回ったのがこのメダルです」
須藤さん「まだしばらく詰将棋パラダイスを楽しんでいきますので、よろしくお願いします」
ここでアトラクションまでしばし休憩。特別懸賞詰将棋、握り詰投票、書籍、チャリティなど、休息時間も忙しい。
(大会アルバム(5)ミニ解答選手権 に続く)
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