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2015年7月23日 (木)

大会アルバム(3)看寿賞表彰

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[2015年7月23日最終更新]

第31回詰将棋全国大会 大会アルバム(3)看寿賞表彰


Zt31c01 表彰状授与に先立ち、柳田看寿賞委員長より受賞作の解説。2014年度は短編中編長編すべて2作ずつ受賞

吉松「簡単な看寿賞の解説のパンフレットを入れていますので、そちらもごらんください。」

柳田「作品解説、大量の6作なんで、説明ははしょるような感じになりますが、吉松さんに解説稿の抜き刷りを作ってもらました。おもちゃ箱のものも入っております。」

Zt31c02 短編賞 宮原航作 11手 図面 棋譜 鑑賞
(各作品の図面画像、棋譜ファイルは詰将棋パラダイスより、手順の鑑賞は全詰連より(要Java))

「ポンと馬を引きまして焦点の中合が香合となります。一番誤解者が多かったのが35銀合の変化。37馬と引く筋が常に生じるのでわざわざ馬を57に引いて焦点に中合をさせる。」

類似作ではないが、構成が似ている作品として小林敏樹作を参考に紹介。

Zt31c03 短編賞 真島隆志作 11手 図面 棋譜 鑑賞

「半期賞を逃していて、金合をすぐ取ってしまうのがつまらないと書かれましたが、頭の4手で42歩が43に上がることで次の72香成を同玉の変化の不利感が非常に増してると思います。腹金捨てから63馬と飛び込む筋も検索するとないみたいで、収束5手だけでかなりの発見。非常に切れ味が増した。」

Zt31c04 中編賞 井上徹也作 43手 図面 棋譜 鑑賞

「連続5連歩合。上田・若島さんの作品が発想の元になったのではないかと。後半は歩を消去するだけですが、最短距離でうまくまとめています。横3筋の飛の空王手の序はだいたいつぶれるので、初手だけでも価値があると思います。連合の仕組み、一つサボるとどうなるか。98馬から89馬で香合が1枚しかないので詰む。仕組みが明快で、誤解者ゼロもなかなかありえないことだと思います。」

Zt31c05 中編賞 相馬慎一作 45手 図面 棋譜 鑑賞

「不利合駒の軽趣向といったらいいのかな。この局面で角を持っていても飛を持っていても打歩詰になるというのが角合も飛合も不利合駒が同じ舞台で成立させられるという一つの発見だったわけですね。打ち替えて再び不利合駒というのがすばらしい発想。結果52にいた桂馬が64に跳ねて76まで跳ねました。最多不利合駒の記録かも。調べてないのでわかりませんが。相馬さんというと解答者に挑戦するイメージがありますが、これは軽みが前面にでていて楽しい詰将棋です。」

Zt31c06 長編賞 糟谷祐介作「百千帰」 403手 図面 棋譜 鑑賞

「とうとうインターネットから看寿賞受賞という作品がでてしまいました。龍の王手に金合でぐるぐると5回転弱。昔浅井和吉さんという方が根性で2回転させたのですが、作者のことばで10回転も可能かなと。1方向の回転趣向自体が空前絶後、いや絶後ではないですね。何がすごいかというと左上の隅の機構が傑出していると思います。収束も大駒2枚を切って、奇跡のような作品。」

詳しくは2014年新春特別出題おもちゃ箱)を参照。

Zt31c07 長編賞 添川公司作「枯野行」 147手 図面 棋譜 鑑賞

「売りとしては最下段で金合を繰り返すところ。作者に聞いてみるとここから作り始めたようですね。中編でまとめる案もあったと書いていましたが、ここから龍と飛の縦追いに、そして煙詰の収束まで正算式で強引に作ってしまった。玉の軌跡が盤上逆のの字で通常の煙詰の玉の動きとしてはありえない。非常にスピーディーで玉の軌跡もすばらしい。」

Zt31c08 受賞者のうち、全国大会に参加している宮原さん、真島さん、相馬さんに、柳田看寿賞委員長より賞状と副賞を授与。

「平成26年度詰将棋看寿賞 短編賞。宮原航殿。あなたが詰将棋パラダイス平成26年4月号中学校に発表された11手詰は、平成26年度短編部門において最優秀作品に選ばれました。ここに詰将棋看寿賞を贈り、永くその栄誉を讃えます。」

Zt31c09 短編賞 宮原航さん。
「詰将棋パラダイスに初入選したのが3年前の2012年3月。そのちょっと前ぐらいから、僕自己顕示欲が強くてその上すぐ熱くなれる性格で、作品を出す前からブログとか始めちゃって。当然その頃は技術もなかったので、ぼろくそに叩かれてはめっちゃ熱くなって、もっといい作品を作ってやるぞとか思っているうちに、こうして看寿賞をいただけて。非常に幸運だと思います。僕が受賞したことで、何事も夢中になれば、なにかしらいいことが起こるということを示せたんじゃないかなと思います。本日はありがとうございました。」

Zt31c10 短編賞 真島隆志さん。
「受賞通知を柳田さんからメールでいただいて、3年前の看寿賞に余詰かなんかあってとか思ったりしたんですけど、よく見たら受賞ということで本当にびっくりしました。作品としては序の金合から始まって、72香成の中心の一手、収束と、すごい自分的にも好きな作品でしたので、大変うれしく思います。これからも好きな作品を創作発表できたらなと思いますので、よろしくお願いします。本日はどうもありがとうございました。」

Zt31c11 中編賞 相馬慎一さん。
「作品に関しては素材が90%ぐらい、残りが作者の力10%ぐらいだと思っているので、今回は本当にラッキーでした。ありがとうございます。」

Zt31c12 受賞者3人並んで記念撮影。

吉松「ほかにも撮りたい方いたらどうぞ撮ってください。どうぞ真ん中の方へ。」

看寿賞のつぎは七條賞、門脇賞、参加10回表彰と各種の表彰が続く。

大会アルバム(4)各種表彰など に続く)

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