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2017年7月16日 (日)

TETSUの全国大会レポート

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[2017年7月20日最終更新] 将棋の自動解説について追記

2017年7月16日、愛知県産業労働センター(ウィンクあいち)で行われた第33回詰将棋全国大会の速報。リアルタイム速報はそろそろ厳しくなってきたので、楽しみにしていた方には申し訳ないが、今回は終了後の速報にする。ご了承いただきたい。

このブログも、そろそろ全詰連に引き継ぐ時期かも。

関連情報: 第33回詰将棋全国大会ご案内  平成28年度看寿賞
  平成28年度門脇芳雄賞  第14回詰将棋解答選手権  短編名作選プロジェクト


2017年7月16日 17時15分~ 懇親会

懇親会は酔っ払いモードなので、レポートは割愛。写真は全国大会アルバムに掲載の予定。懇親会の後も三々五々近くの店に。宴はまだまだ続く。

TETSUのレポートはこれにて終了します。読んでくださった皆さん、ありがとうございました。参加者各氏のレポートは第33回詰将棋全国大会レポートで順次リンクしていきますので、そちらもお楽しみください。

2017年7月16日 16時20分~ 記念撮影

今回の大会は大盛況で、名古屋大会では最多の133人が参加。写真も1回では入り切らず、2回に分けて記念写真を撮影した。後に全国大会アルバムでアップする予定なので、お楽しみに。

2017年7月16日 16時15分~ 一人だけ一言

予定では一人一言だったが、クイズの時間が押したため、「一人だけ一言」に。全国大会最多参加(29回目)の金子さん、高見さんから一言。

金子「最多だけがとりえの金子です」
高見「29という数字は皆さんご存知だと思いますが、並びました」

2017年7月16日 15時15分~ クイズ百人位に聞きましたみたいなもの

「クイズ百人に聞きました」の詰将棋版。といっても詰将棋を解く力は全く関係がない。みんながどう考えたか推測する力が重要。

受付時のアンケートに基づいて3人1チームでA~Dの4チームを結成。リーダと地元の人とその他の人という3人でチームを構成する。A対B、C対Dで勝ち残ったチームで決勝戦。まずはAチーム対Bチーム。

Aチーム リーダ:山路さん 地元:福原さん その他:武石さん
Bチーム リーダ:馬屋原さん 地元:矢込さん その他:前田さん

準備に手間取り、時間があったので、馬屋原「デパートに投稿を」 山路「とり研に参加して」 などいろいろアピール。ちなみに山路さんは卒業して来年は名古屋に。

さて、第1問 詰将棋の解答王といえばだれ 答えは17個
上位3つは 28票:福村さん 20票:竹中さん 13票:藤井さん それ以外から答える。
解答がリストに入っていれば、その票数が得点に。ただし1票の場合には10点ゲット。
入ってなければ、その人は解答権を失う。

Bチーム先攻で、まずは馬屋原さんから。第2問はAチーム先攻で合計点の多い方が勝ち。

B 馬屋原 「宮田先生」 5票 5点獲得
A 山路 「加賀さん」 1票! 10点獲得
B 矢込 「谷川先生」 0票
A 福原 「池田さん」 0票
B 前田 「斎藤慎太郎先生」 1票 10点
A 武石 「船江先生」 0票
B 馬屋原 「石黒さんで」 石黒「は?」 0票
A 山路 「北浜先生」 1票 10点
B 前田 「黒川三段」 0票
A 山路 「佐々木先生」 0票 残念

ちなみに残りの解答は4位6票で七條さんなど。1票には柿木将棋も。

第1問はAチームが20点でBチーム15点。この差ではまだわからない。

第2問「愛知県の詰キストといえば誰」。今度はAチーム先攻。
上位3つは 22票:服部さん 16票:藤井さん 9票:水谷さん。残りは全部2票以下とか。

A 山路 「ちょうちんさん」 1票 10点
B 馬屋原 「山路さん」 Pathfinder 1票 10点
A 福原 「福原」 0票 「自分の名前をいうのもあり」とか司会者がいってたけど・・・
B 矢込 「わかりません」
A 武石 「石黒さん」 1票 10点
B 前田 「わからない」
A 山路 「鳥本さん」 1票 10点
B 馬屋原 「堀内さん」 1票 10点
A 武石 「川島さん」 0票
A 山路 「関さん」 2票 2点
B 馬屋原 「鷲見さん」 0票
A 山路 「鈴木さん」 1票 10点

ほかにも伊藤さん、植田さん、酒井さん、鶴田さんなど多数
1回戦はA山路チームの勝ち。

続いてCチーム対Dチーム。

Cチーム リーダ:久保さん 地元:鷲見さん その他:谷川九段
Dチーム リーダ:廣瀬さん 地元:井上さん その他:竹中さん

1問目はDチーム先攻で「指し将棋の強そうなアマチュアの詰キストといえば誰」。
上位3つは17票 井上さん 15票 水谷さん 12票 竹中さん。

D 廣瀬 「若島さん」 10票 10点
C 久保 「長谷川さん」 1票 10点
両チーム譲らない出だしだが、あとは苦戦。Dチームが菊田さん4票、Cチームが山田さん4票をあて、14点対14点の同点で2問目に。

2問目はCチーム先攻。「詰将棋作家としても有名なプロ棋士といえば誰」
上位3つは18票 谷川九段 12票 二上九段 11票 塚田名誉十段。

Cチームが浦野八段10票、伊藤果八段7票、内藤九段8票とあてれば、Dチームも藤井四段5票、中田七段2票、勝浦九段3票と、全員があてる展開。得点では25点対10点とかなり差がついた。

以下鷲見さんが伊藤看寿1票10点、升田名人1票10点とダメ押しのポイントを重ね、Cチームの勝利、Aチームと決勝戦。

決勝1問目「詰将棋を掲載している新聞・雑誌といえば」
上位3つは 34票 詰パラ 9票 徳島新聞 7位 夕刊フジ

Cチームは谷川九段が文藝春秋1票10点「私が出してます」、毎日新聞5票、産経スポーツ4票と得点を稼ぎ、24点、しかしAチームは福原さんの近代将棋2票、週刊将棋1票10点、中日スポーツ6票や、武石さんの読売新聞1票10点が大きく、32点とリード。

決勝2問目「2問目 詰将棋が盛んな都道府県といえば」
上位3つは 23票 東京 11票 大阪 10位 鳥取。

両チームとも1巡目は全員があてたが、Aチーム:京都9票、愛知9票、岡山1票10点の合計28点と大量得点、Cチームも長野1票10点、兵庫3票、北海道7票と健闘したが合計20点で、差を広げられた。2巡目山路リーダの神奈川6票がとどめの解答となり、そのまま押し切ってAチームが優勝!

山路 「うれしかったのは詰将棋が盛んな県で鳥取県が3位ということ。これからも創作を頑張りたい」
福原 「新聞雑誌のところでは活躍できたかな」
武石 「お二方のおかげで優勝できてよかったです」

3人への賞品は3冊限定藤井四段のサイン入りの「詰将棋解答選手権2017」。さらに図書カードも。

2017年7月16日 14時30分~ 解答競争

第二部の初めは恒例の全員参加の解答競争。優勝者への賞品として、谷川九段がサイン入りの「月下推敲」を提供。果たして誰の手に。

30問の1手~5手詰を15分でできるだけ解いて初手を答える。
最初の10問は3手詰。最初の3問は3択。
次の10問は5手詰。最初の3問は3択。
最後の10問は1手~5手だが、なんと不詰もあるかもとのこと。不詰だと思ったら「不詰」にマルを付ける。
初手だけあっていれば正解だからヤマカンでもいけそうだが、正解は3点、不正解はマイナス1点、書かなければ0点なので、勝負をかけるか悩ましい。

問題が配られ、「5秒前、4、3、2、1、スタート」。皆一斉に問題用紙をめくる。一挙に試験会場のような雰囲気に。どの10問も最初のうちは駒数も少なく比較的素直だが、しっかり誘い手も用意しているところはやっぱり香龍会。だんだん駒数も多く、盤面に広がる問題も出てきて、全問正解はかなり大変そう。

「5分経過」 「10分経過、残り5分です」
「有力選手もまだ終わってないようです」
「見直しに入っている選手が・・・」
「残り3分です」 「残り1分です」
「50秒、1、2・・・9 時間です」

正解が配られ、周りの人と交換して採点。 「あーっ」と声があがる。恐ろしい偽作意のある問題があったようだ。上位7名まで賞品がもらえる。

「30点以上の方、ご起立ください」 「まだまだ大勢おられますね」
「40点以上の方、お残りください」
「50点以上の方、お残りください」 「16人。まだいますね」
「55点以上の方、お残りください」 「10人。壇上にお並びください」
「55点の方」 2人「帰ります」 「すみません、ご足労を取らせまして」
「56点の方」 谷川九段「雑な扱いをしていただいてありがとうございます(笑)」
なんと谷川九段でも賞品獲得ならず。ハイレベルの戦いだなあ。
「57」 「58」 「59」 谷本さん「まだ若手」、横内さん「この前新人コンクールで驫飛龍という名前で入選させていただきました」
横内さんは親子で参加、「裸玉」Tシャツの息子さんの方が6位タイで堂々賞品獲得。詰パラに入選、おもちゃ箱にも解答メールをいただいた。これからが楽しみだ。
「60」 「61」 「62」 「63」 5位 船江六段「最後のページまで辿りつけなかった」
「64」 「65」 「66」 「67」 4位 柳田会長「名前ばっかりの会長じゃないところを見せた」
「68」 「69」 「70台」 3位 竹中さん「3問間違えて78点。善戦したと思います」
「80」 「81」 「82」 2位 宮田六段「2問間違えてしまいました。残念です」
藤井四段が優勝! 「86点でした。3手詰の最後の問題で見事に引っかかってしまいまして。いややられました」
藤井四段も間違えた第10問。なんと83飛不成という打歩詰回避の妙手が偽作意とは。はたして正解した人はいたのだろうか。

かくして、2012年松本大会での対戦詰将棋に続いて今回の解答競争も藤井四段が優勝! 谷川九段より、「月下推敲」を授与された。藤井四段は「月下推敲」は持っているということで、更に若い6位横内さんにプレゼントという粋なはからいに拍手が沸いた。

マイナス点の最高の方にも賞品を。「マイナス8点。取材にきました。次は30点を目指します」。賞品は、もうちょっと将棋を覚えていただきたいということで「竜王のおしごと」。

2017年7月16日 14時5分~ 休憩

第一部は終了し、14時30分まで休憩に入る。このレポートも一休みして、続きは沼津に戻ってから。

2017年7月16日 13時30分~ アマレン杯握り詰紹介

詰パラで小学校を担当している水谷さんより、握り詰の作品紹介。今回参加している作者はひとことアピールできる。

水谷 「今回の駒は大駒なし、香も1枚ということで、どんどん作者を試すような配置になってきています。どうやって大駒を出すか、どうやって長手数にしているかというところに注目してみていただければ。」

21作+番外編1作で、合駒4回の49手が最長。番外編は大野さんの安南詰。

大野 「安南詰の本を持ってきたんで、その宣伝もかねて番外として出させていただきました」

2017年7月16日 13時25分~ 10回参加者・25回参加者表彰

全国大会10回目、25回目の参加者を表彰。10回は山田嘉則さんお一人。猪俣さんより記念のメダルを授与。25回は全詰連幹事の八尋久晴さん。こちらはメダルなし。

山田 「今朝テレビをつけたら、作家の朝吹真理子さんがでていて、短歌や俳句は代表作を携帯することができるという話をされていて、詰将棋もまさにそうだなと思いました。この重たいメダルをぶら下げるという罰ゲームをありがとうございました。(笑)」

八尋 「幹事をさせていただいたおかげで毎年でることができて、やっと門脇さんの25回にならんだのかなと。継続は力なりと申しますので、これからも続けていきたい。」

2017年7月16日 13時15分~ 門脇賞表彰

「詰将棋の普及・発展に貢献された方」を表彰する門脇芳雄賞。平成28年度は、詰将棋解答選手権で6回優勝の宮田敦史六段、そして直近3連覇の藤井聡太四段が同時受賞、門脇芳雄賞選考委員会の北村委員長より表彰された。

北村 「あと27回優勝して30連勝してほしい」

宮田 「これを機にいっそう詰将棋に励んでいきたい。今年は反省点があったので来年の解答選手権に活かしたい」

藤井 「今年の選手権は薄氷の勝利だったんですけど優勝して、角さんに参加記を書かされました。参加記も3回になってそろそろきついので・・・。来年も出場して優勝を目指したい」

門脇賞の選考経過はこちらを参照 ===> 平成28年度門脇芳雄賞

2017年7月16日 13時10分~ 七條賞表彰

詰パラの解答順位戦の成績優秀者を表彰する七條賞。4位の竹中さんと6位の加賀さんが大会に参加、詰パラの水上編集長より表彰された。

竹中 「解答王3回なってるんですが、今回1問ミスって残念な結果になりました。5回とって永世解答王名乗りたいんですけど、福村さんというすごい人がいますので・・・。また将棋と詰将棋、両方がんばっていきたい」

加賀 「長編を解くのは得意なんですが、今回は看寿賞作品、1題間違えました。残念です。でもこうやって看寿賞を味わうことができましたので感謝しております。」

2017年7月16日 12時55分~ 看寿賞作品解説

全国大会の配布資料の中には看寿賞受賞作品の解説パンフも。詰パラ7月号での解説に更に加筆した充実の内容。スクリーンを使って、香龍会の堀内真さんが解説。

上谷作: 中合の角が2手後に動くのが珍しい

相馬作: (詳しい解説のあと)更に詳しい解説が「解答選手権2016」に載っているのでぜひお買い求めを

山路作: 銀を4回中合。もらった銀4枚がすべて消えて詰上り。難解かつ華麗な作品

馬屋原作「手裏剣」: 角打飛合飛打角合を繰り返す。第1のキーは93角で香を84に。第2のキーは11角で歩を22に。香を釣り上げていないと11角に65玉で詰まない。最後14歩で詰むが歩が21の状態だとここで同銀で詰まない。

久保作「LCM」: この状態から82馬を持駒になった状態にしたい。玉方の32飛と54角の位置が変わっていくのに注目。飛の位置が2か所、2サイクルで元に戻る。角の位置が3か所、3で元に戻る。組み合わせると2×3で6回繰り返す必要がある。それがタイトル「LCM」(最小公倍数)の意味。

※各作品の手順はこちらの棋譜ファイルを参照 ===> 平成28年看寿賞

2017年7月16日 12時45分~ 看寿賞表彰

年間の最優秀作を表彰する看寿賞。柳田看寿賞委員長より受賞者5名を表彰。今回は5名全員大会に参加。選考過程は詰パラ2017年7月号参照。

短編賞 上谷直希 「真島、山路と鳥取の方が2年連続で取られて、その流れに乗れてよかったです。」

中編賞 山路大輔 「0%、ないが100%あるととられてしまって。でも今回そのことば通りになったので」

中編賞 相馬慎一 「若い人にはかなわない。マイペースでやっていきたいと思います。」

長編賞 久保紀貴 「2回で元に戻る機構と3回で元に戻る機構を同時に動かさなければならないとすると、両方元に戻るには6回繰り返す必要がある。というのが最小公倍数原理と認識しています。」

長編賞 馬屋原剛 「昨年と一昨年が次点に泣いたので今年の受賞は感慨深い。歩を上げる効果が収束3手前にやっと現れるのも強調したかったこと。私事ですが、昨年入籍して先々月には第一子が誕生しています。」

2017年7月16日 12時30分~ 開会、各種挨拶

司会はいつも通り短大担当の石黒さん。全国大会の司会14回目の大ベテランで、グダグダになりそうなところをうまく捌いて、ぴったり時間通り終わらせる手腕は神技。
「ただいまより第33回詰将棋全国大会を行います。」

元水実行委員長から挨拶。詰将棋のおもしろさをいろいろな角度から味わってほしいと前夜セミナーを企画、看寿賞解説を充実。何か一つでも得るものを持って帰っていただきたい。

柳田全詰連会長から挨拶。看寿賞作品集完全版が9月ぐらいに発売とのこと。柳田さんのライフワーク。

プロ棋士を代表して谷川九段から挨拶。いろいろあって大変だった谷川九段だが、詰将棋を作る時間が増えて、詰パラにもたくさん投稿しているとのこと。作品が発表されるのが待ち遠しいですね。今回も他に北浜八段、宮田六段、船江六段、藤井四段と多数のプロ棋士に参加いただいた。

水上詰パラCEOの挨拶。久しぶりの人、初めて会う人、会ってお話するためだけにでも全国大会を続けていきたい。

事務局の猪俣幹事より全詰連幹事会の報告。数字とか細かい話より、歴代の解答選手権のチャンピオンが見えているのでグランドチャンピオン戦やってもらったらどうやとか。それもどうかと思いますが、こういう機会ですので、皆さんと詰将棋をどんどん広げていけたらと考えております。

2017年7月16日 11時30分~ 開場、受付開始

受付が始まると、待ちかねた人がさっそく列を作る。北浜八段、宮田六段などプロ棋士の参加者も続々到着。12時30分の開会前でも書籍コーナーはオープンしているので、受付を済ませた参加者は席を確保すると書籍コーナーに向かう。全国大会に合わせ発行された「短編名作選」、「詰将棋解答選手権2017」をはじめ、詰将棋パラダイス、全詰連書籍部、創棋会、将棋を孫に伝える会などのブースで、書店ではなかなか手に入らないレアな詰将棋本が多数販売され、たくさん購入して荷物を増やした参加者も。

2017年7月16日 10時~ 全詰連幹事会

全国大会に先立ち、別室で全日本詰将棋連盟の幹事会が行われた。TETSUもオブザーバとして参加。看寿賞委員会、データベース委員会など各委員会からの活動報告や会計報告が行われ、いろいろな課題について議論された。北村副会長、猪俣幹事が退任、副会長は八尋幹事に、事務局は吉松幹事に、会計は田中さん(新幹事?)になる模様。門脇賞選考委員長は北村さんが継続か。

2017年7月16日 9時~ 全国大会会場準備

全国大会はウインクあいちの5階小ホール1で、11時30分から受付開始。それまでに、机や椅子を150人分セットしたり、演台やタイトル幕のセッティング、プロジェクタの調整、受付の準備など、すべて終わらせなければならない。香龍会の大会スタッフに加え、早めに来た参加者も臨時の応援スタッフとなり、協力して準備を進めていく。司会の石黒さんも到着して、段取りの確認など打ち合わせ。会場後方の書籍コーナーも着々と準備が進む。

2017年7月15日 18時30分~21時30分 前夜イベント

前夜イベントは「詰将棋などに関する講義。著名な講師3名がそれぞれ斬新なアイデアや深い考察を展開。」という全国大会らしからぬアカデミックな催し。これまでは前夜祭として、飲みながら懇親というパターンが多かった。

全国大会会場と同じ、ウインクあいちの5階小ホール1で開催。66人と予想以上に多くの人が参加し、資料が足りなくなるほど。今後の全国大会で定番になるかもしれない。

1) 堀内真 「詰将棋の主な創作・解説支援ソフトの紹介と提案」

主な創作・検討支援ソフトとして、柿木将棋、脊尾詰、WhiteSolver、fmzaの4種の解図・検討用ソフト、更に関連ツールとして、変同チェックツール、同一作チェックツールについて、それぞれ良い点、欠点を解説。

主な解説支援ソフトとして、手順入力ソフト、図面作成ソフト・ツールを紹介。図面作成で私が注目したのは、最近登場したjavascriptを用いてインラインSVGに将棋局面図を描画し置換するshogizumen.js。拡大してもギザギザにならず、きれいに表示できるのがよい。

解説支援ソフトは、まだまだ部分的な要素技術の段階だが、こんな機能があったらよいな、というのをいろいろ提案。解説文を自動出力(森田銀杏風・・・)などは、あったら大喜びする担当も多そう。報告のあと山田剛さんから指摘があったが、次のような研究もある。

2017年7月20日追記:
第33回詰将棋全国大会(1) 前夜イベント (詰将棋考察ノート)によると、山田さんが指摘したのは指将棋の自動解説の話だったようだ。こちらは、「将棋 自動解説」などでググれば、いろいろ見つかる。

2) 鈴川優希 「美学・藝術学の視点から現代詰将棋を俯瞰する」

美学とはなにか、藝術の定義などから始まる高尚な講義。それらを踏まえて、現代詰将棋の今後について議論のポイントを提示した。

  • 詰将棋の藝術としての弱み
  • デザインとしての詰将棋
  • 類作問題、著作権問題
  • コンピュータによる創作

何も結論を示したわけではなかったが、なぜか、講義後の質疑がヒートアップ。時間切れで次の講義に。人によってとらえ方がいろいろあるのも藝術の特性なのかもしれないなあ。

3) 久保紀貴 「連続合の研究」

このところ新型も続々登場して活気付いている連続合作品について、その原理の分類を試みる。講義が続いてそろそろ疲れてきたころ。まずは最近の詰棋界の恋愛事情からはいり、皆を和ませてから本題にはいるところは流石久保さん。

連続合

  • 個別意味づけ
  • 同一意味づけ
    • 間隔を空けない
      • 駒打ちの空間を消す
      • 逃げる空間を作る
    • 特定地点に利かせる
      • 王手駒に利かせる
      • 王手駒の利きに利かせる
        • 駒打ちを防ぐ
        • 王手駒の移動を防ぐ
          • 高い駒を稼がせない
            • 行きどころのない駒の禁を使用
            • 二歩禁を使用
          • 駒の連結を防ぐ
          • 成られるのを防ぐ
          • 質駒を狙わせない
      • それ以外の地点に利かせる
        • (駒打ちを防ぐ?)
        • 王手駒の移動を防ぐ
          • (高い駒を稼がせない)
          • 駒の連結を防ぐ
          • (成られるのを防ぐ)
          • (質駒を狙わせない)
        • 続く合駒を支える

原理からではなく既存作品に基づく分類では中途半端になるのでは?と、ちょっと意地悪質問をしてみたら、「新しいパターンを見つけたら、私が作ります」と。「こういう分類をすることで新しいパターンが見えてくる」とも話していたので、新構想の登場に期待したい。

間の休息時間、会場の後ろの方では「短編名作選」、「詰将棋解答選手権2017」のフライング販売。とぶように売れていたが、明日の全国大会に合わせて持ってきている筈なので売り切れになることはないだろう。

2017年7月15日 9時~15時30分 香龍会

全国大会に先立ち、今回大会運営にあたった名古屋の詰将棋グループ香龍会の例会が昭和生涯学習センターであったので、TETSUも11時頃から参加した。

今回は全国大会の前夜イベントが今晩行われることもあって、遠来の詰将棋ファンも多数参加、20名を超える大盛況となった。香龍会のスタッフは、前夜イベント、そして明日の全国大会の準備におおわらわ。150人分の資料の用意は大変だ。

参加者が150人を超えた場合は、会場との約束で参加を遠慮していただくしかないとのことなので、大会開始は12時30分だが、すこし早めに来た方がよいかも(開場、受付は11時30分から)。

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